関電ジオレ、PCB汚染土壌処理事業に参入-尼崎市から許可取得
2014/07/23
尼崎市から許可を取得しPCB汚染土壌の処理も可能となった熱処理システム
関西電力グループの関電ジオレ(兵庫県尼崎市、柴垣雄一社長)は7月から、PCB(ポリ塩化ビフェニール)汚染土壌の処理事業に参入した。土壌汚染対策法に基づく許可を7月2日に尼崎市から取得し、既設の汚染土壌浄化プラントでPCB汚染土壌も処理できる体制を整えた。処理能力は1日当たり110トン。土壌に高熱処理を施し、PCBを無害化する。同社では2013年度に開始した低濃度PCB廃油の処理も軌道に乗っており、PCB無害化事業による社会貢献と収益拡大を目指す。
PCBは有機塩素化合物の一種。絶縁性が高く、燃えにくいなどの安定的な性質を持つことから、国内では1950年代頃から変圧器や蛍光灯安定器などに幅広く使用されるようになった。ただ生体への有毒性が指摘されて以降は製造・輸入・新規使用が禁止となり、現在も既存PCBの処理が大きな課題。電力各社でも、一部変圧器などに含まれるPCBの処理が進んでいる。
環境廃棄物処理事業産業廃棄物処理対策 PCB廃棄物の適正処理について
PCB廃棄物の適正処理について
[2014年6月13日]
電気機器の更新や建物の解体等に伴って発生するPCB廃棄物は、廃棄物処理法およびPCB特別措置法に基づいて、事業者において適切に保管及び処分を行っていただく必要があります。
また、運搬や処分を他人に委託する場合は、その受託者は廃棄物処理法上の許可が必要ですのでご注意ください。許可等の内容について、必要に応じて本市へ確認してください。
また、運搬や処分を他人に委託する場合は、その受託者は廃棄物処理法上の許可が必要ですのでご注意ください。許可等の内容について、必要に応じて本市へ確認してください。
全国では、PCBの漏えいやPCB廃棄物の紛失等の事例が報告されており、これは保管事業者における誤った認識による保管や、許可を有さない事業者等に対して法律の規定を満たしていない処理等を委託してしまったことが原因であるものも報告されています。PCBの漏えいやPCB廃棄物の紛失等が起こらないためにも、保管事業者における厳格な取扱いをよろしくお願いします。
PCBとは
PCBは、絶縁性、不燃性などの特性によりトランス、コンデンサといった電気機器をはじめ幅広い用途に使用されていましたが、昭和43年にカネミ油症事件が発生するなど、その毒性が社会問題化し、わが国では昭和47年以降その製造が行われていません。
しかし、事業者におけるPCB廃棄物の保管は長期間にわたっており、紛失や漏洩による環境汚染が懸念されたことから、平成13年にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法が施行されました。
絶縁油 | トランス用 | ビル・病院・鉄道車両・船舶等のトランス |
コンデンサ用 | 蛍光灯の安定器・白黒テレビ・電子レンジ等の家電用コンデンサ、直流用コンデンサ、蓄電用コンデンサ | |
熱媒体(加熱用、冷却用) | 各種化学工業・食品工業・合成樹脂工業等の諸工業における加熱と冷却船舶の燃料油余熱、集中暖房、パネルヒーター | |
潤滑油 | 高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤 | |
可塑剤 | 絶縁用 | 電線の被覆・絶縁テープ |
難燃用 | ポリエステル樹脂・ポリエチレン樹脂 | |
その他 | ニス、ワックス、アスファルトに混合 | |
感圧複写紙 塗料・印刷インキ | ノンカーボン紙、電子式複写紙、印刷インキ、難燃性塗料、耐食性塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料 | |
その他 | 紙等のコーティング、自動車のシーラント、陶器ガラス器の彩色、農薬の効力延長剤、石油添加剤 |
- PCB特別措置法関連法令-環境省のホームページへリンクします。
PCB廃棄物かなと思ったら・・・
事業場に設置されている受電設備(キュービクル)や蛍光灯本体の取替え、建物解体時に出てきた電気機器については、製造メーカー、型番、製造年月を確認し、PCB含有の有無を適切に判断してください。
含有されていないことが確定したものについては、産業廃棄物としての処理が可能です。
含有していることが判明したものについては、法律の基準に基づいて保管および処理を行っていただきます。
含有されていないことが確定したものについては、産業廃棄物としての処理が可能です。
含有していることが判明したものについては、法律の基準に基づいて保管および処理を行っていただきます。
※必ず製造メーカー、型番、製造年月等を確認してください。
※銘板がなくなっていて上記事項が確認できない場合は、絶縁油の分析測定を行ってPCBの有無を判断する必要があります。
トランス、コンデンサなどの廃電気機器の調査等フロー
安定器の分解、解体について
環境省からの事務連絡において、PCB使用廃安定器の内部にあるコンデンサに外見上の損傷等がなくても、コンデンサの外側にPCB汚染の可能性があることが示されております(添付ファイル参照)。PCBの飛散、流出等を避ける観点から、PCB使用廃安定器の解体、分解は行わずに保管してください。
PCB使用廃安定器の分解、解体は行わないでください。(環境省より)