リサイクル材料を利用する際の法令上の留意事項
リサイクル材料には廃棄物としての性格を有するものもあるため、港湾・空港等の工
事において利用する際には、関連法規の規定に基づき、環境保全上支障の生じないよう
適切に取り扱わなければならない。
事において利用する際には、関連法規の規定に基づき、環境保全上支障の生じないよう
適切に取り扱わなければならない。
(解説)
我が国における環境対策は、「環境基本法(1993年11月19日法律第91号)」により、そ
の基本的方向が定められており、循環型社会の形成を推進する基本的枠組みとして「循
環型社会形成推進基本法(2000年6月2日法律第110号)」が制定された。
その中で、港湾・空港等工事でリサイクル材料を利用するにあたり関係する主な法令
としては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(1970年12月25日法律
第137号)」、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海防法)(1970年12月25日法律
第136号)」、循環型社会形成の一環として、「資源の有効な利用の促進に関する法律(リ
サイクル法)(1991年4月26日法律第48号)」、「建設工事に係る資材の再資源化等に関す
る法律(建設リサイクル法)(2000年5月31日法律第104号)」、「国等による環境物品等の
調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)(2000年5月31日法律第100号)」等が挙げ
られる。これらの関係を整理すると、廃棄物処理法と海防法は、主に廃棄物をどの様に
処分するのかという観点で捉えているのに対して、リサイクル法は廃棄物を再生資源と
して積極的に利用して廃棄物の発生をいかに抑制するのかという観点で捉えている。ま
た、建設リサイクル法は、建設廃棄物の発生抑制、分別解体及び再資源化等の促進を規
定する個別規制法である。グリーン購入法は国や地方公共団体等にリサイクル製品等の
調達を推進させるものであり、公共工事における材料等の調達についても対象となって
いる。埋立にリサイクル材料を利用する場合には通常の埋立と同様に「公有水面埋立法」
の適用受ける。また、埋立にリサイクル材料を使用する場合は、リサイクル材料に含ま
れる物質の含有量、溶出量を十分把握した上で、関係法令に基づき適切な埋立を行う必
要がある。表1.4.1に対象となるリサイクル材の発生要因等と廃棄物処理法及びリサイク
ル法等における適用について示す。
なお、リサイクル材料の廃棄物としての取り扱いについては、廃棄物処理法と海防法
等における法的規制を受けるか否かの判断が必要であり、その上でリサイクル材料が廃
棄物である場合は、その規定に従い取り扱うことになる。以下にリサイクル材料を工事
で使用する上での廃棄物処理法及び海防法上の留意事項を示す。
我が国における環境対策は、「環境基本法(1993年11月19日法律第91号)」により、そ
の基本的方向が定められており、循環型社会の形成を推進する基本的枠組みとして「循
環型社会形成推進基本法(2000年6月2日法律第110号)」が制定された。
その中で、港湾・空港等工事でリサイクル材料を利用するにあたり関係する主な法令
としては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(1970年12月25日法律
第137号)」、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海防法)(1970年12月25日法律
第136号)」、循環型社会形成の一環として、「資源の有効な利用の促進に関する法律(リ
サイクル法)(1991年4月26日法律第48号)」、「建設工事に係る資材の再資源化等に関す
る法律(建設リサイクル法)(2000年5月31日法律第104号)」、「国等による環境物品等の
調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)(2000年5月31日法律第100号)」等が挙げ
られる。これらの関係を整理すると、廃棄物処理法と海防法は、主に廃棄物をどの様に
処分するのかという観点で捉えているのに対して、リサイクル法は廃棄物を再生資源と
して積極的に利用して廃棄物の発生をいかに抑制するのかという観点で捉えている。ま
た、建設リサイクル法は、建設廃棄物の発生抑制、分別解体及び再資源化等の促進を規
定する個別規制法である。グリーン購入法は国や地方公共団体等にリサイクル製品等の
調達を推進させるものであり、公共工事における材料等の調達についても対象となって
いる。埋立にリサイクル材料を利用する場合には通常の埋立と同様に「公有水面埋立法」
の適用受ける。また、埋立にリサイクル材料を使用する場合は、リサイクル材料に含ま
れる物質の含有量、溶出量を十分把握した上で、関係法令に基づき適切な埋立を行う必
要がある。表1.4.1に対象となるリサイクル材の発生要因等と廃棄物処理法及びリサイク
ル法等における適用について示す。
なお、リサイクル材料の廃棄物としての取り扱いについては、廃棄物処理法と海防法
