張氏一家、多数を処刑か 金第1書記指示と韓国報道
2014.1.26 16:07[北朝鮮]
聯合ニュースは26日、複数の消息筋の話として、北朝鮮で昨年12月に処刑された張成沢・前国防副委員長の家族や親戚(しんせき)の多くが、子どもも含めて処刑されたと報じた。
金正恩第1書記が指示したとしている。
張氏をめぐっては、昨年12月12日の処刑の直前に、張氏の姉、チャン・ゲスン氏やその夫でキューバ大使の全英鎮氏、張氏のおいのマレーシア大使、張勇哲氏が召還されたことを韓国政府が確認している。
消息筋の1人は、この3人はいずれも銃殺されたとし、ほかに、張勇哲氏の2人の息子や、張成沢氏の亡くなった2人の兄の子や孫など「直系の親族は全員処刑された」と述べた。
別の消息筋は、親戚の中で連行される際に抵抗した者は近所の住民の前で射殺されたと述べた。張勇哲氏の妻、パク・チュンヒ氏など張成沢氏の親族に嫁いだ女性は強制離婚させ、女性の家族と一緒に山間部に追放したという。消息筋らは張成沢氏の妻、金敬姫氏の消息には触れていない。(共同)
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2014.1.14 12:18[韓国]
14日付の韓国紙、東亜日報は、北朝鮮当局が8日、張成沢元国防副委員長の処刑を受け同氏関係者を粛清するため、北東部の経済特区、羅先に過去最大規模の約100人の調査団を派遣したと報じた。北朝鮮消息筋の話としている。
また、羅先の旅行会社「羅先国際旅行社」の女性社長が、張氏の愛人だったとして拘束されたという。
調査団は「根っこだけでなく根っこについた土までたたき出せ」と徹底的な粛清を命じる金正恩第1書記の指示を受けたという。消息筋は「100人もの調査団が派遣されたのは初めてで、都市全体が息を殺している」と話した。
貿易会社が集まる羅先は、張氏と関係のあった貿易関係者が多いとされる。北朝鮮は張氏処刑の理由の一つに「羅先で土地を海外の提携先に長期貸与する売国行為を行った」ことを挙げていた。(共同)
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2014.1.12 19:54[北朝鮮]
北朝鮮の趙永哲・食料日用工業相が解任され次官に降格されたことが、12日の朝鮮労働党機関紙、労働新聞(電子版)の記事で判明した。ラヂオプレス(RP)が伝えた。後任人事は分かっていない。
北朝鮮ではことしに入って、金属工業相と石炭工業相、採取工業相の交代が判明し、張成沢元国防副委員長の粛清と関係している可能性もあるとして注目されている。北朝鮮メディアは昨年10月まで趙氏を食料日用工業相として報じていた。(共同)
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2014.1.11 00:34[北朝鮮]
ラヂオプレス(RP)などによると、北朝鮮の採取工業相が姜民哲氏からリ・ハクチョル氏に交代したことが判明した。朝鮮中央放送(ラジオ)が10日放送したインタビューで、リ氏が採取工業相だと自己紹介した。
北朝鮮メディアは昨年3月まで、リ氏を採取工業次官の肩書で紹介していた。北朝鮮では今年に入り、金属工業相と石炭工業相の交代が相次ぎ判明。張成沢元国防副委員長の粛清との関連が指摘されている。(共同)
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2014.1.5 22:46[資源]
北朝鮮の石炭工業相が、李永用氏からムン・ミョンハク氏に交代したことが、朝鮮中央通信の報道で5日判明した。地方の炭鉱に関連した行事の記事で、出席したムン氏が石炭工業相の肩書で紹介された。
北朝鮮では2日、金属工業相の交代も判明している。一連の交代について、韓国では張成沢元国防副委員長周辺の粛清と関連しているとの見方が出ている。
朝鮮通信(東京)などによると、李氏は昨年4月、石炭工業相への就任が判明した。ムン氏の就任時期は不明。朝鮮中央通信は昨年12月、張氏の処刑を報じた際、「罪状」の一つとして、石炭をはじめとした地下資源の不適当な売却に関与したことを挙げていた。(共同)
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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権でナンバー2の権力を誇った張成沢(チャン・ソンテク)氏の失脚は何が決め手となったのか。韓国政府の分析や消息筋らへの取材から、ベールに包まれた張氏粛清の背景が見えてきた。朝鮮労働党の守旧派と朝鮮人民軍、国家安全保衛部(秘密警察)が手を結んだ瞬間、張氏の命運は決した。党・軍・秘密警察と金正恩第1書記をつなぐ人物の動向が鍵を握ったとみられる。
北朝鮮の内情に詳しい消息筋らは昨年10月下旬に起きたという“事件”に注目する。舞台は北東部の54水産事業所。11月に処刑された張氏側近の張秀吉(チャン・スギル)党行政部副部長が所管していた。
「不正に利権を独占している」との告発を受け、金第1書記の命令で乗り込んだ軍の査察部隊に対し、事業所幹部は「行政部長(張成沢氏)の許可なく、立ち入らせない」と激しく抵抗。銃撃戦になり、死者が出たともいわれている。
「金正恩最高司令官の命令に公然と背いた」との報告を聞いた金第1書記が激怒し、最終的に張派排除を決断したという。