環境省は、水銀を廃棄物として保管、処分する仕組みを2015年に整える方針を決めた。廃棄物処理法施行令を改めて法的に制度化する。今年10月に制定される「水銀に関する水俣条約」では水銀の使用や輸出入が制限されるが、現状では非鉄金属の製錬などで回収された水銀の多くが輸出され、廃棄物として扱う仕組みがないためだ。
条約は国連環境計画(UNEP)が10月9~11日に熊本県水俣市と熊本市で開く外交会議で10日に採択される。世界で最も深刻な水銀被害を経験した「水俣」の名を冠した条約が、その地で誕生する。条約内容は約140カ国が参加して今年1月に開かれた会合で合意された。
採択された条約は、締結した国が50カ国に達してから90日後に発効する。UNEPは3年程度後の発効を目指している。日本は発効当初から加盟できるよう国内制度を速やかに整え、締結手続きを進める考えだ。