燃やした灰などは、どのように処分されるの?
通常の生活ごみを燃やした灰と同様に、一般廃棄物の最終処分場で埋立処分されます。
埋立処分される灰は、放射性セシウム濃度が8,000ベクレル/kg以下のものです。8,000ベクレル/kgは、廃棄物を安全に処分するために法律で定められた基準値で、これ以下であれば一般廃棄物と同様の埋立処分ができます。この値はIAEA(国際原子力機関:International Atomic Energy Agency)も認めているもので、埋立処分場で作業する人であっても被ばく線量が1ミリシーベルト/年以下になります(年間1000時間労働を想定)。
さらに埋立処分が終了すると、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆います。これにより放射線の99.8%をさえぎることができるため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下になります。日本の自然の放射線量は、平均で1.48ミリシーベルト/年なので、この影響は無視できるほど十分に小さいことがおわかりいただけると思います。
がれきを燃やしたあとの灰を埋め立てると、セシウムなどの放射性物質が地下水にしみ出たりしませんか?
放射性セシウムの流出などを防ぐ埋立方法のため、地下水への影響はありません。
広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、一般廃棄物として通常通り処理していただけるものです。
また、焼却処理後の主灰については、放射性セシウムが水に溶出しにくいことが確認されています(溶出率5.6%;第9回災害廃棄物安全評価検討会 資料4-1参照)。飛灰については、放射性セシウムが水に溶出しやすい特徴があることが確認されていますが(溶出率64.1%;同上)、放射性セシウムは主灰中のものについても、飛灰中のものについても、同様に土壌に吸着されやすいという特徴があります。
そのため、焼却灰を埋め立てる際には、まず土壌層を敷き詰めること等により、より安定的に管理することができます(平成23年9月21日付け事務連絡「廃棄物最終処分場における焼却灰等の埋立処分について(注意喚起)」参照)。
また、焼却処理後の主灰については、放射性セシウムが水に溶出しにくいことが確認されています(溶出率5.6%;第9回災害廃棄物安全評価検討会 資料4-1参照)。飛灰については、放射性セシウムが水に溶出しやすい特徴があることが確認されていますが(溶出率64.1%;同上)、放射性セシウムは主灰中のものについても、飛灰中のものについても、同様に土壌に吸着されやすいという特徴があります。
そのため、焼却灰を埋め立てる際には、まず土壌層を敷き詰めること等により、より安定的に管理することができます(平成23年9月21日付け事務連絡「廃棄物最終処分場における焼却灰等の埋立処分について(注意喚起)」参照)。
広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低いものであるため、土壌層で十分吸着できると考えられます。また、万が一、最終処分場の浸出水に放射性セシウムが検出された場合には、ゼオライトに吸着させることにより、排水処理を行うことが可能です。
一方、災害廃棄物の処理における安全評価については、周辺住民が埋立終了後に受ける線量が年間0.01mSvとなるときの災害廃棄物の放射能濃度を、シナリオ評価により試算しています。ここでは、200m×200m×深さ10m = 40万m3の処分場に55万トンの災害廃棄物をそのまま埋め立てるという埋設処分シナリオを仮定しています。その結果、地下水経由の被ばく経路では影響が最も大きい「地下水利用の農作物摂取」でも、年間0.01mSvの追加被ばくに相当する災害廃棄物の放射能濃度は46,000Bq/kgと試算されました。
一方、災害廃棄物の処理における安全評価については、周辺住民が埋立終了後に受ける線量が年間0.01mSvとなるときの災害廃棄物の放射能濃度を、シナリオ評価により試算しています。ここでは、200m×200m×深さ10m = 40万m3の処分場に55万トンの災害廃棄物をそのまま埋め立てるという埋設処分シナリオを仮定しています。その結果、地下水経由の被ばく経路では影響が最も大きい「地下水利用の農作物摂取」でも、年間0.01mSvの追加被ばくに相当する災害廃棄物の放射能濃度は46,000Bq/kgと試算されました。
広域処理の対象としている災害廃棄物やその焼却灰の放射能濃度は、8,000Bq/kgを大きく下回る濃度になると考えられることから、地下水経由での健康への影響は無視できるレベルと考えられます。
広域処理することで、受け入れ先の住民の追加被ばく線量はどうなるの?
