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[転載]日本電工株式会社徳島工場における土壌調査の結果と対策  基準値の1万5800倍 

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2012 年12 月20 日
日本電工株式会社
 

弊社徳島工場における土壌調査の結果と対策について
 

 弊社は本年 12 月末をもってクロム塩事業を日本化学工業株式会社へ譲渡し、徳島工場でのクロム塩類
生産を終了いたします。弊社はこれを契機とし、徳島工場での今後の事業活動における環境保全強化を
目的として、同工場敷地の自主的な土壌調査を行いました。また、その結果を踏まえ、今後の対策につ
いて検討いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。


1.調査の概要
 1)調査場所 : 弊社徳島工場(阿南市橘町幸野62-1)
 2)調査実施者 : 土壌汚染対策法上の指定調査機関
 3)調査期間 : 2012 年6 月~8 月
 4)調査概要
  (1)調査項目 : 六価クロム
  (2)調査内容 :
     a. 土壌調査(土壌溶出量試験、土壌含有量試験)
      採取地点数 28 地点
      ボーリング深度 15m、各地点16 深度、合計検体数 448 検体

    b. 地下水調査(地下水試験)
      採取地点数 28 地点(上記a.と同一地点)、合計検体数 28 検体
2.調査結果
 1)土壌溶出量試験 (基準0.05mg/L 以下)
   28 地点(448 検体)中8 地点(16 検体)で基準不適合を確認。
   基準不適合最深深度は8m、最大値は20mg/L。
 
 
 2)土壌含有量試験 (基準250mg/kg)
   28 地点(448 検体)中1 地点(2 検体)で基準不適合を確認。
   基準不適合最深深度は 1m、最大値は330mg/kg。
 
 
 3)地下水試験 (基準0.05mg/L 以下)
   28 地点(28 検体)中4 地点(4 検体)で基準不適合を確認。
   最大値は790mg/L。
 

 
3.対策(案)
 1)恒久対策(案)
  (1) 区域A(土壌含有量試験及び地下水試験にて一部基準不適合)
   ・地下の不透水層(深さ10m)まで到達する遮水壁(幅50cm、深さ11m)の造成工事を行います。
     (TRD工法およびソレタンシュ工法、延長約1,400m)
  
  ・併せて、区域内の既設・新設の井戸を利用し、地下水を汲み上げることにより域内の地下水位を
  下げ、水の漏出防止に万全を期します。汲み上げた地下水は排水処理工程にて適正に処理いたします。
  ・また、クロム塩製造工程跡地部分は、既に大部分がアスファルト舗装されておりますが、未舗装部
   分についても舗装工事を行い、雨水の浸透を防止いたします。
    以上により、工場敷地外への将来的な漏出を遮断いたします。また、工事後は区域外側においてモ
   ニタリングを継続いたします。

 
   (2) 区域B(土壌含有量試験及び地下水試験に不適合はなく、土壌溶出量試験のみ基準不適合)
     ・現時点では直接的な環境への影響はございません。現状の維持を確認していくため、今後地下水の
      モニタリングを継続し、万全の体制を敷いてまいります。
     ・モニタリングにおいて、状況悪化の兆候が見られた場合は、区域A と同等の対策を検討いたします。
 
 2)応急措置
   (1) 区域A(土壌含有量試験及び地下水試験にて一部基準不適合)
     地下水試験において最大値を示した地点付近の既設の井戸より地下水を汲み上げ、これを排水処理
    工程にて処理する作業を今後継続的に行います。また同地点周辺の土壌の除去、浄化作業を至急行
    います。

 
   (2) 区域B(土壌含有量試験及び地下水試験に不適合はなく、土壌溶出量のみ基準不適合)
     現時点では直接的な環境への影響はございませんが、万全を期すため同区域に覆土を施し、汚染
     の飛散を防止いたします。

 
  弊社は昭和 44 年(1969 年)徳島工場においてクロム塩生産開始以来、今日に至るまで
操業をしてまいりました。
 
 同工場はクロム塩生産終了後も合金鉄等の生産拠点として操業を継続し、引続き万全な環境保全体制を敷いてまいります。
以 上
 
 
 
