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総合資源エネルギー調査会 電気事業分科会 原子力部会 放射性廃棄物小委員会(平成25年度第2回 6月)‐配布資料

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総合資源エネルギー調査会 電気事業分科会 原子力部会 放射性廃棄物小委員会(平成25年度第2回)‐配布資料

委員長 増田 寛也 (株)野村総合研究所顧問/東京大学公共政策大学院客員教授
委員 新野 良子 柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会 会長
小林 傳司 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授
崎田 裕子 ジャーナリスト・環境カウンセラー/NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長
寿楽 浩太 東京電機大学未来科学部人間科学系列助教
橋 滋 一橋大学副学長・大学院法学研究科教授
辰巳 菊子 (公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問
永 朋祥 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
杤山 修 (公財)原子力安全研究協会放射線・廃棄物安全研究所所長
西川 一誠 福井県知事
伴 英幸 NPO法人原子力資料情報室共同代表
山崎 晴雄 首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授
吉田 英一 名古屋大学博物館教授(館長)
処分問題に対する現状認識
 
 我が国の処分制度(最終処分法、原子炉等規制法)は、我が国地質環境における地層処分の実現可能性について20年以上の研究開発を行い、国内外専門家のレビューも受けて、技術的に実現可能であることを確認し、制度化。

 また、高レベル放射性廃棄物の処分に向けた取組を進めている諸外国においても、現時点の最も有望な処分方法は、地層処分であるとの共通認識。

(1)以下の点については、国内において共通認識が醸成されているのではないか。
 ① 使用済燃料や高レベル放射性廃棄物は既に発生しており、その処分がいずれ必要であること
 ② 処分すべき廃棄物はできるだけ抑制されるべきであること
 ③ 廃棄物を発生させた現世代が責任ある対処を行う必要があること
 ④ 将来の柔軟性(将来世代による処分方法の再選択や技術進歩への対応を可能とすること)を確保すること (但し、どの程度の期間にわたって、どのような方法で確保するかは共通認識が得られていない)
 
(2)一方で、以下の点については、意見の相違がある。
 ① 処分に向けた取組を進めることに対する理解の前提
  「既に廃棄物が発生している現状を踏まえ、処分に向けた取組を開始すべき」
  「既に発生した廃棄物について論じる前に、原子力政策についての社会的な合意が必要
   (特に、これ以上廃棄物を発生させない(or 発生量の上限を決める)ことを合意すべき、との意見あり)」
 ② 現時点の具体的取組のあり方
  「可逆性を確保しつつ、現時点で最も有望とされる地層処分に向けた取組を進めるべき」
  「より良い処分方策を検討するため、処分方針を確定させずに、当面(数十~数百年間)保管すべき」
 
委員提出資料
  • 日本地質学会リーフレット「日本列島と地質環境の長期安定性」(吉田委員提出資料)(非公表)

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日本列島と地質環境の長期安定性

編集 一般社団法人日本地質学会 地質環境の長期安定性研究委員会 
発行 一般社団法人日本地質学会
2011年1月刊行 B2版 両面フルカラー印刷

地質環境の長期的利用の観点から、日本の地質環境を分かりやすくまとめたリーフレット。最新のデータに基づき、日本列島の断層運動、火山・マグマ活動等の特徴、そして将来予測の考え方を示しています。多くの方々に活用して頂けることを願っています。


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○原子力政策との関係の整理(論点A)について
 原子力発電から生じる課題についてはプラスマイナス両面を合わせて検討する必要がある。マイナスとして廃棄物の処分問題のみを孤立して論じるべきではない。まずは、国のエネルギー政策における原子力発電の必要性と位置付けを明確にしなければならない。そしてその対策を示して国の姿勢を明らかにしなければならない。なんとしても国の体制を強化してこの問題に対する国民の十分な理解を得ることが重要である。
 これまで40年余りの原子力による電力供給の結果、各プラントに保管されている使用済み燃料については、廃棄物の中間貯蔵の問題として、国と電力事業者を挙げて地質・地盤の調査研究や電力消費地を含めた解決の方向性を早急に示す必要がある。
 

○ 現世代としての取組みの方向性(論点B-2)について
 放射性廃棄物の処分は世界共通の課題であり、最先端の科学技術を尽くしてこの問題に立ち向かう必要がある。国際的な連携と国民理解の下で、放射性廃棄物の低減・低毒化の研究開発を積極的に進めていくことが重要である。
 
 
 

関連リンク

 

総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 放射性廃棄物ワーキンググループ(第3回)‐配布資料

(2) 我が国において、現時点で有望な最終処分方法は何か③
 
 
 
