シニア婚活 形にとらわれず「事実婚」「通い婚」も
読売新聞(ヨミドクター) 10月13日
中高年層が新たな伴侶を求める「シニア婚活」が盛んになっている。中高年を対象にした結婚情報サービスも目立つ。法律上の婚姻や同居を必ずしも相手に求めないといった、中高年ならではの特徴もあるようだ。
埼玉県の会社員男性(61)は9月、東京都の会社員女性(63)に婚約指輪を贈った。年内に自分の子どもに結婚を知らせ、来年には婚姻届を提出したいという。
男性は2012年に妻に先立たれた。寂しさを紛らわそうと一人旅に出るなどしたが、「心の穴が塞がらない」。妻の三回忌を機に、結婚情報サービス「オーネット」(東京)のシニア向けコース「スーペリア」に入会した。
今年4月、会員が参加するイベントで女性と顔を合わせた。女性は20年前に離婚し、娘2人を育ててきた。「新しいパートナーを見つけたら」と娘に勧められて入会した。
互いに好印象だったため、同社が仲介して2人で会うことに。「おしとやか」「気さくで話しやすい」と感じて、デートを重ねるようになった。今は朝晩、電話などでやりとりを欠かさない。「一緒にいると心が弾む」と口をそろえる。
同コースは昨年、男性50歳以上、女性45歳以上を対象に首都圏で開設。入会金3万円、月会費1万円。ほかにイベントの参加費などがかかる。成婚した際の追加費用は不要だ。
会員は男女ほぼ半々で、7割以上に結婚歴がある。年齢層では、60歳以上の男性が64%、55歳以上の女性が56%をそれぞれ占める。同社シニア専任アドバイザーの中野淳史さんは「こちらが紹介した会員同士がカップルになるのに加え、会員向けのイベントやパーティーをきっかけに交際を始めることも多い」と話す。
埼玉県の会社員男性(61)は9月、東京都の会社員女性(63)に婚約指輪を贈った。年内に自分の子どもに結婚を知らせ、来年には婚姻届を提出したいという。
男性は2012年に妻に先立たれた。寂しさを紛らわそうと一人旅に出るなどしたが、「心の穴が塞がらない」。妻の三回忌を機に、結婚情報サービス「オーネット」(東京)のシニア向けコース「スーペリア」に入会した。
今年4月、会員が参加するイベントで女性と顔を合わせた。女性は20年前に離婚し、娘2人を育ててきた。「新しいパートナーを見つけたら」と娘に勧められて入会した。
互いに好印象だったため、同社が仲介して2人で会うことに。「おしとやか」「気さくで話しやすい」と感じて、デートを重ねるようになった。今は朝晩、電話などでやりとりを欠かさない。「一緒にいると心が弾む」と口をそろえる。
同コースは昨年、男性50歳以上、女性45歳以上を対象に首都圏で開設。入会金3万円、月会費1万円。ほかにイベントの参加費などがかかる。成婚した際の追加費用は不要だ。
会員は男女ほぼ半々で、7割以上に結婚歴がある。年齢層では、60歳以上の男性が64%、55歳以上の女性が56%をそれぞれ占める。同社シニア専任アドバイザーの中野淳史さんは「こちらが紹介した会員同士がカップルになるのに加え、会員向けのイベントやパーティーをきっかけに交際を始めることも多い」と話す。
介護など話し合う
結婚情報サービス「茜あかね会」(東京)は、60歳以上の会員が近年徐々に増え、現在は51%を占めるようになった。
「形にとらわれないパートナー探しが、中高年世代の特徴です」と、同会チーフカウンセラーの立松清江さんは話す。時間をかけて家族の理解を得るため、まず婚姻届を出さない「事実婚」から始めるケースや、住環境を変えないよう、互いの家を行き来する「通い婚」を選ぶケースも珍しくないという。
「中高年はライフスタイルが確立し、行動様式をすべて合わせるのは難しい。じっくり時間をかけ、互いの考え方や価値観を見つめ合うことが大切です」と立松さん。相続をどうするか、どの墓に入るか、要介護状態になった時は誰が世話をするのかといった点も、「家族も交え、話し合っておきましょう」。
「形にとらわれないパートナー探しが、中高年世代の特徴です」と、同会チーフカウンセラーの立松清江さんは話す。時間をかけて家族の理解を得るため、まず婚姻届を出さない「事実婚」から始めるケースや、住環境を変えないよう、互いの家を行き来する「通い婚」を選ぶケースも珍しくないという。
