2013/7/30 20:44
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神戸港での荷役作業でアスベスト（石綿）を吸い、肺がんを発症したのに労災の補償金が支払われなかったのは不当として、神戸市中央区の無職松本博さん（７９）が神戸東労働基準監督署の不支給処分取り消しを求めた訴訟で、神戸地裁の工藤涼二裁判長は３０日、松本さんの請求を認め、処分を取り消した。
判決によると、松本さんは１９５２年から約２２年間、神戸港で勤務。退職後の９７年に肺がんを発症、手術を受けた。２０１０年に労災保険法に基づく障害補償給付を請求したが、同署は病気と業務の因果関係を認めたものの、「手術から５年以上たっており、請求権は時効で消滅している」と不支給にした。
工藤裁判長は、石綿による肺がんは潜伏期間が３０～４０年と長いことなどに触れ、「時効は肺がんが業務に起因すると認識し得た時から進行する」と指摘。石綿による健康被害が広く一般に知られた０５年６月の「クボタショック」を時効の起算点と判断し、１０年の請求を認めた。
松本さんは原告代理人を通じて「時効で切られるのは納得がいかなかった。主張が認められてうれしい」とコメント。一方、兵庫労働局は「今後の対応は判決内容を検討し、関係機関と協議の上で判断したい」としている。
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