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[転載]ジクロロメタン <胆管がん> 米の化繊工場でも90年に報告

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華やかな印刷の世界にも落とし穴はあったのですね。
 
2012年5月28日にもコメントを書いたが、アメリカでも同様な発症があったという。合成に必須で便利な有機溶媒恐るべしである。換気設備が必要であるが外に排気するのは良くない。
 
構造的類似性からクロロホルムなども危険であろう。水道水中の所謂ハロメタンである。毎年、全国の大学の排水が基準をオーバーして自治体から呼び出しをくらっている。クロロホルムの場合、生体中でホスゲンCOCl2が出来て、細胞死をもたらす。
 
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(高専の学生さんの図)
 
Wikiにとても面白い記事がある。麻酔薬の変遷、クロロホルム、ジエチルエーテル、トリクロロエチレンである。
 
1853年(あるいは1857年)に出産時の麻酔として用いられたのが、クロロホルムが麻酔剤として利用された最初の例のようである。
 
その後外科手術の際の麻酔剤としての利用が、ヨーロッパで急速に広まった。しかし毒性、特に深刻な心不整脈などの原因になり易いという特徴を持ち、その犠牲者は「中毒者の突然死」と表現された。
 
このため20世紀の初頭に、麻酔剤としての主力はジエチルエーテルへと移行した。高い治療指数と低価格、確実な麻酔維持能という特長から、発展途上国では2006年現在でもジエチルエーテルが麻酔剤として好んで用いられている。
 
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実際、エーテルの引火原因となる各種電子機器、電気メスを排除できるなら、現代でも麻酔維持にはジエチルエーテルが最も優れているといえよう。
 
一時期、ハロゲン系脂肪族炭化水素であるトリクロロエチレンがクロロホルムよりも安全な麻酔剤であると提案されたことがあったが、これも後に発がん性が確認された。
 
胆のうガンの発症率が東北や北海道で多いのは何故であろうか。
 
 
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水道水中のトリハロメタン?農薬のためか。水田除草剤であるCNP(Chlornitrofenクロルニトロフェン)と胆のうガンの相関も立証されています。
 
*クロルニトロフェンは農薬で、白色の固体。低魚毒性の水田用除草剤として使用されています。指針値は、以前「0.005mg/リットル以下」と定められていましたが、平成6年3月15日付け環水管第43号で削除されました。 (weblio.jp)
 
CNPはニトロ基にクロロ基が2つという恐ろしい構造をしています。これを平気で使っているとは驚きです。害虫は確かに困り者ではありますが、別の駆除方法を考えることも必要です。
 
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要するに分子というのは余程注意して取り扱わなければいけないということです。特に飲料水や空中に有機溶剤が拡散しないようにしなくてはいけません。しかし、あまり怖がっては何もできなくなります。
 

<胆管がん> 米の化繊工場でも90年に報告 同じ溶剤使用
 
毎日7月10日(火)2時30分配信
 
 大阪市の印刷会社で胆管がんが多発している問題で、この印刷会社での使用が指摘される有機溶剤を使っていた米国の化学繊維工場で、胆管がんなどによる死者が高い率で発生していたという研究報告が行われていたことが分かった。
 
日本でも、この米国の会社と同様の化学繊維製品が作られており、問題を調査している熊谷信二・産業医科大准教授は「国内の化学繊維産業も注意する必要がある」と指摘している。【大島秀利、高瀬浩平】
 
 報告は90年、米国人の研究者が、欧州の専門誌で発表した。問題の化学繊維工場は米国南東部サウスカロライナ州にあり、半合成繊維の「トリアセテート繊維」を製造。
 
天然の木材と酢酸を混ぜ、溶剤として化学物質「ジクロロメタン」を使っていた。生産は86年に中止されたという。
 
 研究では、この工場で1954~77年に働いた従業員計1271人について、86年までの動向を調査。その結果、胆管がんで2人、関連するがんの胆管細胞がんで1人の計3人が死亡していたことが分かった。これらのがんの死亡率は米国平均の20倍だという。
 
 熊谷准教授による調査では、ジクロロメタンは、大阪市の印刷会社で印刷見本を刷る校正印刷の際、ゴム製の面に付着したインキを洗う有機溶剤に含まれていた。この溶剤には激しい刺激臭があり、吐き気を催す従業員が相次いだ。
 
