中国でPM2.5濃度「500マイクログラム」超え、基準値の20倍
2014年10月10日 14:44 発信地:北京/中国
へ 中国・北京(Beijing)で、スモッグで白くかすんだ北京国家体育場(Beijing National Stadium)、通称「鳥の巣(Bird Nest)」(2014年10月9日撮影)。(c)AFP【メディア・報道関係・法人の方】写真購入のお問合せはこちら
【10月10日 AFP】
中国北部ではここ数日にわたり広範囲が分厚いスモッグに覆われ、首都北京(Beijing)を取り囲むように位置する河北(Hebei)省では10日、大気汚染物質「PM2.5(微小粒子状物質)」の濃度が1立方メートル当たり500マイクログラムを超えた。
北京でも、PM2.5濃度は8日午後から300マイクログラム超えが続いており、市内は白くかすんでいる。市当局はスモッグ警戒レベルを最悪に次ぐ「オレンジ」としている。
世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の指針では、健康に害を及ぼさないPM2.5濃度として1立方メートル当たり25マイクログラムの維持を推奨している。(c)AFP
中国、年間470万人の死は公害・喫煙・肥満・交通事故に起因
2014年08月29日 14:31 発信地:パリ/フランス
中国・北京(Beijing)で、マスクを着用して紫禁城(Forbidden City)を観光する家族(2014年2月26日撮影)。(c)AFP/Mark RALSTON【メディア・報道関係・法人の方】写真購入のお問合せはこちら
【8月29日 AFP】
毎年少なくとも470万人の中国人の命を公害、喫煙、肥満、交通事故が奪っているとする米中共同研究の結果が29日、英医学専門誌ランセット(Lancet)に発表された。研究チームはそれぞれの要素に起因する経済的損失も算出している。
米エモリー大学(Emory University)のジェフリー・コプラン(Jeffrey Koplan)教授が率いた研究によると、中国人の健康状態は著しく向上し、1950年に40代だった平均寿命は2011年には76歳に延びたほか、伝染病も減っている。その一方で、公害、喫煙、交通事故、生活習慣病による早死のリスクは以前より高まっているという。
研究では、次のような点を指摘している。
・大気汚染
年間100万人の中国人の死は、屋内で固形燃料を燃やした煙の吸引に起因する。また、同120万人の死は、屋外での微小粒子状物質の吸引に起因する。微小粒子状物質による大気汚染により都市の住民が被っている経済的損失は、同研究によれば2006年時点で年間3410億元(約5兆7500億円)に上った。
年間100万人の中国人の死は、屋内で固形燃料を燃やした煙の吸引に起因する。また、同120万人の死は、屋外での微小粒子状物質の吸引に起因する。微小粒子状物質による大気汚染により都市の住民が被っている経済的損失は、同研究によれば2006年時点で年間3410億元(約5兆7500億円)に上った。
・喫煙
毎年140万人の早死につながっており、2000年時点で410億元(約6900億円)相当の経済的損失をもたらした。
毎年140万人の早死につながっており、2000年時点で410億元(約6900億円)相当の経済的損失をもたらした。
・交通事故
中国では年間80万人以上が事故死しているが、同研究によると、その「大部分」は交通事故。事故全体は1~39歳までの死因のトップで、医療費だけで650億元(約1兆100億円)がかかっている。
中国では年間80万人以上が事故死しているが、同研究によると、その「大部分」は交通事故。事故全体は1~39歳までの死因のトップで、医療費だけで650億元(約1兆100億円)がかかっている。
・肥満
年間36万3000人の中国人の死は、心疾患や肥満などの病気に関連するBMI値の高さに起因している。2003年の経済的損失は210億元(約3500億円)。
年間36万3000人の中国人の死は、心疾患や肥満などの病気に関連するBMI値の高さに起因している。2003年の経済的損失は210億元(約3500億円)。
研究チームは、こうした傾向は先進国化の副産物ともいえ、中国は同じ道をたどってきた先進諸国から学べるものがあると述べている。(c)AFP
中国、法改正や特別法定設置で環境対策 実施は困難伴うとアナリスト
2014年07月19日 20:17 発信地:北京/中国
北京(Beijing)市内をマスクをして歩く女性(2014年1月16日撮影)。(c)AFP/WANG ZHAO【メディア・報道関係・法人の方】写真購入のお問合せはこちら
【7月19日 AFP】