「中高年はライフスタイルが確立し、行動様式をすべて合わせるのは難しい。じっくり時間をかけ、互いの考え方や価値観を見つめ合うことが大切です」と立松さん。相続をどうするか、どの墓に入るか、要介護状態になった時は誰が世話をするのかといった点も、「家族も交え、話し合っておきましょう」。
業者選び慎重に
結婚情報サービスを利用する際には、業者選びに気をつけたい。国民生活センターによると、「結婚相手紹介サービス」をめぐる相談で、60歳以上の割合が昨年度は17%と、4年前より3ポイント高まっている。「解約時の返金額に納得がいかない」「相手を紹介してくれなくなった」といった苦情が中心。紹介された外国人と結婚しようとしたら、何百万円もの仲介料を求められたケースもあったという。
同センターは「サービス内容や料金、解約時の条件などを十分に確認しましょう。トラブルになったら、早く消費生活センターに相談をしてください」と呼びかけている。
同センターは「サービス内容や料金、解約時の条件などを十分に確認しましょう。トラブルになったら、早く消費生活センターに相談をしてください」と呼びかけている。
シニア婚活を成功させる秘訣
- シニアの婚活、余裕を持って楽しんで読売新聞(4月1日)
気になる結婚相談所ってどんなところ? どうしたら結婚できるの? 結婚相手紹介サービスのツヴァイで長年にわたり会員のサポートをしてきた 幸多 こうだ マリッジコンサルタント(MC)が、見事しあわせな結婚をつかんだカップルのケースから、婚活を成功させる 秘訣 ひけつ を探ります。
今回の成婚カップルの軌跡
大橋博隆さん(67歳)・佐知代さん(62歳)ご夫妻 (仮名)
◆STEP1:パートナーと死別後、一人の生活が むな しくなりツヴァイで婚活をはじめる
◆STEP2:入会後は送られてくるPI(紹介書)を楽しみに数年かけてお相手探し
◆STEP3:二人をよく知るMCによる引き合わせで最初からフィーリングが合う
◆STEP4:ランチの後、博隆さんが佐知代さんの自宅まで車で送ったところ、互いの家がとても近いことがわかる
◆STEP5:日々の食事を心配した佐知代さんが食事を届けるなどして交際に発展。ゆっくり愛を育む
◆STEP6:博隆さんからプロポーズ、佐知代さんも快諾
◆STEP7:しばらくは通い婚スタイルを続けていたが、出会いから約2年後、入籍。同居をはじめる
◆STEP1:パートナーと死別後、一人の生活が むな しくなりツヴァイで婚活をはじめる
◆STEP2:入会後は送られてくるPI(紹介書)を楽しみに数年かけてお相手探し
◆STEP3:二人をよく知るMCによる引き合わせで最初からフィーリングが合う
◆STEP4:ランチの後、博隆さんが佐知代さんの自宅まで車で送ったところ、互いの家がとても近いことがわかる
◆STEP5:日々の食事を心配した佐知代さんが食事を届けるなどして交際に発展。ゆっくり愛を育む
◆STEP6:博隆さんからプロポーズ、佐知代さんも快諾
◆STEP7:しばらくは通い婚スタイルを続けていたが、出会いから約2年後、入籍。同居をはじめる
一人で晩酌の空しさ
今回登場するのは、ともに過去に長い幸せな結婚生活を経験し、お相手と死別されたシニアのカップルです。妻の佐知代さんは未亡人となって10年。子供もいなかったことから一人の生活が淋しくなり、ふたたび自分に合うパートナーを求めてツヴァイに入会しました。夫の博隆さんは3年前に伴侶を亡くし、お子様も成人してそれぞれ家庭を持っているため、一人で晩酌する毎日。その空しさに再婚を考えるようになったそうです。
このように一度パートナーとの結婚生活を経験している熟年のお二人が、新しい伴侶を求めて始めた婚活。佐知代さんは「残りの人生をご一緒できる気の合う方がもしいればという思いで、じっくりのんびり探しているうちに4年も経ってしまいましたよ」と笑います。婚活では焦りや不安を感じる人も多いと思いますが、さすがベテランだけあって余裕がありますね。
