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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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被ばく量管理に新技術「MEMS技術を用いた携帯型放射線検出器の開発とその応用」環境ビジネス誌より

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被ばく量管理に新技術

 産業技術総合研究所が、同所内のプロジェクト「MEMS技術を用いた携帯型放
射線検出器の開発とその応用」で、小型で軽く、名札ケースやポケットに入れ
て持ち運びでき、長期間の連続使用が可能な放射線積算線量計を開発しました。
産総研のカーボンナノ構造体を用いた乾電池駆動X線源開発の小型化・省エネ
化技術を応用したもので、今回開発した放射線積算線量計を用いることで、パ
ソコンなどを通して、日々、個人の放射線被ばく量を知ることが可能。放射線
量の高い場所を避けることなどによる個人の被ばく量の低減が可能となり、住
民の安全性向上への貢献が期待できるとしています。

 放射性物質汚染対処特措法が1月1日に全面施行されてから早一月半。いまだ、
福島第一原発では不安定な状況があり、災害廃棄物の処理が各所で続行中です。
それだけに、こうした被ばく状況管理ツールへのニーズはまだまだ高いといえ
るのでしょう。

 また、昨年話題となった杉並区の学校で判明した芝生養生シートの高濃度汚
染のように、意外なホットスポットや汚染物質がまだまだ身近に存在している
可能性も否定できません。

 福島の20キロ圏内や計画的避難区域の廃棄物に関しては、特措法で基本的に
国の管轄での処理となっていますが、それ以外の地域の廃棄物も、8000ベクレ
ル/kg超で、環境大臣が指定すれば『指定廃棄物』となり、不燃、可燃は問わ
ず国が処理をすることになります。処理施設の焼却灰や下水汚泥、特措法施行
以前のものも指定対象です。

 特措法について、環境省の野本卓也氏(大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
適正処理・不法投棄対策室)に話を聞きました。

 「自治体や法人、個人などで廃棄物の放射能を測定して(専門業者の測定で
も自ら測定しても可)、8000ベクレル/kg超であれば国に申請いただき、指定
廃棄物に指定されれば、国が引き取るまで適正に保管していただくという流れ
になります」(野本氏)

 申請した場合、どのくらいの期間を待てば、指定廃棄物は国に回収されるの
でしょうか。

 「期日については、現時点では明確にお答えはできません。1月1日全面施行
ということで、申請の状況によっても変わってきます」(野本氏)
申請に際して気をつけることは、「たとえば、廃棄物の放射能濃度の測定に当
たって、偏った数値が出ないよう、複数個所からのサンプリングをお願いして
います。詳細はガイドラインに記載しています。また、廃棄物の処理に当たっ
て、(1)収集運搬(2)保管(3)中間処理(焼却など)(4)埋立処分に
ついて(ガイドラインで)適正な処理方法を示しています。実際の処理につい
ては各自治体などの協力も得ながら実施することになるかと思います」(野本
氏)とのこと。

 企業としても、自社のビジネスを円滑にするためにも、調査・測定、保管、
収集運搬、廃棄の各段階について、ガイドラインにて適正な対応をチェックし
ておくことは欠かせなくなってきています。


 *月刊環境ビジネス3月号では、廃棄処理やリユース、リサイクルでの放射
線対策の現状について、実務特集「廃棄物の放射線対策」で紹介しています。
http://nls.kankyo-business.jp/c/asoZaam7anv7f2ad

放射能検査のすすめ方
今回の福島原発事故による放射性物質の流出影響で、日本製品に対する海外の懸念が高まっている。非放射能汚染であることの証明書を求める国や、日本からの輸入品の放射線検査実施を独自に行う国が続出し、日本企業は輸出品の放射線検査への対応に追われている。

農林水産省によれば、日本産食品の輸入規制を強化した国や地域は30ヶ所以上に上るという。その中には、エジプトやニューカレドニアのように日本のすべての食品につき輸入停止、またはEUのように日本政府作成の証明書を要求する厳しい措置をとる国も少なくない。

