中国:湖南省にカドミウム汚染米、環境NGOグリーンピースが警告
2014年4月26日
【中国】湖南省中南部の衡陽市で農作物、土壌の重金属汚染が深刻化している実態が報告された。
衡陽市衡東工業園の周辺農村で2013年7~9月にかけて調査。検出されたカドミウム、鉛の含有量が国の定めた安全基準を超えていたことが判明した。最大で基準値の21倍に達していたという。国際環境NGOグリーンピースがこのほど警告した。
同工業園の半径2.5キロ以内で米、土壌のサンプルを収集。第三者機関に成分解析を依頼した。米に関しては、サンプル13件のうち、12件がカドミウム過多と分析された。鉛の濃度も比較的に高い。なかでも炉舗村で生産されたサンプル3件については、国が定めた安全基準を13~21倍上回る汚染濃度だった。炉舗村は同工業園の風下500メートル以内に位置する。工場が発する煤煙が降下し、農地の土壌を汚染した可能性が高いと指摘した。
中国政府の規定するカドミウムの安全基準上限は、米1キログラム当たりで0.2ミリグラム。土壌サンプル32件からも、そろって基準値を超えるカドミウムが検出された。サンプルの過半が安全基準を3倍以上超えていたという。
湖南省でカドミウム汚染米の存在が報告されるのは初めてではない。13年には、衡東工業園の付近で収穫された米が重金属に汚染されているとメディアによって報じられた。
汚染は全国的な広がりをみせている。環境保護部と国土資源部は今月17日、全国の土壌に含まれる有害物質の環境基準超過率について、全国平均で16.1%に達しているとの現状を公表。中国北部に比べて南部の土壌汚染が深刻な状態にあると指摘した。西南・中南地域でカドミウム、水銀、ヒ素、銅などの重金属濃度の高いエリアが広範に及んでいる。長江デルタ、珠江デルタ、東北旧工業地帯などでも土壌汚染が目立つと報告した。
衡陽市衡東工業園の周辺農村で2013年7~9月にかけて調査。検出されたカドミウム、鉛の含有量が国の定めた安全基準を超えていたことが判明した。最大で基準値の21倍に達していたという。国際環境NGOグリーンピースがこのほど警告した。
同工業園の半径2.5キロ以内で米、土壌のサンプルを収集。第三者機関に成分解析を依頼した。米に関しては、サンプル13件のうち、12件がカドミウム過多と分析された。鉛の濃度も比較的に高い。なかでも炉舗村で生産されたサンプル3件については、国が定めた安全基準を13~21倍上回る汚染濃度だった。炉舗村は同工業園の風下500メートル以内に位置する。工場が発する煤煙が降下し、農地の土壌を汚染した可能性が高いと指摘した。
中国政府の規定するカドミウムの安全基準上限は、米1キログラム当たりで0.2ミリグラム。土壌サンプル32件からも、そろって基準値を超えるカドミウムが検出された。サンプルの過半が安全基準を3倍以上超えていたという。
湖南省でカドミウム汚染米の存在が報告されるのは初めてではない。13年には、衡東工業園の付近で収穫された米が重金属に汚染されているとメディアによって報じられた。
汚染は全国的な広がりをみせている。環境保護部と国土資源部は今月17日、全国の土壌に含まれる有害物質の環境基準超過率について、全国平均で16.1%に達しているとの現状を公表。中国北部に比べて南部の土壌汚染が深刻な状態にあると指摘した。西南・中南地域でカドミウム、水銀、ヒ素、銅などの重金属濃度の高いエリアが広範に及んでいる。長江デルタ、珠江デルタ、東北旧工業地帯などでも土壌汚染が目立つと報告した。
中国の土地16%で基準上回る土壌汚染、初の全国的調査
[北京 2014年4月17日 ロイター] -中国の環境保護省は17日、初の全国的な土壌検査の結果を発表し、国土の3分の2に当たる約630万平方キロメートルのうち、約16%の土地で基準値を上回る汚染が確認されたことを明らかにした。
検査結果について同省は「楽観できない」とし、「いくつかの地域では比較的深刻な汚染が確認された。耕地の質も懸念すべきレベルにあり、産業や鉱業から出る廃棄物も際立っている」としている。
同省によると、汚染されたサンプルの82.8%で、カドミウム、水銀、ヒ素、クロム、鉛といった有毒な無機汚染物質が検出された。
中国は現在、土壌汚染対策に取り組んでおり、関連法案の草案作りを急いでいる。
2014年04月19日19時41分
