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[転載]水銀条約について考える会(第2回)議事概要

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水銀条約について考える会(第2回)議事概要
日時:平成24年10月13日(土)14:00~16:10

場所:水俣市公民館
 環境省、熊本県及び水俣市から、資料を用いて水銀条約の概要や現状の取組の説明がなされた。その後に行われた質疑の概要は以下のとおり。

(質疑応答)
質問者:
水銀条約の締結の推進は賛成。ただし1992 年6 月のリオ宣言(特に10、13、16 原則)が十分反映される必要がある。
 国・チッソは、水俣病被害救済を終えておらず、エコパークの水銀ヘドロ処理や
八幡残渣プールについても未解決であることから、国には水俣病の教訓を語る資格
はなく、水俣病患者の救済が真に終結するまでは、条約に水俣を冠することは反対。
質問者:
 底質暫定除去基準が暫定のままである。大地震の際、護岸が崩壊し、水銀が漏
れ出てくることを懸念。
環境省:
 条約は、越境汚染の防止等を規制するものであり、第10 原則・情報へのアク
セスについては条文がある。第13 原則・補償は国際条約に盛りこむことは難しい。
第16 原則・汚染者負担原則は前文に入ってくると思われる。リオ原則を考慮しなが
ら検討が進められている。
 暫定基準については、底質の状況が科学的に十分に分かっていないため、「暫定(除去)基準」の名称となっているが、基本的には、この基準に従い、各都道府県において浚渫・封じ込め等の対策がとられ、今後も引き続き知見の集積につとめながら対応していくと聞いている。
 水俣条約という名前を冠する資格はないという厳しい御意見を頂いたことについ
ては、我々は被害の拡大を防止できなかった責任を痛感し、残されている問題にこれからも向きあい、今後とも地域の方々の御意見を十分踏まえながら、政府の責務としてこの地域の問題解決に努力をしていきたいと考えており、その一つの姿として、水俣病問題の深刻さを踏まえて、世界に水俣の反省を踏まえた水銀対策の重要性を是非認識してもらうため、この地で会議を開催し、水俣条約という名前を冠したいと考えている。

熊本県:
 熊本県としても被害拡大、差別や偏見を生んだ責任に対して向き合い、情報発信事業に取り組んでおり、その延長として、世界に向けて悲惨な事件を二度と起こしてはならないという気持ちをこの機会に皆様と一緒に訴えていきたいという趣旨で説明した。

水俣市:
 水俣は健康の大切さ、命の尊厳を訴えていかなければならない街であると思っており、これは、水俣が通らなくてはならない道であると受け止めている。
 市民の皆様の御努力により水俣市は「環境首都」の称号を得ることができた。その取組を世界に訴えていく必要がある。また、この悲劇を二度と繰り返してはならないという強い使命がある。
 
質問者:
 前回(昨年6月)の議事録、アンケート結果は、今回なぜ配布されないのか。
水銀条約を進めるのは賛成だが、「水俣」を冠するのは問題がある。市長は、水俣
条約について、水俣市民、被害者の合意をどのように得るつもりか。
 水俣のまちづくりの議論の中では、水俣病問題を議論するなという雰囲気があることをどう思うか。
 県の説明の中で特措法の期限問題が触れられていない。水俣湾の埋立地の暫定措置の問題について、県の委員会での検討内容について教えていただきたい。
水俣湾に75~150t の水銀が流れたと言われるが、実際はもっと多いのではないか。
 水俣市営住宅等でチッソの水銀を含んだカーバイトが使用されていると聞くが、実態調査はやらないのか。
環境省:
 前回の議事録・アンケート結果について、今回の会議の結果とあわせてどのような形で提供できるか検討したい。

水俣市:
 市民の合意については、市議会の一般質問で考え等を説明し、それぞれの地区
懇談会の中でも話をしている。今後も浸透するように努力していく。
 まちづくり研究会は、今後の水俣地域の振興について検討する場であり、水俣病の問題については、今後国・県と十分協議を重ねながら、引き続き取り組んでいきたい。

熊本県:
 県では、水俣湾環境対策基本方針に基づき、平成14 年に埋立地の管理補修マ
ニュアルを策定し、定期的に調査・点検を実施しているが、これまで埋立て土砂の
外部への漏出はない。
 調査結果は毎年県議会に報告し公表している。平成20 年度に学識経験者で構成された検討委員会を立ち上げ、老朽化、耐震についての検討を進めており、これまでに4回の会合を行い、それらの内容は随時公開している。
環境省:
 汚染サイトについては、土壌汚染対策法により対策が進められていくものであり、八幡プール、エコパークの件については、国としては、再生融和、地域振興を推進するという立場で、関係者の取組については環境保全上支障がないよう注視していきたい。
 

転載元: ミナマタ 水・土壌汚染・防災研究会 水銀条約遵守、水俣生物多様性


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