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[転載]がれき受け入れ:大阪府指針 1キロ当たり100ベクレル

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がれき受け入れ:大阪府指針 1キロ当たり100ベクレル

 大阪府は27日、東日本大震災の被災地で発生した災害廃棄物(がれき)の処理指針を発表した。受け入れるがれきの基準は、含まれる放射性セシウムについて1キロ当たり100ベクレルとすることにし、がれきを燃やした後の焼却灰を管理する際の基準として国の基準より厳しい1キロ当たり2000ベクレルとする方針を盛り込んだ。
 府は岩手県のがれきを受け入れる方針で、近く府内市町村と協議に入る。
 
 指針は有識者会議の意見を踏まえて策定した。府での作業実態に沿って、作業時間を国の想定よりも長く見積もり、焼却灰を安全に埋め立てられるとする国の基準1キロ当たり8000ベクレルよりも厳しい2000ベクレルを基準とした。府は1キロ当たり100ベクレルのがれきを焼却した場合、灰が2000ベクレルを超える可能性は低いとみている。
 
 木くずや廃プラスチックなど可燃廃棄物を中心に、受け入れに応じた府内市町村で焼却処理し、最終処分場で埋め立てる。
 最終処分場について、府は近畿2府4県などが出資する「大阪湾広域臨海環境整備センター」(大阪湾フェニックス)の大阪沖埋立処分場(大阪市此花区)を候補地の一つとして検討しているが、海面埋め立て式処分場についての政府の埋め立て指針が示されていないため、政府に指針策定を求めている。
 松井一郎知事は27日の記者会見で「フェニックスは候補に挙がるが、現在、国から処分方法が示されていないため、海面処分は検討する段階にない」と述べるにとどめた。
 
 
 

Q 東日本大震災の災害廃棄物(がれき)を大阪府は受け入れることを決めたのか。
  放射線による影響についてどう考えているのか。


 被災地の災害廃棄物については、膨大な量が発生しており、これを広域で処理することは、被災地の早期復旧・復興につながることと考えています。
 これを大阪府域において受け入れるとする場合には、災害廃棄物の処理を行うことにより放射性物質による人体や環境への影響を及ぼさないようきちんとした対応が必要と考えています。
 
 そのため、放射線の専門家による「災害廃棄物の処理指針に係る検討会議」を設置して、国のガイドラインを参考に府民意見を踏まえて、安全に処理するための線量限度の考え方や、受け入れる廃棄物の放射性物質濃度や線量率についての考え方、焼却する施設についての考え方、測定方法などについてご意見をいただいてきました。
 
 この検討会議の結果をもとに、府として「大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針」を平成23年12月27日に策定し、公表しました。
 この指針は、技術的な観点から必要な事項を定めたものであり、受入に関する具体的なことを決めたものではありません。
 今後、市町村などの関係者にご理解をいただけるよう丁寧な説明を行い、協力を求めていきます。
 
大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針
 
      平成23年12月27日 策定
 
 
1 目 的
 この指針は、東日本大震災により発生した災害廃棄物(以下「災害廃棄物」という。)を府域において処理を行う場合に技術的な観点から必要な事項を定めることにより、府民の健康に影響がないことを前提に、被災地における災害廃棄物の処理を支援することを目的とする。
 
2 基本的事項
(1)この指針は、府域で災害廃棄物の処理を行うすべての者を対象とする。
(2)災害廃棄物の処理を行う際には、本格的な処理を開始する前に、受け入れる災害廃棄物が発生した被災地域ごとに、試験的に処理を行い、各工程での放射能等の安全性を確認する。
(3)災害廃棄物の処理については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。   以下「廃棄物処理法」という。)及び東日本大震災に関する国のガイドラインや通知等に基づき実施するものとし、今後新たにガイドライン、通知、知見等が示された場合には、必要に応じてこの指針を改定することとする。
 
3 処理の対象とする災害廃棄物
処理の対象とする災害廃棄物の種類は、以下に示す廃棄物のうち、可燃廃棄物とする。不燃廃棄物、津波堆積物及び特別管理廃棄物等については処理の対象としない(福島県内の災害廃棄物は処理の対象とされていない。)。
ただし、被災地の事情により止むを得ないときは、可燃廃棄物と不燃廃棄物が混合した混合廃棄物も対象に含めることとする。
ア 可燃廃棄物:木くず、紙くず、繊維くず、廃プラスチック等可燃性のもの
イ 不燃廃棄物:コンクリートがら、金属等不燃性のもの
ウ 混合廃棄物:アとイが混合しているもの
エ 津波堆積物:津波によって発生した汚泥・土砂類
オ 特別管理廃棄物等:廃石綿等、PCB廃棄物、感染性廃棄物など特別管理廃棄物及び石綿含有廃棄物に該当するもの
 
4 災害廃棄物の処理における放射性物質に係る事項
(1)対象とする放射性物質は、セシウム134及びセシウム137とする。
(2)周辺住民や作業者の受ける線量限度は、一般公衆の年間線量限度とされている1mSv/年(※1)を下回ることとする。
これを十分満足できるように、受け入れる災害廃棄物の放射性物質濃度の目安値(以下「受入れの目安値」という。)を100Bqkg(※2)、埋め立てる焼却灰等の目安値(以下「埋立ての目安値」という。)を2,000Bqkgとする。なお、目安値はセシウム134とセシウム137の合計値とする。
 
 
 
