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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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ニコンF2  ニコマート 

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ニコンF用モータードライブ
 
F-36
  • F-250
長尺フィルムバック、モータードライブを装着したニコンF2

ニコンF2

 開発時はF'(エフダッシュ)、後にAカメラと呼ばれていた。「ニコンFの改良版」と表現される場合もあるが実際には全面的に設計が変更されており、互換性を保ったファインダースクリーンを除いてネジ一本に至るまで全く別の部品が使用されている。ニコンF一桁機最後にして最高峰の機械式シャッター機となった。ニコンFにおいてライカのシャッター形式を踏襲したため「背面寄りの位置にあり使いにくい」という声のあったシャッターボタンを前に移動し、カドの取れたフォルムにするなどより手にフィットする筐体となった。
 
 裏蓋は開閉式になったがフィルムマガジンの使用に対応したため、フィルム交換などで裏蓋を開閉するには底部のレバー操作が必要である。シャッター速度は10秒~1/2000秒。10秒~2秒はセルフタイマー併用、1/80秒~1/2000秒は中間速度も使用可能である。横走りシャッター機は横に動く被写体を自然に写し込む特徴があり、電池切れによる影響が少ないため、厳冬期においていまだに愛用するプロカメラマンが多い。スピードライトには1/80秒以下のシャッター速度で同調する。
 巻上機構は分割巻き上げが可能で、レバーにはプラスチックの指当てが付く。ニコンFの欠点であった望遠レンズ使用時のミラー切れ対策としてミラーは大型化され、昇降機構も改良された。その他250枚長尺フィルム、750枚長尺フィルムに対応するフィルムバックとの背板交換、絞りリングをサーボモーターで直接操作する機構でシャッター速度優先自動露出撮影を可能にした「EEコントロールユニット[6]」など、多くの機能を利用できるシステムカメラだった。
 
 ニコンFの時点で実現されていたTTLファインダーの実装は前提とされ、その電源はボディ本体に設けられた電池室から銀電池SR44×2またはアルカリ電池LR44×2により行なわれることとなり、ニコンF用に比べ小型化されたフォトミックファインダーが用意された。
 
 露出計内蔵ファインダーは測光素子の寿命が尽きているものが多いものの、ボディー本体には消耗的な電子部品による寿命の制約がなく、また構造に無理がなく各部品が頑強なため、今でもメーカーの補修用部品在庫の範囲で修理が可能。またパーツを生産しオーバーホールする修理専門店が比較的多くある。
 シャッター耐久性能は公称値15万回、社内規格としては実に20万回という数値を設定して企画されたが、高速側のシャッタースピードは使用過程で誤差が生じる場合が多いことが1971年12月号のアサヒカメラニューフェース診断室で確認されており、適宜調整は必要である。
 
 単にニコンF2と呼んだ場合は露出計のないアイレベルファインダーDE-1を装着したタイプを指すが、ニコンF2では当初からフォトミックファインダー搭載のニコンF2フォトミックを標準としており、生産開始当時からTTL測光が可能なF2フォトミックシリーズがリリースされた。交換可能なファインダーの違いによるもので、外装がチタンのニコンF2チタンを除けば本体は同一である。ニコンF3が登場した1980年(昭和55年)に生産を終了した。
  • ニコンF2フォトミックNikon F2 Photomic1971年(昭和46年)9月発売) - フォトミックファインダーDP-1を搭載したモデル。測光素子はCdS、表示は指針式。別売のフォトミックイルミネーターDL-1を装着すれば暗所でもファインダー内の情報を照明によって読み取ることができる。
  • ニコンF2Nikon F21971年(昭和46年)9月発売) - アイレベルファインダーDE-1を装着したモデル。
  • ニコンF2フォトミックSNikon F2 Photomic S1973年(昭和48年)3月発売) - 測光素子はCdSながら表示をLED式としたフォトミックファインダーDP-2を搭載したモデル。EEコントロールユニットDS-1またはEEコントロールユニットDS-2[7]併用によりシャッタースピード優先自動露出撮影可能。
  • ニコンF2フォトミックSBNikon F2 Photomic SB1976年(昭和51年)10月発売) - フォトミックファインダーDP-2の測光回路をSPDに近代化しかつ小型化したフォトミックファインダーDP-3を搭載したモデル。測光素子はSPD、表示はLED式。EEコントロールユニットDS-1またはEEコントロールユニットDS-2[8]併用によりシャッタースピード優先自動露出撮影可能。
  • ニコンF2フォトミックANikon F2 Photomic A1977年(昭和52年)3月発売) - フォトミックファインダーDP-1をAi方式(Automatic maximum aperture Indexing[9]に改良したフォトミックファインダーDP-11を搭載したモデル。別売のフォトミックイルミネーターDL-1を装着すれば暗所でもファインダー内の情報を照明によって読み取ることができる。
  • ニコンF2フォトミックASNikon F2 Photomic AS1977年(昭和52年)7月発売) - フォトミックファインダーDP-3をAi方式(Automatic maximum aperture Indexing[10]に改良したフォトミックファインダーDP-12を搭載したモデル。EEコントロールユニットDS-12併用によりシャッタースピード優先自動露出撮影可能。
以下は限定モデル。
  • ニコンF2チタンNikon F2 Titan1979年(昭和54年)限定発売) - ウエムラスペシャルの経験を元にして製造された、外装部品にチタンを使用したモデル。当初は2000台とアナウンスされたが後に追加された。チタンの加工技術が未熟で裏蓋の形状が形成できなかったため裏蓋が鉄製だが後には裏蓋もチタン製となった。一般モデルの裏蓋はアルミニウム製。「Titan」の文字が筆記体で入っている物は一般向け。入っていない物は報道向けで「ノーネーム」と俗称される。
以下は特殊モデル。
  • ウエムラスペシャル1978年(昭和53年)製作) - 植村直己1974年(昭和49年)から1976年(昭和51年)に渡る北極犬ぞり探検に際して携行した他社のカメラが故障したことから日本光学工業に「故障しないカメラ」の依頼がありニコンF2に防振、防寒対策をして開発された特殊モデル。外装にチタンを採用した最初のカメラとなった。1978年(昭和53年)犬ゾリ単独行で北極点到達した際に携行され故障なく動作、数々の素晴らしい記録写真を残した。
  • 高速モータードライブカメラ - 専用のモータードライブMD-100と固定式ハーフミラーの採用で10コマ/秒の連続撮影が可能。
 
