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[転載]小鳥が丘土壌汚染アーカイブ(132)第19回裁判!その2(地裁)

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マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
l  (2010年(H22)5月25日、第一次訴訟(3世帯)、第19回口頭弁論準備手続き(進行協議)。)
 
 
小鳥が丘土壌汚染第19回裁判!(2
 
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社
 
2010年5月25日(火)11時00分から岡山地方裁判所( 353号ラウンドテーブル法廷 )で第一次訴訟(3世帯)第19回口頭弁論準備手続きが行われました。
 
前回(第18回)裁判で、裁判官から要請のあった予見可能性の問題を中心にした、2010年5月18日付け第一次訴訟原告(3世帯)準備書面を掲載します。
 
 
 
平成19年()第1352号 損害賠償請求事件
原 告  藤原 康 他2名
被 告    両備ホールディングス株式会社
 
準備書面
 
平成22年5月18日
 
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
 
原告ら代理人弁護士 河 田 英 正 
 
 
被告の不法行為責任について
 
1, 原告の本件土地造成前のすさまじい環境汚染の現状認識は、平成22年2月23日付原告ら準備書面 2項、3項に記載したとおりである。その外観的状況は、甲10号証の1ないし7の写真、甲13号証の航空写真のとおりである。
その汚染の客観的概要は、原被告の調査結果(甲4号証の1、2、甲6号証など)、裁判所の検証結果(乙21号証)などから明らかである。
そして、被告がこの土地を取得するにあたって、前所有者である旭油化が本件土地から汚泥・廃棄物など汚染物質を除去する能力も資金的余裕もなかったことは、被告は岡山簡易裁判所・昭和57年(イ)第61号事件(甲3号証)を通じて認識していた。
 
2, 不法行為の注意義務の内容
 
一、本来、本件のように汚染の激しい土地の宅地造成はするべきでなかった。宅地造成地としては不適格な土地であった。
1,記載の通りの事実認識のように、旭油化の操業によって地中深くまで土壌が汚染されていて、住宅地として造成すれば本件のようにその汚染物質が宅地造成された土壌全般に及び、造成地上に居住する住民に健康被害が発生することがありうることは容易に予見しえた。
旭油化の操業実績からその残留放置された汚泥などの汚染物質に健康を害する成分が含まれていたことは、十二分にわかっていたし、知りうべき事項であった。
 
二、汚染の激しく健康に被害を及ぼす危険のある本件土地を、あえて自ら取得して宅地造成するのであれば、汚泥などを完全に取り除いて健康に危険な汚染物質が土壌の表層にでてくることを防ぐに十分な汚染土壌を搬出したうえで客土を入れて、土壌が改めて汚染されることのないようにして造成工事をすべきであった。
しかし、「廃白土」「油脂付着物」が表層土の中からも発見されるなど、現実は表面にいくらかの客土をしただけの造成工事となっている。このようないいかげんな造成工事では、やがて油分など汚染物質が土壌全般に広がり、健康被害をもたらす結果の発生は容易に予見できたにもかかわらず、汚染土壌の一部を搬出し、石灰などを散布していた程度の対策しか講じていなかった。
 
三、被告が旭油化の汚染の実態をつぶさに認識していて、自らあえて取得して造成し、一、二、記載の経過をたどっている状況下において、それを宅地として原告らに販売する以上は、販売の際に本件各住宅地の履歴を説明すべきであった。
その汚染の実態と被告が取得し販売に至った経緯は、本件土地の重要事項であり、あえて「石鹸のにおいがしばらくするかもしれない」などとむしろきれいな物件であるかのごとく誤認させるような説明をしたりして販売する行為は虚偽の事実を述べ、あるいは事実を隠蔽して販売したものであり、不法行為を構成する。
本件販売した住宅地が、やがては土壌汚染が全般にひろがり、健康被害を及ぼすことになる結果の発生は予見可能であった。
 
四、一ないし三の経過をたどって販売された住宅地は、いつ汚染の広がりが現実のものとなるかもしれない危険にさらされていた。その事実を知らせないで販売したのであれば、その経過を慎重に見守り、汚染の有無、汚染の広がり、健康被害の発生などの調査を実施するなどして住民の安全を確保する義務があった。
造成後において、本件住宅地周辺において油臭や悪臭がいつまでたっても消えない状況が続いていた。
早期にその原因を調査し、汚染土壌の入れ替えなどの対策工事を実施していれば、本件のように広範囲な汚染を防ぎ、原告らの健康被害などの発生を生むことはなかった。
今回の汚染の事実が判明して直ちにその責任を認めて、原告らの本件被害申告に対応して損害が拡大しないようにしなければならなかったにも関わらず、被告は第三者的な対応に終始し、原告らは本件訴訟手続きによってしか損害の賠償を請求することができなくなった。
 
以上
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>
2010/5/31
小鳥が丘土壌汚染第19回裁判!その2(再)
 
 
[コメント]
まさしく、この一~四のことですよねぇ。
法律的にも、やはり工場跡地を売る場合には、地質調査等をする義務を設けないといけないと思いますねぇ。
2010/6/1() 午後 1:16 [ かじら ] さん
 
私の個人的な意見を言うと、不法行為の注意義務の内容の一~四のうち四、が一番許せません。
1~三は好意的に解釈すれば、人間や企業はだれでも間違いはあると見ることもできますが、四、については環境の重要性が認識されている最近のことであり、まして住民の健康という最も重要な問題が懸念されているにもかかわらず放置するのは言語道断です。
1~三を否認すれば、成り行きで四、も認める訳にはいかないと言う悪循環に陥っているのではないでしょうか。
真摯に対応する企業は、間違いがあっても評価されるものだと思います。
2010/6/1() 午後 5:58 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]
 
マイホームの土壌汚染問題で企業を相手に裁判を起こすことは、現状では一般庶民にとって困難を伴います。
法的整備は進んでなく、提訴してもいつになったら決着がつくのか、勝てるかどうかも分かりません。
大企業同士の裁判なら資金的にも時間的にも、さほど問題はないかもしれませんが、庶民がそれも企業を相手に裁判となると資金面はもちろん、裁判期間中の生活において相当の制約がかかり、いつまで忍耐を強いられるか分かりません。
また相手企業はそんな庶民の弱みにつけ込んできます。
それ故、「小鳥が丘」のような事例は全国に沢山あると思いますが、泣き寝入りせざるを得ないのではないでしょうか。
弱者救済の観点から、今後の法的整備を願望します。
そのためにも、このような不条理がまかり通らないよう多くの人に事実を知っていただく必要があると思います。
[pcg]さん、応援メッセージありがとうございます。
2010/6/1() 午前 11:43 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]
 
本日、最高裁で納得できない判決がでました。
売買時点で知らなかったから損害賠償はいらないという司法と一般常識が違うということではないでしょうか。
判決がどうであろうと自分たちが売った土地、建物で被害が出ているなら、裁判になる前に真摯に対応、対策するのが株式会社の常識ではないでしょうか。
会社も間違いや失敗はあります。
その後の対応や苦情処理がその会社の姿勢が出てくるものと思っています。
訴訟になる前に対応できない会社は今後信用されません。
2010/6/1() 午後 9:50 [ 弁護士と闘う!] さん
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>
<コメント>
 
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

転載元: 小鳥が丘団地救済協議会(土壌汚染被害)


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