新味を出した本府九年度予算
新興朝鮮の活溌な動きを見す
新聞記事文庫財政(28-083)
京城日報 1934.1.24(昭和9年)
京城日報 1934.1.24(昭和9年)
夕刊既報のように、朝鮮総督府の昭和9年度予算総額は2億5,010万7,331円に達し、8年度に比べて1,816万8,947円の増額を見ている。歳入では、既報のとおり第三種所得税(244万3千円余)、相続税(12万2千円余)、清凉飲料税(11万6千円余)などの新税が見込まれ、満鉄に移管した北鮮鉄道の納付金(129万9千円余)も新役割を演じて、経常の部は2億604万5,080円にのぼり、臨時の部の4,406万1,751円を加えて前記総額の陣立てが整っていて、編成に画期的な新味を見せ、歳出では、経常部で種羊場、種馬牧場(11万1千円余)、ライ療養所(3万1千円余)などは額は少くても光っており、臨時部では、昭和10年の国勢調査の準備、朝鮮神宮奉讚会への補助が新費目であるが、大物の土木では、災害復旧(107万7千円余)があるほか、大いに拡充して土木費としては945万2,439円を計上している。細目を示せば左のとおり。
(以下、表は省略)データ作成:2008.6 神戸大学附属図書館
(ただし、引用者が一部を読みやすく書き換え)
<コメント>
上の記事本文ではふれられていないのですが、朝鮮における収入だけでは足りないので、日本本土会計からの補充金がこの年度も計上されています。歳入総額2億5,010万円のうち補充金1,282万円で、割合は5.1%ですね。