「お金がない」大阪・東淀川の餓死女性は親族に打ち明けていた 生活保護相談も…悲劇は防げなかったのか
同署は「母親は以前は家族と暮らしていた」との情報を得ていたが、室内の状況や近所の聞き込みから母親の一人暮らしと判断。遺体が見つかった部屋の確認はしなかった。
また区役所は、直後に書類上は二人暮らしだと確認したが、母親の入院先の病院から「古川さんに連絡がつかない」と連絡を受けた翌日の23日に初めて女性宅を訪れた。ただ、電気が止まっていたので同居していないと判断していた。
こうした安否確認の際に古川さんがもし生存していれば、餓死を防げていたかもしれない。貧困問題に詳しい多田元(はじめ)弁護士(愛知県弁護士会)は「区役所が自宅を訪れるまで時間がかかりすぎている上に、数少ない手がかりで調査を打ち切ったのは問題。もっと真剣に女性の所在を把握しようとしていれば、1カ月早く発見できただろう」と話している。
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31歳女性 餓死か?大阪の団地で変死体 電気、ガス止められ 所持金底つく
2013.11.18 21:01[westナビ]
18日午前11時40分ごろ、大阪市東淀川区豊里のUR都市機構新豊里団地の4階の一室で「妹が死んでいる」と男性から110番があった。駆けつけた大阪府警東淀川署員が室内から女性の遺体を発見した。同署はこの部屋に住む職業不詳の女性(31)とみて遺体の身元確認を急ぐとともに、冷蔵庫に食べ物がほとんどなかったことから女性が餓死した可能性があるとみて、遺体を司法解剖して詳しい死因を調べる。
なぜ…普段から押し入れで寝起?
同署によると、女性の遺体は腐敗が進んでおり、死後少なくとも1カ月が経過しているとみられる。和室の押し入れの中に敷かれた布団の上であおむけに倒れた状態で見つかった。目立った外傷はなく、室内が荒らされた形跡もなかった。住人の女性は普段から押し入れで寝起きしていたという。
部屋の電気やガス、水道は止められ、家賃も滞納していた。所持金も少なく、冷蔵庫に食料がほとんどなかった。同署は女性が経済的に困窮していた可能性もあるとみて詳しい状況を調べている。
女性は60代の母親と同居していたが、母親は10月中旬に体調を崩し、大阪市内の病院に入院していた。女性と最近連絡が取れないことを心配した義兄がこの日、合鍵を使って室内を確認したところ、遺体を見つけたという。