中国をむしばむ土壌汚染、耕地の2割で基準値超え=カドミウム汚染が急拡大―中国紙
18日、中国では耕地の2割弱が汚染されており、カドミウム濃度の増加率は最大で50%超に上る。写真は安徽省の農村を流れる川。鉱山が近く、河水は醤油色に染まっている。 2014年4月18日、新京報によると、中国では耕地の2割弱が汚染されており、カドミウム濃度の増加率は最大で50%超に上る。
【その他の写真】
中国環境保護部、中国国土資源部は17日、「全国土壌全体調査」の結果を発表した。同調査は2005年4月から2013年12月まで8年間をかけて、中国本土の全耕地及び一部の森林、草地、未利用地、建設用地を調査したもの。調査面積は630万平方キロメートルに達する。
調査結果によると、汚染が確認された土地は調査対象の16.1%に達した。「きわめて軽度」が11.2%、「軽度」が2.3%、「中度」が1.5%、「重度」が1.1%という内訳になる。耕地の汚染は19.4%。
地域別に見ると、北方よりも南方の汚染が深刻だと明らかになった。長江デルタ、珠江デルタ、東北部工業地帯などで深刻な汚染が確認された。汚染物質としては重金属を中心とした無機物が目立つ。特にカドミウム汚染が深刻で、西南地域や沿海地域でのカドミウム汚染面積は従来調査より50%以上の増加となった。(翻訳・編集/KT)
【その他の写真】
中国環境保護部、中国国土資源部は17日、「全国土壌全体調査」の結果を発表した。同調査は2005年4月から2013年12月まで8年間をかけて、中国本土の全耕地及び一部の森林、草地、未利用地、建設用地を調査したもの。調査面積は630万平方キロメートルに達する。
調査結果によると、汚染が確認された土地は調査対象の16.1%に達した。「きわめて軽度」が11.2%、「軽度」が2.3%、「中度」が1.5%、「重度」が1.1%という内訳になる。耕地の汚染は19.4%。
地域別に見ると、北方よりも南方の汚染が深刻だと明らかになった。長江デルタ、珠江デルタ、東北部工業地帯などで深刻な汚染が確認された。汚染物質としては重金属を中心とした無機物が目立つ。特にカドミウム汚染が深刻で、西南地域や沿海地域でのカドミウム汚染面積は従来調査より50%以上の増加となった。(翻訳・編集/KT)
333万ヘクタールの農地が深刻な汚染、発がん性物質含んだコメも市場に出回る―中国高官
配信日時:2014年1月2日
2013年12月30日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語版によると、ある中国の高官が、中国の333万ヘクタールの農地が土壌汚染により作物の生育に適さない状態になっていると明かした。
中国国土資源部の王世元(ワン・シーユエン)部長は30日の記者会見で、中国政府が毎年数十億ドルの巨費を投じて農地の汚染を取り除く長期プロジェクトを計画していると述べた。
中国の工業発展と過度な農業化学物質の使用により、農地は甚大な被害を受けている。今年、広州で販売されていたコメの中からは発がん性物質のカドミウムが検出されている。これらのコメの産地は河南省だが、河南省は重金属の主要な生産地である。
中国国土資源部の王世元(ワン・シーユエン)部長は30日の記者会見で、中国政府が毎年数十億ドルの巨費を投じて農地の汚染を取り除く長期プロジェクトを計画していると述べた。
中国の工業発展と過度な農業化学物質の使用により、農地は甚大な被害を受けている。今年、広州で販売されていたコメの中からは発がん性物質のカドミウムが検出されている。これらのコメの産地は河南省だが、河南省は重金属の主要な生産地である。
重金属で汚染された米、化学肥料の大量使用……危機に直面した中国の食糧自給―中国
2013年5月24日、参考消息(電子版)は記事「海外メディア:耕地汚染の脅威が中国の食料自給を脅かす」を掲載した。
先日、広州で米のカドミウム汚染が発見された。数ある中国の食品安全問題における最新のスキャンダルとなった。23日付ロイターがこの問題を取り上げた。中国では現在、史上最速最大規模の都市化が進められており、毎年大量の耕地が失われている。
それでも中国共産党は食糧自給率を維持する方針を固めており、穀物の95%は自給すると公約している。もっとも現実には海外、とりわけ米国からの輸入が急増しているのが実情だ。2013年には米、たまねぎの輸入量が過去最大を記録する見通し。小麦の輸入量も過去最大級となる見通しだ。
