被災地のがれき受け入れで専門家会議設置へ 関西広域連合
2012.1.27 00:47
関西広域連合は26日、大阪市内で委員会を開き、東日本大震災のがれき受け入れについて専門家会議を設置し、放射性物質の濃度の基準などを検討することを決めた。放射性セシウムは水溶性が高いとの指摘があるが、環境省は海面投棄でも「(処分場の)個別評価で安全性が確認できる」との見解を示しており、大阪市の橋下徹市長は「他の自治体に迷惑がかからないのならば、市単独での受け入れも考えたい」と述べた。
がれき受け入れをめぐっては、広域連合の参加団体のなかで大阪府だけがすでに指針を策定。大阪府の松井一郎知事の提案を受け、京都府の山田啓二知事が基準について検討する専門家会議の設置を提案した。
大阪府内では、焼却灰を投棄する最終処分地については、条件などから事実上、大阪市が管理する「北港処分地」(夢洲、大阪市此花区沖)と関西2府4県の自治体が出資する海面投棄型の「大阪湾広域広域臨海環境整備センター」(フェニックス)に限られる。
広域連合の専門家会議の結論を待てば、受け入れ時期が大幅に遅れるため、橋下市長は、一部陸地化している北港処分地での処分を検討することに言及した。
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東日本大震災で発生したがれきの受け入れをめぐり、大阪市の橋下徹市長は25日、「今必要なのは、パブリックコメント(意見公募)よりも放射性物質についての正確で冷静な情報発信だ」と述べ、住民の不安が根強い震災がれきの受け入れについて、改めて前向きな姿勢を示した。市議会民生保健委員会で答弁した。
橋下市長は「同じ日本国内の被災地が困っている。現地にがれきを全部置いたまま、西日本は何も支援しないというのはあり得ない」と強調。「安全性の確認は最重要課題で、市民に心配する声があることも分かっている。今やるべきことは冷静な議論と説明だ」と訴えた。
震災がれきの焼却灰の最終処分場について、大阪市内では此花区沖の人工島「夢洲」の北港処分地か、大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックス)の埋立処分場が想定されている。ただ環境省は、周辺海域への影響が懸念される海面埋め立てについては安全基準を示しておらず、橋下市長は「国などで安全性が確認されれば、府市統合本部で考え方を整理し、震災がれきを受け入れていきたい」としている。