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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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[転載]水銀等の環境上適正な暫定的保管

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3-7.水銀等の環境上適正な暫定的保管
 条約においては、第10 条に基づき、水銀及び6種の水銀化合物11について、今後締約国会議
で採択される暫定的保管のための指針等を考慮し、暫定的保管が環境上適正な方法で行われるこ
とを確保する措置等が求められる。

(1) 基本的考え方
 水銀及び水銀化合物の保管等については毒物及び劇物取締法(昭和25 年法律第303 号)(以下
「毒劇法」という。)及び水質汚濁防止法に関連する規定があるが、以下の点から条約の担保措
置としては不十分であり、条約上認められた用途に使用されることを確保する観点及び不適正な
保管等による環境への飛散・漏出を防ぐ観点から新たな法的措置が必要である。
毒劇法: 水銀及び一部の水銀化合物の保管・運搬等について規制しているが、環境保
全を目的としておらず、例えば、保健衛生上の危害を生ずるおそれのない場所において
揮発させる等の方法により廃棄することも許容されている。
水質汚濁防止法: 水銀を含む有害物質について、貯蔵施設に関する構造基準の遵守(漏
洩防止)義務の規定があるが、固体である水銀化合物や、可搬型の容器には適用されな
い。
 その際、環境上適正な保管等の取扱いを確保するため、国内での管理のための指針・基準等(以
下「管理指針等」という。)を策定することが適当である。
 また、
①管理指針等に基づく保管措置の実施状況を適切に把握等するため、また、
②条約の発効による水銀等の需給バランスの変化により、現状では有価物である水銀等が将来的に廃棄物処理法上の廃棄物に移行する可能性があることも考慮すれば、条約第10 条(暫定的保管)の対象物が水銀廃棄物となった場合に第11 条(水銀廃棄物)に基づき適正に管理される制度とするため、一定量以上の水銀を保管する事業者に対し定期的にその保管状況等の報告を求めることが適当である(なお、廃棄物処理法上の廃棄
物となった水銀は、中央環境審議会循環型社会部会水銀廃棄物適正処理検討専門委員会における
検討結果を踏まえ、廃棄物処理法に基づく措置により適正に管理されることとなる。)。
 さらに、環境上適正な暫定的保管の対象となる6 種の水銀化合物の濃度について条約上の規定
はないが、条約に規定のある水銀では純度の高いものを対象としていることから、水銀化合物に
ついても同様に純度の高いものを対象とすることが適当である。
 
(2) 管理指針等
条約における「環境上適正な暫定的保管に関する指針」は条約発効後の締約国会議で採択され
ることから、それまでの間、国が管理指針等を策定し環境上適正な取扱い等を定めることが適当
である。その際、条約上、環境上適正な暫定的保管に関する指針は有害廃棄物の国境を越える移
動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(以下「バーゼル条約」という。)に基づく指針(保
管・運搬等に関する内容を含む)等を考慮して採択されることから、国が管理指針等を検討する
際は、バーゼル条約の指針を考慮することが適当である。
 また、同管理指針等の策定に当たっては、保管の形態、量等によって適切な管理方法を規定
するなど、実態に適したものとすべきである。
 
 ただし、バーゼル条約の指針等は廃棄物に適用されるものであり、暫定的保管とは取扱う物
の性状等が異なる部分もあることから、これらの情報のうち、暫定的保管に関係する部分を中心
に参照することが適当である。
 
(3) 保管の報告
 (2)の管理指針等の実施状況を適切に把握し指導、監督等の措置を講じることができるようにす
るため、また、条約第10 条の対象物が水銀廃棄物となった場合は、第11 条に基づき適正に管理
される制度とするため、一定量以上の水銀等を保管する事業者に対し定期的にその保管状況(保
管目的及び水銀等の年間収支の内訳等を含む。特に、年間収支には、用途別の使用量、廃棄物処
理法上の廃棄物への移行量等を含む。)の報告を求めることが適当である。
(4) その他
 条約上は実験室規模の研究等を目的とするものが適用除外とされていることを踏まえ、上記の
報告を求める対象を一定規模以上の量に限定することが適当である。具体的な規模としては、水
銀保管量で30kg とすれば12、現状で把握されている我が国の水銀保管量のほぼ全量を確認でき
ることから、これを目安に検討すべきである。
 また、(2)の管理指針等の適用対象については、環境保全上の観点に加えて、保管の形態、
量等の実態や小規模の事業所等での実施可能性の観点も踏まえ検討すべきである。
3-8.水銀廃棄物
 条約においては、第11 条に基づき、水銀廃棄物に関して、今後締約国会議が採択する追加の
条約附属書の要件に従い、環境上適正な方法で管理することが求められる。条約上適正な管理が
求められる水銀廃棄物は、循環型社会部会水銀廃棄物適正処理検討専門委員会における検討結果
を踏まえ、基本的には、条約第11 条の規定を踏まえた廃棄物処理法に基づく措置により適正に

転載元: ミナマタ 水・土壌汚染・防災研究会 水銀条約遵守、水俣生物多様性


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