(3) 将来世代の柔軟性をいかに確保するか②
① 将来世代の柔軟性(人的管理の継続や最終処分方法の再選択の可能性)を確保することが重要である一方、当面の保管により将来世代の柔軟性を確保すれば現世代の責務を果たせるというものではなく、将来世代が最終処分を選択できるよう、その実現に向け、最大限の対策を実施することが現世代の責務ではないか。
 
 
 
② 現時点で知見の蓄積が進んでいる最終処分方法は地層処分であり、現世代が、現時点の取組として地層処分を選択することは「科学的合理性」があるのではないか。そのため、
・可逆性・回収可能性を担保し将来世代の柔軟性を確保しつつ、地層処分の実現のために不可欠な立地選
定活動等の取組を、現世代が最大限進めるべきではないか。
 

・将来世代が処分方法を再選択することが可能となるよう、代替オプションの研究開発等を実施しつつ、処分
場閉鎖の最終判断がなされるまでの間、処分方法の見直しを継続的に行っていくべきではないか。
 

③ 今後は、この新たな地層処分の定義をもって立地選定等の取組を進めつつ、将来世代が、その中で明らかになった知見を踏まえて、「社会的合理性」ある処分方法の選択を行えるよう、国民との共通理解の醸成に不断
に努めていくべきではないか。
 
 
 
 今回の説明は、プレゼンの中でも触れたが、地層処分の「正当化」のために行ったのではなく、地下環境についてどこまで何が分かり、何が課題として残っているのかについて、公開した科学的知見に基づいて紹介したものであり「判断」を述べたものではない。
 科学的知見は、あくまで判断の参考とされるものであり、研究者の役割は社会的(あるいは政治的)に活用可能な知見をできるだけ客観的に提示する(務める)ことだと考えている。
 また研究者自身、「科学的知見」と「判断」を混同したメッセージを発するべきではなく、例えば地球科学関連の複数の学会においても、「混同」されるような議論がなされないように、できるだけ関連するセッションを持ち、科学的知見に関する研究者間での意見交換を継続しているところである。とくに指摘されているように「腑に落ち」「好ましさ」と「信頼」を醸成するためにも、科学的知見の蓄積が不可欠であり、その知見を含めて、「専門的見地からみた妥当性以外のさまざまな要素についても検討」することが重要と考える。
 

 地層処分が、「社会が(現時点で)処理できない課題を多くはらんでおり、社会的議論に時間と苦労を要している」という理解に異議はない。また、「放射性廃棄物処分を科学技術に係る他の多くの問題と質的に区別する」という考え方を特に否定はしない。一方で、自然科学における地球を対象とした、例えば温暖化や自然災害(減災)などの科学技術に関わる、同様の‘地質環境の時空間的課題(問題)を取り扱う’という意味において、特段地層処分の問題だけが極端に異質であるという立場をとる必要性は感じていない。
 もし社会学的に‘科学的知見の不足’に伴う故に「異質」と感じるものがあり、それが「苦労を要している」要因となっていると考えられる部分があるのであれば、その部分こそが今後、科学的知見として蓄積(解決)されるべき内容であり、研究者自身、それらの内容を社会学者との議論の上で理解し、何が不足しているのかを理解しつつ専門分野での知見を蓄積していくことが大事ではないかと考える。

 最後に「決定的な違いは見いだされない」と、意図的に結果ありきで科学的に取り組んでいるのではなく(少なくとも自分自身の中において)、納得の行く手法であるのかどうか、それを吟味しつつ科学的知見(データ)を蓄積しているのであり、もし、地層処分が不可能と考えざるを得ない知見(データ)が得られればそれが何なのかを提示するのも研究者の役割だと考えている。
 
 
委員からの提出意見
○ 論点B:現世代としての取組はどうあるべきか(資料1)

・資料1の6ページの核種分離・変換技術に関し、現在文部科学省が策定中の「も
んじゅ」の新たな研究計画では、廃棄物の低減・低毒化を研究の大きな柱とし
て推進することとしている。
放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた議論を進める一方で放射性廃棄物につ
いて最先端の科学技術を追求することが重要であり、国際的な連携と国民理解
の下、「もんじゅ」を中核として放射性廃棄物の低減・低毒化の研究開発を積極
的に進めるべき。

・使用済み燃料をプラント内にとどめたまま最終処分の手段も明確にならない状
況で廃炉の議論を進めることはできない。立地地域にとって使用済み燃料の中
間貯蔵は最終処分地の決定に先立ち解決しなければならない切迫した課題であ
る。国は中間貯蔵や最終処分をはじめとする使用済み核燃料対策について早急
に消費地を交えた協議を行う必要がある。
 
 
 
 

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