リアル・オーディオ
  • 日本電工徳島工場
    昭和44年・県、阿南市が誘致
  • 昭和44年5月試験運転中に「重クロム酸ソーダ」を飛散
  • 六価クロム 肺ガンなどの原因猛毒性重金属
  • 従業員4人が肺ガンで死亡、数人が「鼻中隔せん孔」
  • 高濃度の六価クロム検出
  • 周辺住民の尿からも検出
  • 誘致した工場が公害を発生させる
  • 反公害運動
  • 原発や石油精製工場などの誘致は白紙に
  • 光化学スモッグ
  • 経済の成長がすべてでない
  • 昭和49年公害センター竣工
阿南市橘町の日本電工徳島工場は
昭和44年に県と阿南市が誘致した工業薬品工場です。
しかし、試験運転中に劇物の「重クロム酸ソーダ」の粉末を
飛散させる事故を起こしてしまいます。
この事故で周辺の住民約300人が
のどなどに異常を訴えました。

しかし、公害が深刻化したのはその後でした。
日本電工が製造している「六価クロム」が
肺ガンなどの原因になっていることが明らかになったのです。
「六価クロム」は致死量5グラムといわれる
猛毒性の重金属です。
徳島工場でも昭和56年までに従業員4人が
六価クロムの粉じんが原因の肺ガンで死亡しました。
さらに、鼻の中に穴があくという
鼻中隔せん孔患者も数名いることが明らかになりました。

その後も工場の敷地内に、基準値を超える
高濃度の六価クロムが埋め立てられていることが発覚、
さらに検査の結果、周辺住民の尿には
通常より高い濃度の六価クロムが含まれていることもわかり、
六価クロム汚染が住民を巻き込んだ
広範囲に拡大していることが判明しました。

「誘致した工場が公害を発生させる」
それは、住民による反公害運動への引きがねといなりました。
公害を発生させる恐れのある工場の誘致に断固として
反対する動きが強まっていったのです。
その結果、県南に計画されていた
原子力発電所や石油精製工場などの誘致は
次々と白紙に追い込まれました。
当時、県南を中心に「光化学スモッグ」など
広範囲に渡る公害が深刻化していたことも
こうした反公害運動を後押ししていました。
「経済の成長が すべてではない」
そんな世論が形成されつつありました。

こうした住民からの突き上げに対応を迫られていた行政側は
昭和49年に公害センターをしゅんこう、
全県下的な公害監視体制を確立しました。
 
 
 

基準値の1万5800倍 日本電工徳島工場 六価クロム検出 徳島

2012.12.21 02:03
 日本電工(東京)は20日、徳島県阿南市橘町の同社徳島工場の地下水から環境基準値の最大1万5800倍、土壌から同400倍の六価クロムを検出したと発表した。従業員も含めて健康被害は報告されていないという。今後、浄化対策を進める。
 同社は今月末でクロム塩事業を他社へ譲渡し、工場でのクロム塩類生産を終了させることから、6~8月に工場敷地内の28地点でボーリング調査を実施。その結果、地下水は4地点、土壌溶出量は8地点、土壌含有量は1地点で基準値を超える汚染が分かった。
 同社によると、昭和40年代まで行っていたクロム製品製造に伴い発生した残りかす(クロム鉱さい)の無害化処理が完全でなかったのが理由と推定。今後は、地下水のくみ上げと浄化処理、汚染土壌の除去・覆土など応急的処置を進めることにしている。
 
 
 
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阿南の六価クロム検出:日本電工工場内で不検出 県が初の環境監視 /徳島

毎日新聞 2013年03月15日 地方版
 阿南市の日本電工・徳島工場内の地下水などから基準値を超える六価クロムが検出された問題で、県は14日、環境保全連絡協議会で策定した計画に基づく初の環境監視の結果を公表した。工場敷地内や周辺海域の計15地点の地下水や海水を調べたが、いずれの地点も六価クロムは不検出だった。
 調査は11日に県と同社が実施。当初、高濃度の六価クロムが検出された3地点は両者が調査した。環境監視は今後2年間、年4回のペースで行う。
 同社は、地下水が外へ漏れないよう地下に遮水壁を設置するほか、汚染された土壌を撤去する予定。
 

転載元: 瀬戸内海の底をきれいにしよう


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