企業による取組
自然環境・生物多様性の保全に着目した経済団体の取組として、日本経済団体連合会では、平成4年に自然保護基金運営協議会(平成12 年に自然保護協議会に改称)を設立し、主としてアジア太平洋地域における自然保護プロジェクトの支援を行ってきました。
また、平成21 年3月には、「日本経団連生物多様性宣言」を制定し、平成15 年に制定した「日本経団連自然保護宣言」をさらに発展させ、生物多様性が将来の持続可能な社会にとって重要な基盤であることをより深く認識し、国際社会の一員として、すべての人々との間で役割と責任を分かち合い、連携・協力して生物多様性に資する行動を推進する決意を示しています。
滋賀経済同友会では、平成21 年4月、企業活動を通じた生物多様性保全のモデル構築を目指し、「最低1種類もしくは1か所の生息地の保全に責任を持ちます」などの10 項目の宣言文からなる「琵琶湖いきものイニシアティブ」を公表しました。
また、平成20 年4月に、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する学習などを目的とした日本企業による「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」が設立されるなど、さまざまな取組が始まっています。
個別企業による取組でも、481 社の環境報告書(平成17 年度版)のうち、自然環境・生物多様性保全に係る取組の記載が8割近い365 社にありました。その取組は、清掃・美化活動が突出して多くなっていますが、そのほかでは、緑化・ビオトープ、国内での里山・森林の整備及び保全・再生、環境意識の喚起、他主体の活動に寄付・協賛などに関する活動が比較的多くなっています。
平成19 年6月に改訂された環境報告ガイドライン(2007年(平成19 年)版)には、環境報告に記載すべき情報として、「生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用の状況」が追加されました。その中では、原材料調達における生態系や野生生物への主要な影響とその評価などを記載すべき情報の例として挙げ、生物多様性に影響を与える方法で生産された原料の利用など生物多様性に影響を与えている主要な原因を取り除くことについて、原材料調達から製造段階、さらには流通や販売までの一連の流れ(サプライチェーン)を含めたより広い範囲で配慮すべきことを指摘しています。
そのほかにもさまざまな情報・指標について記載することが求められており、今後こうした報告が行われる中で活動が増加していくことが期待されます。
また、広大な森林や都市部の土地などを所有している企業も少なくありません。企業活動に直接利用されてこなかった結果、生物多様性の保全上良好な状態が維持されている土地などについては、野生生物の保全活動や自然教育活動の場としての活用が考えられますし、都市部の低未利用地については地域在来の植物を用いた緑化などを進めることで都市の中の身近な生きものの生息・生育地としての活用が考えられるなど、企業の社会的貢献の一環としての取組が期待されます。
また、広大な森林や都市部の土地などを所有している企業も少なくありません。企業活動に直接利用されてこなかった結果、生物多様性の保全上良好な状態が維持されている土地などについては、野生生物の保全活動や自然教育活動の場としての活用が考えられますし、都市部の低未利用地については地域在来の植物を用いた緑化などを進めることで都市の中の身近な生きものの生息・生育地としての活用が考えられるなど、企業の社会的貢献の一環としての取組が期待されます。
生物多様性条約でも生物多様性の保全のため企業の取組が進むことが期待されており、2006 年(平成18 年)3月にブラジルのクリチバで開催されたCOP8 では、「民間部門に条約への参画を促す決議」が採択され、生物多様性の保全における企業の役割の重要性が広く示されています。その決議では、企業に求められることとして、
①企業の経営方針や企業行動を条約の3つの目標(生物多様性の保全、その持続可能な利用、遺伝資源から得られる利益の公正かつ衡平な配分)に適合させること、
②2010 年目標達成に貢献するような自主的な取組について条約の締約国会議に報告すること、
③締約国会議や科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合(SBSTTA:Subsidiary Body on Scientific, Technicaland Technological Advice)、専門家会合などへの参加を奨励しています。
2008 年(平成20 年)5月のCOP9の閣僚級会合では、ドイツ政府による「ビジネスと生物多様性イニシアティブ」の「リーダーシップ宣言」が行われました。この宣言は、経営目標に生物多様性への配慮を組み込み、企業活動に反映させるというもので、日本企業9社を含む全34 社が参加、署名しました。
平成21 年8月には、企業をはじめとする幅広い分野の事業者が生物多様性に配慮した取組を自主的に行う際の指針となる「生物多様性民間参画ガイドライン」を環境省が公表しました。このガイドラインや生物多様性基本法に基づき、安定した事業活動の継続と密接な関わりがある生物多様性の保全と持続可能な利用の確保に事業者が積極的に取り組んでいくことが期待されています。
COP10ロゴマークおよびスローガン
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(英 語)Life in harmony,into the future
(日本語)いのちの共生を、未来へ
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