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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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[転載]水俣水銀条約、第九条 放出、第十条 水銀廃棄物以外の水銀の環境上適正な暫定的保管、第十一条 水銀廃棄物、第十二条 汚染された場所

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第九条 放出

1 この条の規定は、この条約の他の規定の対象となっていない関係する特定可能な発生源から
の水銀及び水銀化合物(しばしば「総水銀」と表される。)の土壌及び水への放出を規制し、
及び実行可能な場合には削減することに関するものである。
 
2 この条の規定の適用上、
(a) 「放出」とは、水銀又は水銀化合物の土壌又は水への放出をいう。
(b) 「関係する発生源」とは、締約国が特定した重大かつ人為的な放出の特定可能な発生源
  であって、この条約の他の規定の対象となっていないものをいう。
(c) 「新規の発生源」とは、この条約が関係締約国について効力を生ずる日の少なくとも一
  年後に建設又は実質的な改修が開始される関係する発生源をいう。
(d) 「実質的な改修」とは、放出の実質的な増加をもたらす関係する発生源の改修をいう。
  ただし、副産物の回収から生ずる放出に関する変化を除く。改修が実質的であるか否か
  の判断は、当該発生源がある締約国が行う。
(e) 「既存の発生源」とは、新規の発生源でない関係する発生源をいう。
(f) 「放出限度値」とは、特定可能な発生源から放出される水銀又は水銀化合物(しばしば
  「総水銀」と表される。)の濃度又は質量の上限値をいう。
 
3 締約国は、この条約が自国について効力を生ずる日の後三年以内に及びその後は定期的に、
 関係する特定可能な発生源の分類を特定する。

 
4 関係する発生源を有する締約国は、放出を規制するための措置をとるものとし、当該措置
 並びに期待される対象、目標及び結果を定める自国の計画を作成することができる。締約国
 は、この条約が当該締約国について効力を生ずる日の後四年以内に自国の計画を締約国会議
 に提出する。締約国が第二十条の規定に従って実施計画を作成する場合には、当該締約国は、
 この4の規定に従って作成した自国の計画を当該実施計画に含めることができる。
 
5 4に規定する措置には、適当な場合には、次に掲げるもののうち一又は二以上のものを含
 める。
 (a) 関係する発生源からの放出を規制するため及び実行可能な場合には放出を削減するた
   めの放出限度値
 (b) 関係する発生源からの放出を規制するための利用可能な最良の技術及び環境のための
   最良の慣行の利用
 (c) 複数の汚染物質の規制に関する戦略であって、水銀の放出の規制について相互の利益を
   もたらすもの
 (d) 関係する発生源からの放出を削減するための代替的な措置
 
6 締約国は、できる限り速やかに、遅くともこの条約が自国について効力を生ずる日の後五
  年以内に、関係する発生源からの放出に関する目録を作成し、その後は維持する。
 
7 締約国会議は、できる限り速やかに、次の手引を採択する。
 (a) 新規の発生源と既存の発生源との相違及び複数の環境媒体にまたがる影響を最小限に
   する必要性を考慮に入れた利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行に関する
   手引
 (b) 放出に関する目録の作成方法に係る手引
 
8 締約国は、第二十一条の規定に従って提出する報告に、この条の規定の実施に関する情報、
  特に3から6までの規定に従ってとる措置及びその効果に関する情報を含める。
 
 
第十条 水銀廃棄物以外の水銀の環境上適正な暫定的保管
1 この条の規定は、第三条に定義する水銀及び水銀化合物であって次条に定める水銀廃棄物
 の定義に該当しないものの暫定的保管について適用する。
 
2 締約国は、3の規定に従って採択される指針を考慮し、及び同規定に従って採択される要
  件に従い、この条約によって締約国に許可される用途のための1に規定する水銀及び水銀化
  合物の暫定的保管が環境上適正な方法で行われることを確保するための措置をとる。
 