また、佐知代さんも博隆さんも毎月届くPI(紹介書)を心待ちにしていて、婚活そのものを楽しんでいたご様子。お相手探しを始めたことでそれまでの淋しい生活に急に張り合いが出てきたそうです。婚活が人を美しくすることはよくあります。ツヴァイに入会を決めた途端、姿勢やしゃべり方まで変わる場合もよくあるのですよ。
博隆さんと佐知代さんはすぐに出会えたわけではありませんが、それぞれに婚活という刺激を楽しみながらじっくり自分のペースで活動を続け、ついにベストパートナーと出会えたのです。
一緒に食事や旅行する相手がいることの幸せ
マリッジコンサルタントのセッティングではじめて出会ったお二人は、初対面からお互いによい印象を持ち合い、すぐに打ち解け合えたそうです。たまたま自宅が同じ方面だったため、博隆さんが車で送って行ったところ、思いのほか家が近いことが判明。そんな偶然もお二人を近づける要素となりました。
お料理が得意な佐知代さんが、博隆さんの食事を心配し、手づくりの総菜を届けに行くうちに、どんどん二人の距離は縮まり、互いの家を行き来するようになるまで時間がかかりませんでした。特に博隆さんにとっては、一人淋しくスーパーの出来合いの総菜で晩酌していた毎日が一変、食事やお酒を一緒に味わう相手ができた喜びは格別でした。食べることは生活の基本であり、人生の喜びのひとつ。食事という大切な時間を共有し、美味しい手づくりの料理を味わううちに、お二人が抱えていた淋しさは次第に癒えていったことでしょう。
その後、博隆さんからのプロポーズを迷うことなく受け入れた佐知代さん。当初はそれぞれの持ち家があったため、入籍はせずに行き来する通い婚スタイルを続けていましたが、今後の生活を考え同居を決意し、同時に入籍することとなりました。
一人の時には行けなかった旅行も、今では月に2度ほど温泉旅行を楽しんでいるというお二人。
「残りの人生を静かに寄り添いながら、日々のささやかな喜びを大切にしたいですね。不思議と、また一人になってもいいじゃないかというゆったりした気持ちもあるのです。今を楽しめればそれでいいじゃないかと」
と語る佐知代さんはとても幸せそう。一方、ご主人の博隆さんも
「一歩踏み出して本当によかった。二人の生活を少しでも長く楽しみたいので、これからは健康に今まで以上に気をつけようとウオーキングを始めたのですよ」
と穏やかに語ってくれました。
自分らしく、じっくり育むシニアの再婚。セカンドライフの理想形の一つがここにあるような気がします。どうぞ末永くお幸せに!
幸多のアドバイス
●一人の時間を淋しく感じたら、勇気を出して婚活をはじめてみましょう。生活が一変しますよ●セカンドパートナー探しは、急がず無理せずマイペースが吉。
2014年04月01日
- シニア婚をはばむ周囲の否定的な声を乗り越えるには?All About(8月24日)
最近では市民権を得てきているシニア婚。実際に成功させている人もいますが、一方で難しい問題も浮き彫りになってきまいした。一番の問題は周囲の声です。
いい歳をして恥ずかしい!
「60代なのに、70代なのに相手が欲しいなんて気持ち悪い」
そう思っている息子や娘はたくさんいます。自分の親が恋愛をすることに抵抗があるわけですね。自分の親が男性的な面、あるいは女性的な面を見せたとき、子どもは嫌悪する傾向にあります。そのため、ある程度年をとっても恋愛や再婚を考えていることが嫌なのです。さらに、父親か母親のどちらかを亡くしてしまっている場合には、相手のことを忘れてしまったのかと考えてしまって、余計に腹立たしくなってくるわけです。
そう思っている息子や娘はたくさんいます。自分の親が恋愛をすることに抵抗があるわけですね。自分の親が男性的な面、あるいは女性的な面を見せたとき、子どもは嫌悪する傾向にあります。そのため、ある程度年をとっても恋愛や再婚を考えていることが嫌なのです。さらに、父親か母親のどちらかを亡くしてしまっている場合には、相手のことを忘れてしまったのかと考えてしまって、余計に腹立たしくなってくるわけです。
自分がいるから寂しくない!
