鉱業法
(昭和二十五年十二月二十日法律第二百八十九号)
(昭和二十五年十二月二十日法律第二百八十九号)
最終改正:平成二六年六月一三日法律第六九号
(目的)
第三条 この条以下において「鉱物」とは、金鉱、銀鉱、銅鉱、鉛鉱、そう鉛鉱、すず鉱、アンチモニー鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、鉄鉱、硫化鉄鉱、クローム鉄鉱、マンガン鉱、タングステン鉱、モリブデン鉱、ひ鉱、ニツケル鉱、コバルト鉱、ウラン鉱、トリウム鉱、りん鉱、黒鉛、石炭、亜炭、石油、アスフアルト、可燃性天然ガス、硫黄、石こう、重晶石、明ばん石、ほたる石、石綿、石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石、耐火粘土(ゼーゲルコーン番号三十一以上の耐火度を有するものに限る。以下同じ。)及び砂鉱(砂金、砂鉄、砂すずその他ちゆう積鉱床をなす金属鉱をいう。以下同じ。)をいう。
2 前項の鉱物の廃鉱又は鉱さいであつて、土地と附合しているものは、鉱物とみなす。
第六章 鉱害の賠償
第百九条 鉱物の掘採のための土地の掘さく、坑水若しくは廃水の放流、捨石若しくは鉱さいのたい積又は鉱煙の排出によつて他人に損害を与えたときは、損害の発生の時における当該鉱区の鉱業権者(当該鉱区に租鉱権が設定されているときは、その租鉱区については、当該租鉱権者)が、損害の発生の時既に鉱業権が消滅しているときは、鉱業権の消滅の時における当該鉱区の鉱業権者(鉱業権の消滅の時に当該鉱業権に租鉱権が設定されていたときは、その租鉱区については、当該租鉱権者)が、その損害を賠償する責に任ずる。
2 前項の場合において、損害が二以上の鉱区又は租鉱区の鉱業権者又は租鉱権者の作業によつて生じたときは、各鉱業権者又は租鉱権者は、連帯して損害を賠償する義務を負う。損害が二以上の鉱区又は租鉱区の鉱業権者又は租鉱権者の作業のいずれによつて生じたかを知ることができないときも、同様とする。
3 前二項の場合において、損害の発生の後に鉱業権の譲渡があつたときは、損害の発生の時の鉱業権者及びその後の鉱業権者が、損害の発生の後に租鉱権の設定があつたときは、損害の発生の時の鉱業権者及び損害の発生の後に租鉱権者となつた者が、連帯して損害を賠償する義務を負う。
4 第一項又は第二項の規定により租鉱権者が損害を賠償すべき場合においては、損害の発生の時当該租鉱権が設定されている鉱区の鉱業権者及びその後の鉱業権者が、損害の発生の時既に鉱業権が消滅しているときは鉱業権の消滅の時における鉱業権者が、租鉱権者と連帯して損害を賠償する義務を負う。
5 前四項の規定による賠償については、共同鉱業権者又は共同租鉱権者(租鉱権を共有する者をいう。)の義務は、連帯とする。
2 前条第三項の場合において、鉱業権を譲り受けた者又は損害の発生の後に租鉱権者となつた者が賠償の義務を履行したときは、同条第一項又は第二項の規定により損害を賠償すべき者に対し、償還を請求することができる。同条第四項の場合において鉱業権者が賠償の義務を履行したときも、同様とする。
2 損害の賠償は、金銭をもつてする。但し、賠償金額に比して著しく多額の費用を要しないで原状の回復をすることができるときは、被害者は、原状の回復を請求することができる。
3 賠償義務者の申立があつた場合において、裁判所が適当であると認めるときは、前項の規定にかかわらず、金銭をもつてする賠償に代えて原状の回復を命ずることができる。
第百十二条 経済産業大臣は、損害の賠償に関する争議の予防又は解決に資するため、総合資源エネルギー調査会に諮問して、損害の賠償の範囲、方法等についての公正かつ適切な一般的基準を作成し、これを公表することができる。
2 何人も、前項の基準に拘束されるものではない。
第百十三条 損害の発生に関して被害者の責に帰すべき事由があつたときは、裁判所は、損害賠償の責任及び範囲を定めるのについて、これをしんしやくすることができる。天災その他の不可抗力が競合したときも、同様とする。
2 土地又は建物に関する損害について予定された賠償額の支払は、賠償の目的となる損害の原因及び内容並びに賠償の範囲及び金額について、政令で定めるところにより、登録をしたときは、その後その土地又は建物について権利を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
第九章 罰則
第百四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第七条の規定に違反した者
二 前号の犯罪に係る鉱物を、情を知つて運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあつせんをした者
三 偽りその他不正の行為により鉱業権の設定又は移転の許可を受けた者
2 過失により鉱区外又は租鉱区外に侵掘した者は、百万円以下の罰金に処する。
第百四十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第百条の二第一項又は第百条の四第一項の規定に違反して探査を行つた者
二 偽りその他不正の行為により第百条の二第一項又は第百条の四第一項の許可を受けた者
三 第百条の六の規定による命令に違反した者
第百四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第六十三条第三項(第八十七条において準用する場合を含む。)又は第六十三条の二第三項の規定に違反した者
二 第六十四条(第八十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反して鉱物を掘採した者
三 第百条第三項の規定による命令に違反した者
四 第百二十条の規定による命令に違反して事業を停止しなかつた者
第百五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第六十九条又は第七十条(第八十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二 第七十条の二の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第百条の二第四項の規定に違反して許可証を携帯しないで探査を行つた者
四 第百条の七第一項の規定により付された条件に違反した者
五 第百条の十一の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第百二条の規定に違反して書面を携帯せず、又はこれを提示しなかつた者
七 第百四十四条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
八 第百四十四条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
九 第百四十四条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第百五十一条 第百条の四第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。