中国・長江流域土壌汚染調査紀行
畑 明郎
畑 明郎
1.はじめに
2006~2007 年に中国・広東省と湖南省の土壌汚染調査を4 回実施し、その成果は、『びわ湖通信』№138、№146、№150 に報告するとともに、畑明郎・田倉直彦編『アジアの土壌汚染』世界思想社、2009 年に取りまとめた。
2009 年9 月に実施した「中国長江流域土壌汚染調査」(『びわ湖通信』№175、2009年10 月に掲載)の継続調査として、図1 と表1 に示すように、2010 年3 月21~28 日の8 日間、長江流域の江蘇省南京市・湖北省武漢市・湖南省長沙市周辺の土壌汚染を調査した。
調査には、私(団長)と南京大学日本語講師の山本節子(事務局)、名古屋大学大学院教の櫻井次郎(副団長)、千葉経済大学名誉教授の櫻井明治、聖泉大学教授の向井嘉之、環境カウンセラーの藤原きよみ、環境NGO の杉本賢司の7 人が参加した(写真1)。
2006~2007 年に中国・広東省と湖南省の土壌汚染調査を4 回実施し、その成果は、『びわ湖通信』№138、№146、№150 に報告するとともに、畑明郎・田倉直彦編『アジアの土壌汚染』世界思想社、2009 年に取りまとめた。
2009 年9 月に実施した「中国長江流域土壌汚染調査」(『びわ湖通信』№175、2009年10 月に掲載)の継続調査として、図1 と表1 に示すように、2010 年3 月21~28 日の8 日間、長江流域の江蘇省南京市・湖北省武漢市・湖南省長沙市周辺の土壌汚染を調査した。
調査には、私(団長)と南京大学日本語講師の山本節子(事務局)、名古屋大学大学院教の櫻井次郎(副団長)、千葉経済大学名誉教授の櫻井明治、聖泉大学教授の向井嘉之、環境カウンセラーの藤原きよみ、環境NGO の杉本賢司の7 人が参加した(写真1)。
2.南京市の世界遺産・明孝陵
略
3.南京大学社会学院の畑講演会
今回の海外出張の招待状を頂いた張玉林教授が属する南京大学社会学院で、「イタイイタイ病の加害・被害・再生の社会史」と題する講演をした(写真4)。
今回の海外出張の招待状を頂いた張玉林教授が属する南京大学社会学院で、「イタイイタイ病の加害・被害・再生の社会史」と題する講演をした(写真4)。
張教授は、元新聞記者だったが、京都大学大学院農学研究科博士課程に留学後、現職となられ、中国の環境問題を日本に紹介されている。
講演資料は、『環境社会学研究』Vol.6,2000 を改稿した畑明郎・上園昌武編公害湮滅の構造と環境問題』第1 章「イタイイタイ病に見る公害湮滅の構造」を元留学生の熊敏娜さんに中国語に翻訳したものを配付した。
出席者は、教員や大学院生の約20 人だったが、張教授も含めて、日本と中国の環境問題の本質を突いた質問が多く、大変有意義な討論だった(写真5)。
講演資料は、『環境社会学研究』Vol.6,2000 を改稿した畑明郎・上園昌武編公害湮滅の構造と環境問題』第1 章「イタイイタイ病に見る公害湮滅の構造」を元留学生の熊敏娜さんに中国語に翻訳したものを配付した。
出席者は、教員や大学院生の約20 人だったが、張教授も含めて、日本と中国の環境問題の本質を突いた質問が多く、大変有意義な討論だった(写真5)。
4.南京大虐殺記念館
略
5.湖北省黄石市大冶銅緑山鉱山
・・・・中国環境NGO「自然の友」武小組長・曾弁護士の案内で詳しく調査できた。銅緑山には、中国青銅器文明発祥の銅鉱山遺跡があるが、遺跡は地盤沈下で閉鎖されていた。
・・・・中国環境NGO「自然の友」武小組長・曾弁護士の案内で詳しく調査できた。銅緑山には、中国青銅器文明発祥の銅鉱山遺跡があるが、遺跡は地盤沈下で閉鎖されていた。
遺跡周辺は露天掘りや立坑で現在も採掘中であった。50m高さの立坑上から眺めた平地の選鉱廃滓堆積場は広大で、30m高さに達し、決壊事故が恐れられる。
曾弁護士は、大冶鉱山の新冶銅坑の元技術者であり、坑口跡、選鉱場跡、決壊事故で多数の死者を出した選鉱廃滓堆積場跡(写真9)などを案内してくれた。
曾弁護士は、大冶鉱山の新冶銅坑の元技術者であり、坑口跡、選鉱場跡、決壊事故で多数の死者を出した選鉱廃滓堆積場跡(写真9)などを案内してくれた。
選鉱廃滓堆積場の排水は無処理であり、大冶鉱山周辺には、小規模な製鉄所(写真8)や製錬所が多く、排煙による大気汚染もひどい。
6. 武漢市の黄鶴楼と長沙市の岳麓山
略
7. 湖南省劉陽市の公害調査
昨年7 月に発生した湖南省劉陽市の化学工場によるカドミウム汚染事件を現地取材された朝日新聞上海支局の戴毅臨記者らとともに、中国最大の花火製造市の劉陽市を訪れた。
昨年7 月に発生した湖南省劉陽市の化学工場によるカドミウム汚染事件を現地取材された朝日新聞上海支局の戴毅臨記者らとともに、中国最大の花火製造市の劉陽市を訪れた。
村人とともに写真12 の汚染源工場に無断で立ち入ったところ、公安と市政府役人に拘束され、市政府庁へ連行された。そこで、パスポートチェックと市政府の公害対策(写真13 の土壌復元工事など)をレクチュアされ後、釈放された。
さらに、当日長沙のホテルに宿泊中の深夜に公安がホテルまで来て、全員のパスポートをチェックしたことには、大変驚いた。
これは2010年6月20日の環境学会横浜大会で詳細が報告されます。
畑明郎 アジア 汚染 の検索結果
畑明郎 中国 汚染 の検索結果