○ 100Bqkgの災害廃棄物を運搬・選別・焼却する作業員が受ける線量を府域の処理実態に合わせて試算したところ、0.0050.048mSv/年と1mSv/年を十分下回りました。
 
○ 2,000Bqkgの焼却灰を運搬・埋め立てする作業員が受ける線量を府域の処理実態に合わせて試算したところ、0.120.86mSv/年と1mSv/年を下回りました。
この試算では埋立場所一面に2,000Bqkgの焼却灰が埋まっていることを想定していますが、実際には府域で通常発生する焼却灰等の廃棄物も埋まっており、覆土もされているなど、安全側に立って余裕を持たせた条件での試算を行っているため、処理を行う際に実際に受ける線量は試算結果よりもかなり小さくなると考えられます。
 
○ 100Bqkgの災害廃棄物を運搬・選別・焼却する場合に一般公衆が受ける線量を試算したところ、0.0000430.0013mSv/年と1mSv/年を大きく下回りました。
 
○ 2,000Bqkgの焼却灰を運搬・埋立てする場合に一般公衆が受ける線量を試算したところ、0.000760.0014mSv/年と1mSv/年を大きく下回りました。
 
○ 以上の試算は安全側に立って余裕を持たせた条件での試算を行っていますので、処理を行う際に実際に受ける線量は試算結果よりも小さくなり、府民の健康に影響がないレベルのものと考えられます。
 
 
※1:Sv(シーベルト)とは、放射線によって人体が受ける影響を表す単位です。
ひとりの人間が1年間に受ける自然放射線量は世界平均で24ミリシーベルト、日本全国平均で148ミリシーベルトです。
一般公衆の年間線量限度は、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告により、自然放射線と医療放射線を除いて1ミリシーベルトとされています。
 
 
※2:Bq(ベクレル)とは、放射性物質が放射線を出す能力(1秒間に原子核が崩壊する数)を表す単位です。
   人の体内には、食品に含まれる自然界由来の様々な放射性物質が存在し、体重60kgあたりカリウム404,000ベクレル、炭素142,500ベクレルとなっており、1kgあたりではそれぞれ67ベクレル、42ベクレルとなります。
 
 
3)災害廃棄物は、被災県において選別・破砕処理した後、木くず、紙くずなど組成ごとの放射性物質濃度を測定し、受入れの目安値100Bqkgを確保したものを、コンテナに積み込んで船舶により大阪府域に運搬する。その後、選別・仕分けされ市町村等の焼却施設において焼却処理を行い、焼却に伴い発生する焼却灰等を埋立ての目安値2,000Bqkg以下で適正に処分する。各処理工程の周辺住民や作業者の受ける線量の試算結果を図1に示す。
 
5 災害廃棄物の処理の流れの概要
(1)被災県での処理
被災現場で発生した災害廃棄物はまず一次仮置場に集められ、そこで重機や手選別により粗選別される。次に、二次仮置場では、粗選別した災害廃棄物を処理施設で選別・破砕し、コンテナに積み込む。
なお、セシウムは汚泥や土砂類に付着しやすいことから、災害廃棄物を選別・破砕処理する者は、可能な限り表面の汚泥・土砂類を取り除くこととする。
(2)大阪府域での処理
 被災地からコンテナにより運搬されてきた災害廃棄物は、屋内選別施設で下ろされ、処理施設で選別された後、焼却施設ごとに仕分けられる。
災害廃棄物の焼却処理により発生した焼却灰等は、管理型最終処分場で埋立処分される。
災害廃棄物の処理の流れを図1に示す。
 
 
6 災害廃棄物の処理工程
1)仮置場からの搬出作業について
(1)災害廃棄物が積み込まれたコンテナの運搬作業にあたっては、作業に伴う騒音または振動によって周辺の生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないように必要な措置を講じることとする。
(2)受入れの目安値を管理するために、受け入れる災害廃棄物については、選別・破砕後の災害廃棄物についてストックヤードで組成ごとに放射性物質濃度を測定する。受入れの目安値の確認は全量検査ではないことから、それを補完するため、コンテナに積み込む前の災害廃棄物について、コンテナ   積込ヤードで空間線量率、遮蔽線量率(※3)を測定する。また、災害廃棄物を積み込んだ後のコンテナについては、港湾労働者の作業環境の安全のための数値0.3μSv/h(マイクロシーベルト毎時)を確認するために、海上輸送ヤードで空間線量率を測定する。測定対象等詳細については、図2及び表1のとおりとする。

 
 
 
   
※3:遮蔽線量率とは、鉛製の箱の中で試料に測定器を接触させて測る線量率の測定です。これにより、周辺からの影響を受けずに試料そのものから出る線量率を測定することができます。箱の中に試料を入れない状態で測った線量率をバックグラウンドとし、遮蔽線量率の測定値は、バックグラウンド遮蔽線量率を除いた値とします。
 
測定の結果に応じて、次のとおり対応することとする。
  ア 選別・破砕後の災害廃棄物の放射性物質濃度が受入れの目安値を超過した場合は、搬出しない。
イ コンテナ積込ヤードにある災害廃棄物の空間線量率がバックグラウンド空間線量率の3倍以上(※4)となった場合は、当該災害廃棄物の空間線量率の詳細調査を行い、線量率測定値の分布を把握する。把握した分布に応じて試料採取を行い、災害廃棄物の放射性物質濃度を測定する。受入れの目安値を超過した場合は、搬出しない。

 
 
 
 

転載元: 3月11日 ATC放射性物汚染対処シンポジウムの参加者募集


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