3 締約国会議は、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約
  に基づいて作成された関連する指針その他の関連する手引を考慮して、1に規定する水銀及
  び水銀化合物の環境上適正な暫定的保管に関する指針を採択する。締約国会議は、暫定的保
  管に関する要件を第二十七条の規定に従ってこの条約の追加の附属書において採択すること
  ができる。
 
4 締約国は、1に規定する水銀及び水銀化合物の環境上適正な暫定的保管に関する能力形成
  を促進するため、適当な場合には、相互に及び関連する政府間機関その他主体と協力する。
 
第十一条 水銀廃棄物
1 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(以下この条に
  おいて「バーゼル条約」という。)の関連する定義は、バーゼル条約の締約国に関し、この
  条約の対象となる廃棄物について適用する。バーゼル条約の締約国でないこの条約の締約国
  は、当該関連する定義をこの条約の対象となる廃棄物について適用する手引として使用する。
 
2 この条約の適用上、「水銀廃棄物」とは、締約国会議がバーゼル条約の関連機関との協力の
  下に調和のとれた方法で定める適切な基準値を超える量の次の物質又は物体であって、処分
  され、処分が意図され、又は国内法若しくはこの条約の規定により処分が義務付けられてい
  るものをいう。
  (a) 水銀又は水銀化合物から成る物質又は物体
  (b) 水銀又は水銀化合物を含む物質又は物体
  (c) 水銀又は水銀化合物に汚染された物質又は物体
  この定義は、締約国会議が定める基準値を超える水銀又は水銀化合物を含まない限り、採掘
 された表土、捨石及び尾鉱(水銀の一次採掘によるものを除く。)を除く。
 
3 締約国は、水銀廃棄物が次のように取り扱われるために適当な措置をとる。
  (a) バーゼル条約に基づいて作成された指針を考慮し、かつ、第二十七条の規定に従って締
    約国会議が採択する追加の附属書の要件に従い、環境上適正な方法で管理すること。締
    約国会議は、要件を策定するに当たり、締約国の廃棄物管理のための規則及び計画を考
    慮する。
  (b) この条約によって締約国に許可される用途又は(a)の規定に基づく環境上適正な処分の
    ためにのみ、回収され、再生利用され、回収利用され、又は直接再利用されること。
  (c) バーゼル条約の締約国については、この条の規定及びバーゼル条約に適合する環境上適
    正な処分を目的とする場合を除くほか、国境を越えて輸送されないこと。バーゼル条約
    が国境を越える輸送について適用されない場合には、締約国は、関連する国際的な規則、
    基準及び指針を考慮した後に限り、このような輸送を許可する。
 
4 締約国会議は、3(a)に規定する指針を適当な場合には再検討し、及び更新するに当たり、
  バーゼル条約の関連する機関と緊密に協力するよう努める。
 
5 締約国は、環境上適正な方法で水銀廃棄物を管理するための世界的な、地域的な及び国内
  の能力を開発し、及び維持するため、適当な場合には相互に及び関連する政府間機関その他
  主体と協力することが奨励される。

第十二条 汚染された場所
1 締約国は、水銀又は水銀化合物により汚染された場所を特定し、及び評価するための適当
  な戦略を策定するよう努める。
2 汚染された場所がもたらす危険を減少させるための措置は、適当な場合には当該汚染され
  た場所に含まれる水銀又は水銀化合物による人の健康及び環境に対する危険性の評価を取り
  入れ、環境上適正な方法で行われる。
 
3 締約国会議は、汚染された場所の管理に関する手引であって、次の事項に関する方法及び
  取組方法を含むものを採択する。
  (a) 場所の特定及び特性の評価
  (b) 公衆の関与
  (c) 人の健康及び環境に対する危険性の評価
  (d) 汚染された場所がもたらす危険の管理に係る選択肢
  (e) 効果及び費用の評価
  (f) 成果の検証
4 締約国は、汚染された場所を特定し、評価し、優先順位を決定し、管理し、及び適当な場
  合には修復するための戦略の策定及び活動の実施において協力することが奨励される。

転載元: ミナマタ 水・土壌汚染・防災研究会 水銀条約遵守、水俣生物多様性


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