2005年4月悲惨な事故が起こりました。100名近くの人命が奪われ、最悪の事態になってしまいました。
ISO総合研究所で2005年から続けて連載をしている、「尼崎の事故で何を学ぶか」を再度ここで、アップロードしていきたいと思います。
━━━
私の事務所の従業員の友人がその電車に乗っていたという事もあり身近すぎて怖いくらいです。
「なぜ、こんな事故が起こったのか?」
「何が悪かったのか?」
そんな報道・情報が飛び交っています。
「スピードの出しすぎ」「教育の仕方」そんな結論に収まりそうな予感です。マスコミは、早速企業を責めることでしょう。
「なぜ、そんな教育をしていたのか?」
「なぜ、そのことが問題点としてあがらなかったのか?」
「なぜ・・・なぜ・・・なぜ」
こんな風にマスコミに問われる事でしょう。
先日、お客様からこのようなお話がありました。
「内部監査が何の為にやっているのかわからない」というのです。
私は、今回の事故を見たとき、どうすればこの事故を防げたのか?という疑問に取り付かれました。そこで、ひとつ「内部監査」という視点から見るとどうなるのか?という疑問が浮かび上がりました。
ここで「もしも」のお話をします。
「もしも、企業がISO9001を取得して、効果的な運用を行っていたら・・・」という仮定で話を進め「事故は未然に防げたのか?」という疑問を問うて見たいと思います。
◇
内部監査員はチェックリストに従って、チェックを始めた。
「出発前の点呼は大きな声で行っているか?」
「はい」
「出発前の時間確認は出来ているか?」
「はい」
「定位置に止まれているか?」
「はい」
など、様々な質問を操作手順に従って、7項の確認していく。もちろん、帳票の確認をしながらだ。悪いところは何もない、むしろあくびが出るくらいだ。こんなことでが何が意味があるのか?私は少しそんな気がしていた。しかし、監査の実施記録がどうしても必要なのだ。
「不適合はゼロ。大丈夫です。お疲れ様でした。」
1週間後、電話のベルが鳴った。
福知山線、尼崎駅で脱線!?死傷者不明!?
この線でないとは言うものの、私は運転に関する業務に関して監査をしていた。チェックしたのだ。不適合はなかった!全てうまくいっていたのだ。
監査員は思った。
「何が悪かったのか・・・」
「監査では何が出来たのか・・・」
「監査では、この事故を止める事が出来なかったのだろうか?」
「監査のやり方が悪かったのか?」
「いや、監査そのものは悪くない。」
「しかし、実際にこんな事故になって、監査は悪くなかったと言い切れるだろうか?」
「待てよ・・・内部監査そのものは一体何の為にあるのだ。」
「そこが問題だ。何の為に内部監査があるかによって、悪かった悪くなかったが決まってくる。」
「内部監査は当然規格との適合性、手順との適合性だ。そして、マネジメントシステムが効果的かどうかだ。」
「規格との整合は出来ていた、手順との整合も大丈夫だった・・」
「マネジメントシステムが効果的か・・・結果的には、マネジメントシステムがありながらこの事故不適合だろうな。」
「しかし、事故が起こるまでは適合ではないのか?」
「ということは、事故が起きるまでは、不適合が無いことになる。」
「それでは、事故を待っているみたいじゃないか。事故がないと不適合がないのか?それは違うだろう。」
「どうなっているんだ。内部監査は一体なんのためにあるんだ?」
・・・続くかも
◇
「内部監査で事故は防げるのか?」
このテーマで次回も書いてみたいと思います。
(あくまで予定、反響があればがぜんやる気↑)
最後に多くの犠牲者の方のご冥福をお祈り致します。
2005年05月10日 ISO総合研究所 藤原
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私の事務所の従業員の友人がその電車に乗っていたという事もあり身近すぎて怖いくらいです。
「なぜ、こんな事故が起こったのか?」
「何が悪かったのか?」
そんな報道・情報が飛び交っています。
「スピードの出しすぎ」「教育の仕方」そんな結論に収まりそうな予感です。マスコミは、早速企業を責めることでしょう。
「なぜ、そんな教育をしていたのか?」
「なぜ、そのことが問題点としてあがらなかったのか?」
「なぜ・・・なぜ・・・なぜ」
こんな風にマスコミに問われる事でしょう。
先日、お客様からこのようなお話がありました。
「内部監査が何の為にやっているのかわからない」というのです。
私は、今回の事故を見たとき、どうすればこの事故を防げたのか?という疑問に取り付かれました。そこで、ひとつ「内部監査」という視点から見るとどうなるのか?という疑問が浮かび上がりました。
ここで「もしも」のお話をします。
「もしも、企業がISO9001を取得して、効果的な運用を行っていたら・・・」という仮定で話を進め「事故は未然に防げたのか?」という疑問を問うて見たいと思います。
◇
内部監査員はチェックリストに従って、チェックを始めた。
「出発前の点呼は大きな声で行っているか?」
「はい」
「出発前の時間確認は出来ているか?」
「はい」
「定位置に止まれているか?」
「はい」
など、様々な質問を操作手順に従って、7項の確認していく。もちろん、帳票の確認をしながらだ。悪いところは何もない、むしろあくびが出るくらいだ。こんなことでが何が意味があるのか?私は少しそんな気がしていた。しかし、監査の実施記録がどうしても必要なのだ。
「不適合はゼロ。大丈夫です。お疲れ様でした。」
1週間後、電話のベルが鳴った。
福知山線、尼崎駅で脱線!?死傷者不明!?
この線でないとは言うものの、私は運転に関する業務に関して監査をしていた。チェックしたのだ。不適合はなかった!全てうまくいっていたのだ。
監査員は思った。
「何が悪かったのか・・・」
「監査では何が出来たのか・・・」
「監査では、この事故を止める事が出来なかったのだろうか?」
「監査のやり方が悪かったのか?」
「いや、監査そのものは悪くない。」
「しかし、実際にこんな事故になって、監査は悪くなかったと言い切れるだろうか?」
「待てよ・・・内部監査そのものは一体何の為にあるのだ。」
「そこが問題だ。何の為に内部監査があるかによって、悪かった悪くなかったが決まってくる。」
「内部監査は当然規格との適合性、手順との適合性だ。そして、マネジメントシステムが効果的かどうかだ。」
「規格との整合は出来ていた、手順との整合も大丈夫だった・・」
「マネジメントシステムが効果的か・・・結果的には、マネジメントシステムがありながらこの事故不適合だろうな。」
「しかし、事故が起こるまでは適合ではないのか?」
「ということは、事故が起きるまでは、不適合が無いことになる。」
「それでは、事故を待っているみたいじゃないか。事故がないと不適合がないのか?それは違うだろう。」
「どうなっているんだ。内部監査は一体なんのためにあるんだ?」
・・・続くかも
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「内部監査で事故は防げるのか?」
このテーマで次回も書いてみたいと思います。
(あくまで予定、反響があればがぜんやる気↑)
最後に多くの犠牲者の方のご冥福をお祈り致します。
2005年05月10日 ISO総合研究所 藤原
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