75歳の男性が結婚相談所に訪れてきて、50代の女性と知り合いました。2人は恋をして再婚の話が出てきたのですが、男性の娘さんが猛反対。結婚相談所に怒鳴り込んでくる事態になったことがあります。
「お父さんは寂しいのですよ!だから結婚相談所にお入りになったのです。幸い、とても素敵な方に出会われて、結婚を考えていらっしゃいます。理解して頂けませんでしょうか?」
と話をしてみたのですが、娘さんの言い分はこうです。
「父は寂しくなんかありません。私は、父とマンションの上下に住み毎日会っています。家族もよく顔を出しています!」
ここで重要なのは、娘に会うことと、恋愛感情を持った人に会うのでは、意味合いが全く違うということです。いくら娘に毎日会ったとしても、寂しさを消すことはできません。昔から恋は万能薬で、生きる活力になるといわれています。その活力は、娘から得られるものとは違うのです。
「お父さんは寂しいのですよ!だから結婚相談所にお入りになったのです。幸い、とても素敵な方に出会われて、結婚を考えていらっしゃいます。理解して頂けませんでしょうか?」
と話をしてみたのですが、娘さんの言い分はこうです。
「父は寂しくなんかありません。私は、父とマンションの上下に住み毎日会っています。家族もよく顔を出しています!」
ここで重要なのは、娘に会うことと、恋愛感情を持った人に会うのでは、意味合いが全く違うということです。いくら娘に毎日会ったとしても、寂しさを消すことはできません。昔から恋は万能薬で、生きる活力になるといわれています。その活力は、娘から得られるものとは違うのです。
長生きを楽しめる環境を認める
周囲の人が反対するのは、自分の親が再婚することで、自分が恥ずかしい思いをすると考えているからです。「みっともない」と思うのは、自分が周りの人から「親がいい年して再婚なんて…」と思われることに恐怖を抱いているからです。結局は、自分のことしか考えていないわけですね。
もし親のことを真剣に考えているならば、残りの人生を好きな人と一緒に過ごした方がいいと思うはず。これは、自分がそういう立場になったときのことを考えれば、すぐにわかると思います。まずは、反対している人に聞いてみてください。
もし自分だったらどうですか?毎日ひとりでいるのが楽しいですか?
これに気づいたならば、親の恋愛に賛成してくれると思います。おしゃれをして出かけるときも、笑顔で見送ってくれるはず。長生きすることが楽しいと思える環境をつくっていくことが、周囲の人がやるべきことだと気づかせることが大切です。
もし自分だったらどうですか?毎日ひとりでいるのが楽しいですか?
これに気づいたならば、親の恋愛に賛成してくれると思います。おしゃれをして出かけるときも、笑顔で見送ってくれるはず。長生きすることが楽しいと思える環境をつくっていくことが、周囲の人がやるべきことだと気づかせることが大切です。
- セカンドライフなび「60歳からの婚活」パートナー探しの極意をナビゲート。 NHK
お互いの年金はどうなる?
- 【マネー羅針盤】シニアの再婚 年金どうなる産経新聞(2013年5月28日)
[マネー&節約]
「婚活」にチャレンジするシニアが急増しているそうです。ある番組で、「婚活の相手に望むことは」と聞かれた女性が、「経済的な安定」と答えていました。婚活といえばどんな世代でも経済的な問題は付いてくるものですが、シニア世代では特にお互いの年金が気になるのではないでしょうか。
では、60歳以降のカップルが再婚することで、受け取る年金にはどんな影響が出るのでしょう。配偶者加給年金と遺族年金に注目してみましょう。
配偶者加給年金とは、年金版の扶養家族手当です。厚生年金に20年以上加入していた人で、65歳未満の配偶者がいれば年額39.3万円程度が老齢厚生年金に加算されます。
配偶者加給年金の対象者となる配偶者かどうかは、特別支給の老齢厚生年金の定額部分または原則65歳から支給される老齢厚生年金の受給権が発生したときの状況で判断されます。
受給権を取得したときに、対象となる配偶者がいれば加算されます。
それでは、再婚した相手も加給年金の対象者となるのでしょうか。
すでに老齢厚生年金を受給している人が再婚した場合、再婚相手が加給年金の支給要件を満たしていたとしても新たに加給年金が加算されることはありません。これに対して、受給権取得前に再婚した場合は、再婚した配偶者も加給年金の対象者になります。
また、配偶者加給年金は、対象の配偶者が65歳になると終了し、その後は振替加算として配偶者の年金に加算されます(昭和41年4月1日以前生まれまで。金額は生年月日により変わります)。
このように60歳以降の再婚は、加給年金や振替加算の受給に少なからず影響を与えます。
次に遺族厚生年金を受給している方が再婚した場合はどうでしょうか。婚姻は、遺族厚生年金の失権理由に該当するため、年金の受給権は消滅します。遺族厚生年金は再婚した日を含む月まで支給され、その後は支給されません。
再婚相手と離婚しても元の遺族年金が再び支給されることはありません。注意する点は、この場合の婚姻には内縁関係(事実婚)が含まれるということです。
すてきなパートナーとともに残りの人生を楽しむためにも、それぞれの年金についてよく話し合っておかれるといいですね。