しかも食糧自給率維持の公約は量に関するものであって質に関するものではない。工業廃水に汚染され、飲用水にはできない汚れた水で農作物は育てられている。その結果がカドミウム汚染米だ。広州で発見された汚染米の発生源は湖南省。中国最大の米産地にして、鉱物資源開発も盛んな地域である。
広東省生態環境・土壌研究所の陳能場(チェン・ナンチャン)研究員は湖南省を「穀物・鉱物複合生産地」と呼んでいる。本来ならば避けるべき事態だが、人口1人当たりの土地と資源が少ない中国では避けられない問題だとして、その場合でも可能な安全確保の手段を模索しなければならないと話した。
問題は重金属汚染だけではない。農村の60%で不適切な化学肥料の使用が行われていると専門家は見ている。過剰な化学肥料の使用による耕地と食物の汚染も深刻だ。
先日、広州で米のカドミウム汚染が発見された。数ある中国の食品安全問題における最新のスキャンダルとなった。23日付ロイターがこの問題を取り上げた。中国では現在、史上最速最大規模の都市化が進められており、毎年大量の耕地が失われている。
それでも中国共産党は食糧自給率を維持する方針を固めており、穀物の95%は自給すると公約している。もっとも現実には海外、とりわけ米国からの輸入が急増しているのが実情だ。2013年には米、たまねぎの輸入量が過去最大を記録する見通し。小麦の輸入量も過去最大級となる見通しだ。
しかも食糧自給率維持の公約は量に関するものであって質に関するものではない。工業廃水に汚染され、飲用水にはできない汚れた水で農作物は育てられている。その結果がカドミウム汚染米だ。広州で発見された汚染米の発生源は湖南省。中国最大の米産地にして、鉱物資源開発も盛んな地域である。
広東省生態環境・土壌研究所の陳能場(チェン・ナンチャン)研究員は湖南省を「穀物・鉱物複合生産地」と呼んでいる。本来ならば避けるべき事態だが、人口1人当たりの土地と資源が少ない中国では避けられない問題だとして、その場合でも可能な安全確保の手段を模索しなければならないと話した。
問題は重金属汚染だけではない。農村の60%で不適切な化学肥料の使用が行われていると専門家は見ている。過剰な化学肥料の使用による耕地と食物の汚染も深刻だ。
中国の土壌、40~70%が重金属と化学肥料に汚染されている―米誌
2013年5月24日、米月刊誌・アトランティックは、中国の土壌の40~70%が重金属と化学肥料に汚染されていると指摘した。南方都市報が伝えた。
同誌によると、中国で生産される米の1割が基準値を超えるカドミウムで汚染されている。しかし、いずれの監督部門もその責任を負おうとしない。中国国務院は今年の早い時点で土壌汚染防止監督管理システムの設立を2015年から2020年に先延ばしした。
湖南省地質研究所の童潜明(トン・チエンミン)教授は、カドミウムの基準値超えの最大原因について、大量のリン酸肥料の使用を挙げている。さらに、中国のリン酸肥料には平均で15.3mg/kgのカドミウムが含まれていると指摘した。また、中国では米のカドミウム含有量が極めて高く、国家基準の0.2mg/kgを大きく上回る1kgあたり1.13mgのカドミウムが含まれているが、長期にわたって摂取しない限り、人体への影響は少ないと説明した。
童教授が洞庭湖周辺で行った調査によると、収穫された米の41.67%から国家基準を上回るカドミウムが検出された。
同誌によると、中国で生産される米の1割が基準値を超えるカドミウムで汚染されている。しかし、いずれの監督部門もその責任を負おうとしない。中国国務院は今年の早い時点で土壌汚染防止監督管理システムの設立を2015年から2020年に先延ばしした。
湖南省地質研究所の童潜明(トン・チエンミン)教授は、カドミウムの基準値超えの最大原因について、大量のリン酸肥料の使用を挙げている。さらに、中国のリン酸肥料には平均で15.3mg/kgのカドミウムが含まれていると指摘した。また、中国では米のカドミウム含有量が極めて高く、国家基準の0.2mg/kgを大きく上回る1kgあたり1.13mgのカドミウムが含まれているが、長期にわたって摂取しない限り、人体への影響は少ないと説明した。
童教授が洞庭湖周辺で行った調査によると、収穫された米の41.67%から国家基準を上回るカドミウムが検出された。