不正取水、JR幹部が改めて謝罪 地元協議会で
協議会で信濃川発電所の不正取水問題について謝罪するJR東日本の林康雄常務(中央)ら(十日町市で)
JR東日本の信濃川発電所による不正取水問題で、地元自治体や関係団体による「JR東日本発電取水総合対策十日町市民協議会」(会長 関口芳史・十日町市長)の第2回会合が25日、十日町市役所で開かれ、JR東の幹部が初めて出席、改めて謝罪を行った。
同社の林康雄常務が冒頭、「皆様に大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ないことを致しました」などと、一連の不祥事に頭を下げた。 非公開で行われた会合では、水利権を取り消された同社に国土交通省北陸地方整備局が4月13日付で農業用水の取水を認め、これに伴って一部で発電が行われていることなどが議題になった。
関口市長によると、JR側は「発電で得た利益は十日町市と関係市町に返したい」などと申し出たが、具体的な内容には言及しなかった。また、JR東の清野智社長が7月中旬頃に再び同市を訪れて市民に謝罪することを伝えてきたという。
協議会後、関口市長と同社の双方が記者会見し、市長は「(不正の責任など)もう少し踏み込んだ考えを示して頂けると思っていたので、落胆した」と語った。
一方、林常務は「本社の指示はなく現場の判断だった」と、不正取水への本社の関与を否定。そのうえで、「昭和14年(1939年)の発電開始以来、発電するのが当たり前という考えがあった」などと、企業として姿勢に問題があったことを認めた。
(2009年6月26日 読売新聞)