 トリアセテート繊維は衣服の素材として日本でも生産され、光沢や発色のよさが特徴。熊谷准教授は
 
「米国の調査からは、化学繊維産業でジクロロメタンによる危険性が指摘されていたことが分かる。人体への害に対する警告が20年以上前から出ていたことになる」
 
と指摘している。
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胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 地下で印刷後、多発 社屋移転「換気悪化」
 
毎日 2012年07月03日 大阪夕刊
 
 校正印刷を業務とする大阪市の印刷会社で働いた従業員に胆管がんが多発している問題で、91年に現在の社屋を新築し移転したのを機に、作業場の環境が悪化した可能性があることが分かった。
 
作業場は地下で、換気が悪くなったと退職した従業員もいる。
 
校正印刷は湿度や温度が安定している方が品質を保てるというが、厚生労働省は
 
「必要な換気量を満たしていなかった可能性がある」
 
と指摘。社屋の構造や効率優先の職場環境が問題の背景に浮かび上がった。【高瀬浩平、大島秀利】
 
 同社では91~03年に働いた12人が発症、うち7人が死亡した。毎日新聞の取材では、現在の社屋新築前の退職者に発症者は確認されていない。
 
 印刷見本を刷る校正印刷は多くの種類の見本を少しずつ刷るため、印刷機を有機溶剤で洗う頻度が一般の印刷に比べ極めて高い。
 
 
 胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 「換気悪い」無念の死 退職後発症の40代男性、改善訴え続け
 
毎日 2012年06月22日 大阪夕刊
 
 「換気が悪いと訴えてもらちがあかない」
 
 胆管がんが多発している大阪市内の印刷会社は、法律で定められた衛生委員会を設置しておらず、ずさんな健康管理の実態が浮き彫りになった。
 
10年以上前から体調不良を訴える声が社員から相次ぐ中、会社側に環境改善を訴える男性従業員がいた。
 
男性は「もう先が見えない」と退職したが、胆管がんを発症して40代で無念の死を遂げた。友人らには
 
「あの会社には、自分と同じような病気になった人が複数いる」
 
と打ち明けていた。
 
 男性は90年代に入社。「設備が悪くて、換気が悪い」とたびたび周囲に打ち明けていた。別の元従業員は当時の様子を
 
「作業場に入った瞬間、吐き気をもよおした。印刷機器で洗浄剤を使うと、いきなり鼻の奥を突くような臭いが来る。顔を近づけると、目が開けられないほどで、腰を引いて洗浄の作業をした」
 
と証言する。
 
 男性は01年、係長になったが、環境は改善されていなかった。職場は物を言いにくい雰囲気だったが、思い切って上司に「換気が十分でない」とかけあった。しかし、改善されることはなく、男性は失意のうちに退職した。その数年後、胆管がんが男性を襲った。
 
 東京、静岡、石川で3人発症=印刷会社の胆管がん17人に―全国調査で判明・厚労省
 
時事通信 7月10日(火)8時44分配信    headlines.yahoo.co.jp
 
 大阪市内の校正印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省は10日、全国の印刷事業所561カ所を調べた結果、新たに東京都と静岡県、石川県の3事業所で計3人が胆管がんを発症していたと発表した。
 
既に判明している大阪、宮城両府県を合わせると発症は計17人となり、厚労省のまとめではうち8人が既に死亡している。
 
 小宮山洋子厚労相は閣議後の記者会見で、
 
「あまり多くの広がりがなかったことは良かったが、法令が守られていないところもあり、(法令順守を)徹底したい」
 
と述べた。原因究明のため専門家による調査チームをつくるほか、電話相談の窓口を設けることも明らかにした。
 
 厚労省によると、新たに判明した3人のうち、東京の70代男性と石川の60代男性は既に死亡。静岡の40代男性は在職中という。
 
 調査対象のうち、383事業所では有機溶剤の中毒を予防する規則が守られていなかった。地下にある事業所はなかったが、窓のない所は9カ所あった。
 
 最初に問題が発覚した大阪市の校正印刷会社は地下室に作業場があり、12人が胆管がんを発症。厚労省の調査ではうち6人、関係者によると7人が死亡したとされる。 
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転載元: blog化学


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