輸入国から見れば、直接口にして体内に入る食品は、安全性を監視する観点から、より詳細で厳格な検査に基づいた証明を必要とするのはやむを得ないだろう。また日本においても、暴走しかねない風評被害の深刻化を防ぐためには、現段階での有効な対処法といえる。
シンガポールのスーパー
シンガポールのスーパーにて。日本の野菜や果物が陳列されているコーナーに掲げられていたサイン証明 (写真提供:シンガポール日本商工会議所)


「生鮮品」と「加工品」に分類し証明

EUの場合は現在、大きく「生鮮品」と「加工品」に種類を分けて各種証明書の提出を要求している。3月11日より前の生産日や加工日の場合は「日付証明」を、生産地が福島、群馬、栃木、茨城、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉の12都県以外の場合は、「産地証明」を輸入国へ提出すればよい。

問題は、3月11日より前に12都県で生産された生鮮品や加工品のケース。EUが示す放射性物質基準に適合することを証明する「放射能検査証明」が必要なのだ。加工品においては、加工地が12都県以外でも、主原料生産日が3月11日以降で主原料生産地が12都県に該当する場合は、放射能検査が必要になってくる。たとえば、3月11日以降に収穫した宮城県産の米を原料にして、福岡県でせんべいを生産した場合などがそれに当たる。

日本産食品等のEU輸出に必要となる証明書の種類について

日本産食品等のEU輸出に必要となる証明書の種類

食品への諸外国・地域の規制措置(5月2日現在)

日本の全ての食品につき輸入停止又は証明書を要求

EU、アイスランド、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタイン、中国、韓国、マレーシア、カナダ、ブラジル、タイ、ブルネイ、アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、バーレーン、レバノン、エジプト、仏領ポリネシアニューカレドニア(仏領)

日本の一部食品につき輸入停止又は証明書を要求し、他の品目の全部または一部につき全ロット検査

インドネシア、台湾、フィリピン、ベトナム

日本の一部食品につき輸入停止又は証明書を要求

米国、ロシア、シンガポール、香港、マカオ

検査強化

インド、ネパール、パキスタン、ミャンマー、豪州、ニュージーランド、ウクライナ、イラン
(出典)農林水産省

 
がれきは国の負担、3年で処理
環境省は、4月5日、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、岩手、福島の3県において、倒壊・流失した家屋などによるがれきの量は約2,490万トンになるとの試算を発表した。がれきの撤去は、国の負担で3年を目標に処理する方向性などが示されている。

 
約2,490万トンと試算されたがれきの量は、津波で倒壊・流失した家屋によるもので、自動車や船などは含まれていない。また、沿岸部だけのもので内陸部は含まれていない。行方不明者の捜索が続けられており、日々状況が変わる中で、「確定的に言える数値ではない」と環境省廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課の担当者は語る。

試算の内訳は宮城県が約1,600万トン、岩手県が約600万トン、福島県が約290万トン。3県の合計で、阪神・淡路大震災の災害廃棄物の量、約1,450万トンの約1.7倍となった。処理費用は、阪神・淡路大震災の3,400 億円を上回るのは確実とみられている。

 

仮置き場を設置し、撤去を開始

がれきなど災害廃棄物の処理について、宮城、岩手、福島県では、県と市町村、廃棄物処理業者や建設業者などの業界団体、国の関係機関が連携して処理を進めていくために、各県で災害廃棄物処理対策協議会を設置し、処理体制や計画づくりに向けて動き出している。東北地方の太平洋沿岸部という共通性はあるものの、被災した地域が広範囲で、被災状況をはじめ、産廃施設の状況なども異なるため、全体の処理量を見極めながら、地域の実情に即した計画を作っていくことになる。

がれきなどは、まず、住宅地に近い場所に設けられた市町村の一次仮置き場に集め、住宅地のがれきが片付いた後、二次仮置き場等へ移される。それから分別を経て、リサイクルや焼却・埋め立てによる処分が行われる。

宮城県の村井嘉浩知事は、3月28日に、県内のがれきは1,500~1,800万トンになるという見通しを発表。これは同県で1年間に排出される一般廃棄物の23年分に相当する。同県では、1年間で住宅地のがれきを撤去して一次置き場へ移し、2年目までに二次置き場へ移動、全体として3年程度でがれきを処理する計画だ。
 

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