「環境汚染への宣戦布告」をした中国は、関連法の改正から罰則強化まで、さまざまな手段で武装し、違反する者を完全に除去する構えだ。アナリストらはこうした政府の策を期待できると評価する一方、進展の保証はないとしている。
中国は急速な経済成長に伴って、環境の問題を抱えることになった。大気汚染や水質汚染、土壌汚染といった問題は、健康や環境に悪影響を与えるだけでなく、スモッグが立ち込める息苦しいイメージで観光客やビジネスの機会を遠ざけている。
在中国米大使館によると、北京では最近、PM2.5(微小粒子状物質)が1立方メートル当たり300マイクログラムを超えることがある。これは世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の安全ガイドライン基準の12倍に相当するレベルだ。
それでも、産業界や地方政府は収益を伸ばすことに躍起で、方針の転換を拒んでいる。中央政府が最優先課題に掲げる経済成長と、社会不安を回避するための生活水準の向上も環境対策と矛盾する内容だ。
北京(Beijing)を拠点とする環境問題専門家の馬軍(Ma Jun)氏は「楽観はしていないが、明るい兆しを感じる」と述べ、「極めて具体的かつ大規模な行動計画が示されたが、実施段階にはかなりの困難が伴うだろう。多くの異なった利害、巨額の投資が絡んでくるからだ」と述べた。
3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕にあたって行われた記者会見で、李克強(Li Keqiang)首相は、「環境汚染問題に宣戦布告する」と表明。小規模の石炭火力発電施設5万か所を閉鎖することや、ガス排出量の多い古い車600万台を廃車にすると明言した。
政府は4月には環境保護法を25年ぶりに改正。施行は2015年で、違反行為への罰則が強化されるほか、一部の非営利団体に環境関連の訴訟を起こすことが認められる。さらに、中国の最高人民法院(最高裁)は今月3日、環境問題に関連した訴訟を審理するための特別法廷を設置したと発表した。
だが、こうした政府の策がどの程度、効果的に履行されるのは疑問が残る。馬氏は、政府が大気汚染の度合いを示す指数の公表を拒んでいた数年前に比べれば、一連の誓約は劇的な変化だと評価する。
中国はこれまでに、大気汚染の改善に関する目標を引き上げ、石炭を原料とする発電の割合を17年までに65%に抑えると誓約。さらに、大気汚染対策に5年間で1兆7000億元(約27兆7100億円)を投じることなども約束した。だが、目標は達成できていない。13年の時点で、74の主要都市のうち大気汚染の基準値を満たしたのはわずか3都市だった。
米環境保護団体「天然資源保護協議会(Natural Resources Defense Council、NRDC)」のアルビン・リン(Alvin Lin)氏は、新たな環境対策は「正しい方向を向いているが、実際に効果を発揮するには時間がかかる」との見方を示した。(c)AFP/Carol HUANG
中国で環境法違反の逮捕者急増
2014年06月13日 13:47 発信地:北京/中国
中国・北京(Beijing)で、スモッグが立ちこめる中、マスクをつけて天安門広場(Tiananmen Square)を訪れた観光客(2014年2月26日撮影、資料写真)。(c)AFP/Mark RALSTON【メディア・報道関係・法人の方】写真購入のお問合せはこちら
【6月13日 AFP】中国で昨年1年間に行われた環境汚染関連の摘発による逮捕者数が、過去10年間の合計人数を上回っていたことが分かった。国営新華社(Xinhua)通信が12日、報じた。
中国当局は、環境法令違反の摘発を大々的に宣伝しており、その成果を示そうと懸命になっている。新華社通信によると、昨年の環境法令違反による逮捕者は200人、閉鎖された企業や工場は3500に上った。だがこれは、大気汚染や水質汚染、ごみ廃棄の問題に人口13億人が悩まされている国の統計としては、まだ比較的控えめな数字と言える。
新華社通信は、周生賢(Zhou Shengxian)環境保護相が発表した統計をもとに、環境当局が2013年に706件の違反を警察当局に報告したと伝えた。これは、過去10年間の報告件数を合計した数よりも多いという。
中国は4月、25年ぶりに環境保護法を改正。環境法令違反者への罰則の強化を盛り込み、違反者の「名を公表」することを約束した。改正法は15年1月1日に施行される。
中国は、過去30年の急速で無制限な工業化の影響が大きな負担となり始めている。環境問題に対する抗議行動が増加していることも中国当局は認識している。
最近の複数の研究によれば、中国の土壌汚染は国土の約3分の2にまで及び、地下水は60%がそのままの飲用はできないほどに汚染されていた。(c)AFP