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[転載]小鳥が丘土壌汚染アーカイブ(137)第20回裁判!その2(地裁)

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マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
l  (2010年(H22)7月7日、第一次訴訟(3世帯)、第20回口頭弁論準備手続き(進行協議)。)
 
 
小鳥が丘土壌汚染第20回裁判!(2)
 
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社
 
2010年7月7日(水)13時15分から岡山地方裁判所( 353号ラウンドテーブル法廷 )で第一次訴訟(3世帯)第20回口頭弁論準備手続きが行われました。
 
前回(第19回)裁判で、裁判官から原告(住民)主張を再度するようにとの要請を受けて提出した、2010年7月5日付け第一次訴訟(3世帯)原告(住民)準備書面の続きです。
 
 
第2 被告会社の土壌汚染の実態の認識
 
  1,被告会社は、本件旭油化に隣接する小鳥の森団地を昭和509月には造成を完了して販売を開始している(被告答弁書、請求の原因に対する認否3項)。
小鳥の森団地造成に際して、隣地の旭油化の操業の状況に関しては、当然にその現状について認識があったはずである。
被告会社は、第1で述べたとおり、旭油化の施設は、ほとんど屋根に覆われている状況になく、悪臭を周囲に放出し、川には油膜が張り、死んだ魚が浮くなどの環境への被害がみられていた。生活環境に大きな悪影響を与えていた。
こうしたことに地域住民、つまり小鳥の森団地を被告会社から購入して居住者となった人々らからも苦情が寄せられるようになった。
この非難は、旭油化に対してだけでなく、小鳥の森団地を造成して販売した被告会社にも向けられていた。
 
  2,昭和54年頃には、被告会社は、旭油化からの悪臭を根本的に解決するためには被告会社が本件土地を買い取り、旭油化の操業を停止させる以外に解決方法がないとの認識に至った。
つまり、この時点で既にいくら旭油化に対して、改善を要請しても実現される可能性はなく、悪臭問題を根本的に解決するにはもはやこの土地を被告会社において旭油化から買い取って、旭油化の操業の可能性をなくし、被告会社においてこの土地を活用できるようにするしかないとの判断にたったのである。
そして具体的に旭油化に対して行政指導を繰り返していた岡山県からの旭油化への働きかけもなされて、買い取りに向けて被告会社も強力に旭油化と交渉したが、買収金額について合意ができず、いったんは本件土地の買収交渉は頓挫していた。
このように、被告会社は、既に造成して販売もしてきた小鳥の森団地の隣地で旭油化は操業し、住民からその操業に伴う悪臭などの苦情が寄せられ、被告会社において対処の方法等について調査・検討の結果、この問題の根本解決のためには旭油化の土地を取得して旭油化の操業を止める以外にないとの認識に立っていた(甲3号証和解調書紛争の実情2項記載)。
 
  3,上記の買収が頓挫した後も、旭油化の操業は全く改善されることはなかった。
1項で記載したとおり、昭和48年には廃棄物処理法違反で書類送検されていたし、岡山市から悪臭と水質汚濁防止法に基づく施設改善勧告、命令などが繰り返しなされていたが改善の兆しはなく、被告会社としてもその根本解決に向けて本件土地買収の旭油化との交渉を続けてきていた。
こうした本件土地の汚染の実態、旭油化の遵法精神に欠け、汚染に対しても誠意をもって対応しない悪質な体質については被告会社は十分に認識があった。
そのような状況下において、昭和57727日岡山簡易裁判所において、被告会社と旭油化との間で、本件土地買収の和解が成立した(甲3号証)。
この和解は、当事者間で実質的に合意に達し、債務名義をとるためだけのために和解調書とした即決和解の手続きによってなされている。
こうして、被告会社は、悪臭問題の根本的解決の方法として、本件土地を旭油化から取得することを選択して実現した。
被告会社が本件土地を取得した目的は、この旭油化によって汚染されている土地を住宅地として造成し、販売する目的であった。
 
  4,上記和解の内容の概略は
  ア、旭油化は昭和571031日限り操業を停止し、同年1231日までに本件土地上の全ての建物及び地下工作物を撤去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及びアスファルト、土地上の油脂付着物を除去して明け渡す。
  イ、被告会社は、旭油化に対して建物除去費用、移転補償などとして6690万円を支払う。
  ウ、被告会社は、旭油化の工場跡地を一坪あたり6万円、その地上建物を400万円で購入する。
  という内容であったが、もともと上記明け渡し期限までに旭油化が建物、設備や廃棄物、油脂付着物などを撤去して明け渡すことは予定されてなく、被告会社は6690万円のイ記載の金額を旭油化に支払っただけで、土地建物の売買代金相当額と撤去されなかった場合の損害賠償額との相殺をして、本件土地を取得したのである。
まさに、汚染の実態については、少なくとも自らア記載の撤去、明け渡し作業をしなければならない当事者として本件の汚染の実態について正確に知っていたし、少なくとも直ちに容易に知りうべき立場にあったのである。
被告は、答弁書において「土壌汚染については知る由もなかった」と明らかに上記事実経過の中からは考えられない不誠実な答弁をしている。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2010年8月6日
小鳥が丘土壌汚染第20回裁判!その3(再)
 
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

転載元: 小鳥が丘団地救済協議会(土壌汚染被害)


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