インド洋津波9年 「アジアの防災」で連携を
22万人を超える死者・行方不明者を出したインド洋大津波から、9年が過ぎた。
インドネシアのスマトラ島沖を震源とするマグニチュード(M)9・1の巨大地震による大津波の被害は、東南アジアからアフリカ大陸東海岸にまで及んだ。
震源に近いバンダアチェで行われた今年の追悼式には東日本大震災の被災地から視察に訪れていた教職員らも出席した。
日本とインドネシアはともに地震・津波の多発国である。津波防災や被災地の復興については、両国が経験を共有し、息の長い協力関係を築いていきたい。
防災におけるアジア太平洋地域の連携では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提唱し、2006年に発足した国際協力プロジェクト「センチネル・アジア」がある。人工衛星などで得た災害情報をインターネット上で共有するシステムで、東日本大震災の被災状況分析にも利用された。
地震・津波の観測システムやインフラの耐震化など、宇宙以外の分野でも日本の技術を積極的に提供し、防災を通してアジアの連携を推進したい。