ニコマートシリーズ
 OEM供給を試みたニコレックスシリーズの失敗をふまえて開発されたニコンFマウント廉価版一眼レフカメラ。ニコマートELの電子シャッター等ニコンFシリーズに先立って新しい機能を投入されることもあった。コパル製縦走りシャッター等汎用部品を使ってコストダウンしつつもニコン基準の品質を守るため開発製造はニコンで行われている。
 先進技術や評価の定まっていない新機能を中級機で採用し、その技術・機能が確立した上でフラッグシップ機に採用するというニコンのカメラ造りの伝統はニコマートシリーズに端を発する。
 機械式シャッターを備えたニコマートFT系と、電子シャッター・絞り優先AEを備えたニコマートEL系がある。ニコマートFT系はニコン一眼レフカメラで唯一レンズマウント周囲に設置されたリングでシャッター速度を調節する独特の操作方式を持つ。同様の方式は後のオリンパスOMシリーズも採用している。
 倒産したコンビニエンスストアチェーン「ニコマート」とは何の関係もなくスペルも違う。なお輸出モデルはニッコールマート: Nikkormat)という名前で販売された。ニックコーマットまたは、ニッコォーマットニコーマット: Nikkormat)とも呼ばれる。

ニコマートFTシリーズ

ニコマートFT
  • ニコマートFTNikomat FT1965年(昭和40年)7月発売) - 前板とミラーボックスのダイキャストを一体化するなどユニット・アッセンブリーを多用するなどコストダウンに気を配りながらも品質面でも妥協をしない作りからヒットとなった。コパルスクエアSシャッター(カム軸がシャッター面と垂直に交わる設計)を採用した結果シャッターダイヤルがマウント基部に配置されているのも特徴。平均測光露出計内蔵。
  • ニコマートFSNikomat FS1965年(昭和40年)7月発売) - ニコマートFTから露出計とミラーアップ機構を省いたモデル。ニコマートシリーズ中で露出計がないのはこの機種だけである。発売から数十年が経つ現在ニコマートシリーズの露出計は故障している個体が多いため、修理できない箇所の少ないニコマートとして比較的高値で取引される。
  • ニコマートFTnNikomat FTn1967年(昭和42年)10月発売) - ニコマートシリーズでは初めて開放F値補正操作を取り入れ、絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了する。またニコマートシリーズで初めて中央重点測光が取り入れられた。1971年(昭和46年)8月A型スクリーンを装備したモデルが追加された。
  • ニコマートFT2Nikomat FT21975年(昭和50年)3月) - ニコマートFTnの改良型で固定ホットシューの採用、シンクロソケットの単一化・タイムラグ自動調整、水銀電池から酸化銀電池への使用電池の変更がされている。生産はさほど多くないがニコマートFTnより現代的でストレスなく使える。
  • ニコマートFT3Nikomat FT31977年(昭和52年)3月発売) - ニコマートFT2をAi化したモデル。同年5月に後継のニコンFMが発売されたため生産はかなり少なかった。ニコマート最終機種であり、最初で最後のAi方式のニコマートとなった。
 

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