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貿易赤字過去最大 国内メーカー進む地盤低下 

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貿易赤字過去最大 国内メーカー進む地盤低下 

2014.1.27 21:36通商・貿易
過去10年の貿易収支
過去10年の貿易収支
 平成25年の貿易収支は過去最大となる11兆4745億円の赤字となった。液化天然ガス(LNG)などエネルギー関連の輸入が膨らんだことに加え、円安の追い風の下でも輸出が伸びていないことが大きな要因だ。自動車や電機など主要製造業で海外への生産移転が進んだほか、国内メーカーの国際競争力が低下したことで貿易立国の基盤が揺らいでいる。
 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「主要国の輸出が20年のリーマン・ショック以前の水準を超えて拡大しているなか、日本はその水準に至っていない」と指摘する。
 貿易統計をみると、自動車の輸出は、リーマン・ショック前の19年の約814万台に対し、25年は約581万台に減少している。国内自動車大手ではマツダが今月、メキシコ新工場を稼働。ホンダも近くメキシコに新工場を開設するほか、販売好調な米国での工場の能力増強計画がめじろ押しだ。海外で新車需要が拡大しても国内の輸出能力の増強は限定的で、需要地での現地生産が定着している。
 電機産業の市場構造も劇的に変化している。ハイテク分野の代表でもある携帯電話など通信機の輸出額は19年の約1兆円に対し、25年は約5300億円とほぼ半減。一方で25年の輸入額は約2兆7千億円と、21年実績の2・7倍にも膨らんでいる。
 背景にあるのは世界市場での国内電機メーカーの地盤沈下だ。米アップルや韓国のサムスン電子から輸入したスマートフォン(高機能携帯電話)が日本で売れる一方、NECやパナソニックなど国内勢がスマホ事業の撤退や縮小に追い込まれたのはその象徴だ。(黄金崎元)

横浜港のふ頭に積み置かれているコンテナ。2013年の貿易赤字は過去最大を更新した=27日午後、横浜市中区で    横浜港のふ頭で貨物船に積み込まれるコンテナ。2013年の貿易赤字は過去最大を更新した=27日午後、横浜市中区
2014.1.27 12:42通商・貿易
横浜港のふ頭に積み置かれているコンテナ。2013年の貿易赤字は過去最大を更新した=27日午後、横浜市中区で
横浜港のふ頭に積み置かれているコンテナ。2013年の貿易赤字は過去最大を更新した=27日午後、横浜市中区で
 27日発表された平成25年の貿易統計で、貿易収支が11兆4745億円の赤字と、過去最大を更新した。原発の停止や円安に伴い、火力発電で使用する液化天然ガス(LNG)や原油の輸入額が増えているためだ。さらに円安でも輸出が伸び悩んでいることも背景にある。
 原発が稼働していた22年は輸入額が抑えられ、貿易収支は6兆6346億円の黒字だった。ところが原発が停止して以降は、LNGや原油の輸入が増え、貿易赤字が拡大している構造だ。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「全原発停止で、燃料輸入が年4兆円程度増えている」と指摘する。
 さらに追い打ちをかけるのが輸出の低迷だ。円安は海外市場での価格競争力の向上につながり、金額ベースだけでなく数量でも輸出は徐々に増えるとみられていた。
 だが、金額ベースでは24年比で12・9%増えた自動車の輸出が数量では0・4%減となるなど、全体の数量は1・5%減った。長期間続いた円高のリスクを回避するため、自動車や電機などの企業が生産拠点を次々と海外に移転したためだ。
 こうした海外工場製品の“逆輸入”が増えれば、円安効果がさらに限定的となる可能性がある。原発の再稼働が見通せないなか、26年以降も輸入額が輸出額を上回る基調は大きく変わらないとみられ、貿易収支の赤字が長期化する懸念もある。
横浜港のふ頭で貨物船に積み込まれるコンテナ。2013年の貿易赤字は過去最大を更新した=27日午後、横浜市中区
 
2014.1.27 09:02通商・貿易
 財務省が27日発表した平成25年(1~12月)の貿易統計(速報、通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が11兆4745億円の赤字となった。3年連続の赤字で、赤字額は比較可能な昭和54年以降、過去最大。初めて10兆円を超えた。
 輸出は前年比9.5%増の69兆7877億円で、3年ぶりに増加した。自動車や化学製品などが好調だった。
 しかし、輸入が15.0%増の81兆2622億円と過去最大に膨らみ、輸出の伸びが追いつかなかった。原発稼働停止による電力不足をまかなうための、火力発電用燃料である液化天然ガス(LNG)や原油などのエネルギー関連輸入額が一段と増えており、赤字が拡大した。このほか半導体などの電子部品も輸入が増えている。
 為替レートが24年の1ドル=79円55銭から96円91銭へと21.8%も円安ドル高になったことも、貿易赤字拡大に拍車をかけた。
 同時に発表された12月単月の貿易収支は1兆3021億円の赤字。これで貿易赤字は24年7月から18カ月連続となり、これまでの最長を更新した。月間の赤字額1兆円超えも3カ月連続となった。

関連ニュース

2014.1.2 15:54通商・貿易
 韓国産業通商資源省は1日、2013年の同国の輸出額(暫定値)が前年比2.2%増の5597億2千万ドル、輸入額が0.8%減の5155億3千万ドルになったと明らかにした。輸出から輸入を差し引いた貿易収支の黒字額は441億9千万ドル。輸出額と貿易黒字額は過去最大規模となった。
 国別では12月20日までの実績で、対日輸出が338億8600万ドル、対日輸入は584億7500万ドル。この結果、対日貿易赤字額は245億8900万ドルと、前年より9億7800万ドル減った。一方、中国向けの輸出は伸び、輸出全体に占める割合が26.1%に達した。
 品目別では、サムスン電子とLG電子のスマートフォンを中心に無線通信機器が年間で前年比21.2%増と大きく伸び、輸出をリードした。(共同)

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