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2009年ウイグル騒乱は、中華人民共和国新疆ウイグル自治区ウルムチ市において発生した虐殺事件。

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 2009年ウイグル騒乱(にせんきゅうねんウイグルそうらん)は、2009年7月5日に、中華人民共和国新疆ウイグル自治区ウルムチ市において発生した騒乱事件。
 
 ウイグル人住民が、漢族住民および武装警察と衝突し、中国当局の発表(2009年7月19日現在)では、死者197名、負傷者1,721名に上る犠牲者が出たとしている]
一方、亡命ウイグル人組織の世界ウイグル会議の発表(2009年7月10日現在)で、中国当局や漢族の攻撃により殺されたウイグル人は最大3,000人と発表している。
 新疆における騒乱事件としては、2008年3月のホータン市での抗議デモ以来の事件であり、1997年に起きたグルジャ市での大規模な官民衝突に匹敵する犠牲者を出した。
 
 
概要
 事件の背景には、漢族住民とウイグル人住民の間の経済的格差や、ウイグル人固有の文化的、宗教的権利が中国において尊重されていないとするウイグル人住民の不満があるといわれる。
2009年6月末には、広東省韶関市の玩具工場で漢族によるウイグル人従業員への大規模なリンチ殺害事件が発生し、これがウルムチ市での事件の直接の契機となった。
 
 7月5日、事件の公正な解決を求めるウイグル人がウルムチ市内で当局への抗議デモを始めた。およそ3,000名がデモに参加し、デモを鎮圧しようとした治安部隊との間で衝突が発生した。デモ隊の一部は暴徒化し、車両破壊、放火、漢族住民への襲撃を行った[
 
 デモの発生契機やデモ隊が暴徒化した経緯、デモの鎮圧過程については、中国当局とウイグル人住民の間で大きく見解が異なる。中国当局が、海外の独立運動組織の煽動により計画的に引き起こされた「暴力犯罪」と主張する一方、亡命ウイグル人組織の世界ウイグル会議は、自発的に発生した平和的なデモに当局が発砲し、これに刺激されたデモ参加者の一部が暴徒化したと主張している。
 死傷者についても、中国当局は7月10日に死者は184人であり、そのうち漢族が137人であるとして死傷者の大半が漢族であると発表する一方で、同日、世界ウイグル会議は、中国当局の武力弾圧や漢族の攻撃により殺されたウイグル人の死者は最大で3,000人に上る可能性があると主張し、デモ鎮圧の過程で当局による武力弾圧があったことを示唆している。
 7月19日には中国当局は警察官が少なくとも12人を射殺したことを認めている[2]
 
 中国当局は、7月7日には市内の治安を回復したと発表したが、同日には、棍棒や刀で武装した漢族の集団が数百人規模で示威行動を行い、一部がモスクやウイグル人の住居を破壊する事態となった。
 中国当局は、民族間の緊張が高まるのを危惧し、「民族団結」を呼びかけ、両民族の融和を求めるキャンペーンを展開した。
 
 事件は新疆ウイグル自治区各地に波及し、ウイグル人人口の多い西部カシュガル市でも、住民と治安部隊の衝突が報じられた。中国当局は、新疆全域に3万人超の軍、武装警察を投入し、治安維持に当たらせた[9]
 
 中国当局は、2008年のチベット騒乱の際に、厳しい報道管制を敷いて国際的な非難を招いたが、今回は事件の発生時から積極的な情報開示を行うことで情報管理の主導権を握ろうとした。
 7月5日夜には早くも新華社が事件の発生を速報として配信し、翌7月6日朝には、国営テレビで「暴動」の様子が詳しく放映された。海外メディア向けに対しても、自由な取材が認められている訳ではないものの、取材活動が認められ、当局による取材ツアーやプレスセンター設置等の便宜供与も行われた。一方で中国政府は、新疆ウイグル自治区内のインターネット携帯電話国際電話の通信を遮断し、国内メディアには厳しい報道管制を維持した。
 こうした中国政府の対応を、「暴徒」の残虐性を強調し、当局の対応の正当性を印象付けるための、新しい報道統制のやり方であるとする指摘もある。

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