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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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[転載]● 神通川イタイイタイ病事件 ●

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《 事件の概要 》
 イタイイタイ病は、大正時代から発生していたと思われるが、その原因が分からず、神通川流域で特有の、原因不明の難病と思われていた。
 この病気は、神通川流域の川、地下水を飲料水として使用していた地域の農家の、特に中年以降の経産婦に多く発病したことから、女性特有の病気と思われていた。
 1955年、地元の民間臨床医の萩野昇博士らにより、体内に異常に蓄積されたカドミウムにより、骨が脆くなる骨軟化症の一種であり、カドミウムに汚染された地下水や川の水を飲用したことが原因で起こる、公害病であることを医学会で発表した。
 この病気にかかると、くしゃみをするだけでも胸骨や、顎の骨が折れてしまうくらい、骨がもろくなってしまい、骨の折れる痛みでイタイイタイと泣き叫び、徐々に衰弱し、やがて死亡する例が多いい事から、「イタイイタイ病」と名づけられたのである。

 「イタイイタイ病」は、まさに悲惨な病である。一家の主婦が被害者となるケースが多かつたため、家庭生活は破壊され、とり返しのつかない悲劇もおこっている。現在も根本的な治療法はない。
 当初、発表者が民間の医師であったことから、この「公害病説」は大学偏重の我が国の学界の中では無視され、さらに工場誘致による地域開発を進めていた富山県は、公害問題の深化をおそれて、事件をもみけそうとし、萩原医師らは地域からも孤立、事件解決の道は遠のいてしまう。

 だが、10年後の1968年、小林純、吉岡金市両博士の協力で、当時神通川上流にあった神岡鉱山の廃液に含まれる、カドミウムを主体とする中毒であることが証明され、やっと政府は鉱毒説を認めた。
しかし、企業側はこれを認めず、被害者らは裁判をおこす。
 後に神岡鉱山は、大量の廃液を未処理のまま、夜間や降雨による増水時に、密かに神通川に垂れ流し続けていたことが、判明、その結果下流域の河川、地下水、穀倉地帯の広域土壌汚染をまねく結果となった。
 これは企業による殺人行為そのものである。

転載元: 土壌・地下水・底質・放射能・汚染と健康被害の泣き寝入防止


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