処理の工程で受ける年間放射線量は1ミリシーベルト以下。埋立終了後の年間放射線量は0.01ミリシーベルト以下となり、健康影響は無視できるレベルです。
被災地から送られてきたがれきを保管し、焼却し、埋め立てるという全工程において、その作業に従事する人(8000ベクレル/kgの放射能濃度のがれきや灰の最も近くにいる人が1000時間労働した場合)が受ける年間放射線量が1ミリシーベルト/年を下回ります。
広域処理の対象となるがれきは、放射性セシウムが不検出か、検出されたとしても、処理の過程で健康に影響をおよぼすことのない、低い濃度であることが確認されたものだけです。1ミリシーベルト/年は、一般公衆が受ける年間線量の限度として定められた値です。周辺の住民は、がれきや灰からの距離が作業従事者よりも離れているため、被ばく量はさらに少なくなります。
日本の自然の放射線量は、平均で1.48ミリシーベルト/年なので、この影響は無視できるほど十分に小さいことがおわかりいただけると思います。
※焼却灰の埋立終了後は、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆うため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下になります。
がれきの放射能濃度が基準値以下でも、大量に受け入れて処理した場合、健康被害がおこったりしないか心配です。
大量のがれきを受け入れ、焼却し、その焼却灰を埋め立てたとしても、健康被害をおこすような追加被ばくはありません。
仮に埋立容量が40万㎥の処分場全体に8000ベクレル/kgの災害廃棄物の焼却灰55万トンを埋め立てた場合について、その処理工程における作業員や周辺住民が受ける被ばく線量および放射線量を計算したところ、年間1ミリシーベルト/年以下となります。
また、焼却灰の埋立終了後は、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆うため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下となり、健康への影響を無視できるレベルです。
また、焼却灰の埋立終了後は、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆うため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下となり、健康への影響を無視できるレベルです。
受入れを行っている自治体の受け入れ量など:http://kouikishori.env.go.jp/results/pdf/results_jichitai_20120605.pdf
安全性の基準はセシウムでつくられていますが、ストロンチウムやプルトニウムなど他の放射性物質は調べなくていいの?
がれきの安全性を評価するにあたり、セシウム以外の放射性物質の影響は放射性セシウムにくらべて非常に小さいことから、放射性セシウム濃度を基準にしています。
福島第一原発周辺の放射性物質の拡散状況の測定結果、また、福島県内の焼却施設における排ガスや焼却灰の測定結果から、セシウム以外の放射性物質の影響は、放射性セシウムにくらべて非常に小さいことがわかっています。よって、事故由来の放射性物質に汚染された廃棄物の処理にあたっては、放射性セシウムの影響に着目して安全評価基準をつくっています。
<参考1>
文部科学省によるプルトニウム、ストロンチウムの核種分析によって、福島第一原発から80km圏内におけるプルトニウム238、239、240およびストロンチウム89、90の拡散状況が確認されました。その結果、「セシウム134、137の50年間積算実効線量(50年間被ばくし続けた場合の積算線量)にくらべて、プルトニウムやストロンチウムの50年間積算実効線量は非常に小さいことから、今後の被ばく線量評価や除染対策においては、セシウム134、137の沈着量に着目していくことが適切である」とされています。
文部科学省によるプルトニウム、ストロンチウムの核種分析によって、福島第一原発から80km圏内におけるプルトニウム238、239、240およびストロンチウム89、90の拡散状況が確認されました。その結果、「セシウム134、137の50年間積算実効線量(50年間被ばくし続けた場合の積算線量)にくらべて、プルトニウムやストロンチウムの50年間積算実効線量は非常に小さいことから、今後の被ばく線量評価や除染対策においては、セシウム134、137の沈着量に着目していくことが適切である」とされています。
「プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について」(平成23年9月30日文部科学省)
<沈着量の最高値が検出された各箇所における50年間積算実効線量>
セシウム134: 71ミリシーベルト
セシウム137: 2000ミリシーベルト
プルトニウム238: 0.027ミリシーベルト
プルトニウム239+240: 0.12ミリシーベルト
ストロンチウム89: 0.0006ミリシーベルト
ストロンチウム90: 0.12ミリシーベルト
(参考)日本の平均一人当たりの年間放射線量 1.48mSv/年
セシウム137: 2000ミリシーベルト
プルトニウム238: 0.027ミリシーベルト
プルトニウム239+240: 0.12ミリシーベルト
ストロンチウム89: 0.0006ミリシーベルト
ストロンチウム90: 0.12ミリシーベルト
(参考)日本の平均一人当たりの年間放射線量 1.48mSv/年
<参考2>
福島県内の一般廃棄物焼却施設において、生活ごみのみの焼却を行っている状態、および生活ごみと災害廃棄物を混焼した状態で、焼却灰・排ガス等の放射能濃度を測定した結果、ヨウ素131、ヨウ素132、テルル129m、銀110mについては、セシウム134、セシウム137に比べ安全面での影響が十分に小さいものでした
福島県内の一般廃棄物焼却施設において、生活ごみのみの焼却を行っている状態、および生活ごみと災害廃棄物を混焼した状態で、焼却灰・排ガス等の放射能濃度を測定した結果、ヨウ素131、ヨウ素132、テルル129m、銀110mについては、セシウム134、セシウム137に比べ安全面での影響が十分に小さいものでした
8,000ベクレル/kgという基準以外に、100ベクレル/kgという基準もあると聞きました。違いについて教えてください。
8,000ベクレル/kgは「廃棄物を安全に処理するための基準」であり、100ベクレル/kgは「廃棄物を安全に再利用できる基準」です。
8000ベクレル/kgという基準は、埋立終了後に処分場の周辺にお住まいの方が受ける年間放射線量が0.01ミリシーベルト/年以下になり、かつ、災害廃棄物の処理・処分において、最も被ばくすると想定される人(廃棄物の埋立処分などに従事する作業員が年間1000時間作業した場合)でも、その年間被ばく線量が、一般公衆の線量限度である1ミリシーベルト以下になるように設定された数値です。
100ベクレル/kgという基準は、災害廃棄物を再利用した場合、その製品などによる年間被ばく線量が0.01ミリシーベルト/年以下になるように設定された数値です。
100ベクレル/kgという基準は、災害廃棄物を再利用した場合、その製品などによる年間被ばく線量が0.01ミリシーベルト/年以下になるように設定された数値です。
自分の自治体が知らないうちに、勝手にがれきが運び込まれてしまうことはありませんか?
ありません。がれきが発生した市町村以外でがれきを処分する場合には、搬出側の市町村から受入側の市町村へ事前に通知を行うことが必要です。
なお通知は、口頭ではなく書面で行うことが、「一般廃棄物の処分等の委託基準の遵守等について」(平成13年8月23日付け環廃対325環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長通知)にて示されています。
受け入れたがれきを処理する過程で、基準値をこえる放射能濃度が検出された場合は、どうするの?
国が責任をもって処理します。
広域処理の対象としているがれきの放射性セシウム濃度は、不検出または低いレベルのため、焼却灰に濃縮されても8,000ベクレル/㎏をこえることはありません。しかし万が一、8,000ベクレル/㎏をこえた場合は、放射性物質汚染対処特措法にもとづいて指定廃棄物に指定し、国が責任をもって処理します。
がれきを受け入れたことで風評被害にあった場合、政府は責任をとってくれるの?
風評被害については、未然防止に最善をつくします。
がれきの広域処理の対象としているのは、放射性セシウム濃度が不検出または低いものに限っており、科学的にも安全に処理できることが確認されています。
このため、本来は風評被害が生じるような性格のものではなく、環境省としても、安全性について説明に万全をつくします。また、放射線量の測定データなど、各種メディアを活用した積極的な広報、がれき受け入れの先行事例における実績の情報発信など、広報活動を進めているところです。万が一、風評被害による損害が生じた場合は、ご相談のうえ、国として責任をもって、これを回復するための可能なかぎりの対策を講じます。