等における法的規制を受けるか否かの判断が必要であり、その上でリサイクル材料が廃
棄物である場合は、その規定に従い取り扱うことになる。以下にリサイクル材料を工事
で使用する上での廃棄物処理法及び海防法上の留意事項を示す。
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表1.4.1 対象リサイクル材の発生要因、適用法令
非鉄金属スラグ
非鉄金属を製錬する際に発生するスラグで、銅スラグやフェロニッケルスラグ等がある
産業廃棄物(鉱さい)
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(3)環境保全上の検討事項
リサイクル材を利用する場合は、環境保全上支障を生じないことが前提であり、有害
物質の溶出やpH等の検討を十分に行うことが必要である。
① 有害物質
リサイクル材料の環境安全性の評価基準としては含有量と溶出量による方法があり、
含有物の中には含有はするが溶出はしない成分がある。従って、リサイクル材料を埋立
利用する場合は、溶出量及び含有量を把握した上で、関係法令に基づき適正に扱うこと
とされたい。(海域に投入する場合は不溶性のものに限る。)
リサイクル材を利用する場合は、環境保全上支障を生じないことが前提であり、有害
物質の溶出やpH等の検討を十分に行うことが必要である。
① 有害物質
リサイクル材料の環境安全性の評価基準としては含有量と溶出量による方法があり、
含有物の中には含有はするが溶出はしない成分がある。従って、リサイクル材料を埋立
利用する場合は、溶出量及び含有量を把握した上で、関係法令に基づき適正に扱うこと
とされたい。(海域に投入する場合は不溶性のものに限る。)
浚渫土砂を港湾・空港等の埋立工事に利用する場合の有害物質の溶出については「海
洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」の水底土砂判定基準を満足するものでなくて
はならない。更に一部の自治体では建設発生土等の受入基準を「土壌の汚染に係る環境
基準」を採用しているところもあるため、これらに係る条例等についても留意する必要
がある。
洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」の水底土砂判定基準を満足するものでなくて
はならない。更に一部の自治体では建設発生土等の受入基準を「土壌の汚染に係る環境
基準」を採用しているところもあるため、これらに係る条例等についても留意する必要
がある。
特に産業廃棄物等は有害物質が溶出する場合もあることから、排出事業者から溶出試
験結果の提出を求め安全性を確認する等の配慮が必要である。また、セメント及びセメ
ント系固化材を使用した改良土(建設発生土、浚渫土砂、建設汚泥)については、六価
クロムの溶出が懸念されることから、「セメント及びセメント系固化材の地盤改良への
使用及び改良土の再利用に関する当面の措置について(港建第119号 平成12年3月27日
及び空建第54号 平成12年3月27日)」、「セメント及びセメント系固化材を使用した改良
土の六価クロム溶出試験実施要領(案)の一部改定について(港建第118号 平成13年4
月20日)」によって、その取り扱いの方法が規定されている。
験結果の提出を求め安全性を確認する等の配慮が必要である。また、セメント及びセメ
ント系固化材を使用した改良土(建設発生土、浚渫土砂、建設汚泥)については、六価
クロムの溶出が懸念されることから、「セメント及びセメント系固化材の地盤改良への
使用及び改良土の再利用に関する当面の措置について(港建第119号 平成12年3月27日
及び空建第54号 平成12年3月27日)」、「セメント及びセメント系固化材を使用した改良
土の六価クロム溶出試験実施要領(案)の一部改定について(港建第118号 平成13年4
月20日)」によって、その取り扱いの方法が規定されている。
② その他
有害物質の溶出の他に環境保全上留意する事項として、海域の水質や底泥に関係する
ものとして次のような基準があり、これらはリサイクル材料を対象とした基準ではない
が、海中や底泥中でリサイクル材料を利用する場合に工事区域の海域の利用特性を考慮
して工事中の監視目標値を定め、その目標値を満足できるように配慮が必要である。
特に安定処理材料やコンクリート破砕物等の建設副産物および産業副産物等は総じて
pHが高いため計画・設計段階で対策を含め十分な検討が必要である。
有害物質の溶出の他に環境保全上留意する事項として、海域の水質や底泥に関係する
ものとして次のような基準があり、これらはリサイクル材料を対象とした基準ではない
が、海中や底泥中でリサイクル材料を利用する場合に工事区域の海域の利用特性を考慮
して工事中の監視目標値を定め、その目標値を満足できるように配慮が必要である。
特に安定処理材料やコンクリート破砕物等の建設副産物および産業副産物等は総じて
pHが高いため計画・設計段階で対策を含め十分な検討が必要である。
・ 「水質汚濁に係る環境基準」(水質:pH、ノルマルヘキサン抽出物質等)
・ 「水産用水基準(財団法人日本水産資源保護協会)」(水質:SS・着色・油分等、底質:ノルマルヘキサン抽出物質・硫化物等)