南海地震の「長周期地震動」予測地図を公表 大阪などで強い揺れ
2012/01/13 2
南海地震が発生した場合に超高層ビルなどがゆっくり揺れる「長周期地震動」がどう現れるかを予測した地図を政府の地震調査委員会が13日、公表した。大阪市、奈良市、徳島市周辺で大きな揺れが予想され、大阪市内の人工島「舞洲(まいしま)」で最大の揺れ幅となった。
関連記事
長周期地震動は周期の長いゆっくりとした揺れのこと。大きな地震で発生し、あまり減衰せずに遠くまで伝わる。地盤の軟弱な平野部で増幅され、共振現象によって超高層ビルや石油タンクが揺れやすい。
建造物には共振しやすい固有の周期があり、30~50階建ての超高層ビルは3~5秒、直径60メートルの石油タンクは10秒とされる。昭和21年の南海地震(マグニチュード8・4)の地震動を解析し固有周期3、5、7、10秒の建造物に対する揺れの強さの分布を示した。
周期3秒の建造物の揺れ幅は舞洲で片側63・5センチと最大で、徳島阿波おどり空港(徳島県松茂町)は43・5センチ。自治体庁舎の所在地では東大阪市が56・2センチ、大阪府は30・3センチ、徳島、和歌山、奈良、三重の各県で20センチ以上となった。揺れの継続時間は大阪市などで5分以上と推定した。
ビルの頂部では2~3割増しで揺れる場合もある。周期が長くなると揺れは小さくなるが、大阪市と徳島市の周辺では7秒、10秒でも大きな揺れを予想した。
東海地震、東南海地震などの予測地図は平成21年に既に公表している。
東海、東南海、南海3連動M8・7想定 中部圏初の広域防災訓練 70機関参加
2012.3.13 11:33
東海、東南海、南海の3連動地震で大きな被害が予想される中部圏で、岐阜、静岡、愛知、三重の東海4県と長野県、国土交通省中部地方整備局、民間企業などが連携した地震、津波防災訓練が13日、名古屋港や開通前の新東名高速道路サービスエリア(SA)など7カ所で行われた。
県境をまたぎ、民間企業を交えた広域的な防災訓練は中部地方では初めて。東日本大震災を教訓に、3連動地震の防災対策を議論している「中部圏戦略会議」が主催し、70機関の約千人が参加。和歌山県の潮岬から南南東約50キロの海底を震源とするマグニチュード(M)8・7の3連動地震が発生し、震度7を記録する静岡県沿岸には10メートル以上、三河湾(愛知県)には8メートルの津波が襲うと想定した。
中部圏戦略会議は、訓練の結果などを踏まえ、今年10月をめどに「中部圏地震防災基本戦略」を最終的にとりまとめる方針。