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もやい植樹祭:150人が笑顔で森づくり--水俣 /熊本

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もやい植樹祭:150人が笑顔で森づくり--水俣 /熊本

 水俣市の「実生(みしょう)の森」で20日にあった「もやい植樹祭」には小学生から大人まで、海外からのボランティアを含め約150人が参加した。水俣湾を望む会場の水銀埋め立て地での森づくりは95年に始まったが、木々が根づき始めたのは数年前からという。「森を大きく育てて、水俣の環境再生を発信しよう」。こんな思いを胸に参加者は笑顔でスコップを握った。【西貴晴】

 ◇環境再生を発信

 午前11時前からあった植樹では、国際的な森林生態学者で国内外で森づくりを指導している宮脇昭横浜国立大名誉教授(83)が「植えた木は次の氷河期が来るまで9000年は残る。皆さんの心の中に木を植えるとともに、水俣のノウハウを世界に発信してください」とあいさつした。
 参加者は10班に分かれ、高さ50センチ前後まで育ったカシやシイ類など900本の苗を次々と植え、ワラをかぶせた。作業が終わると、地元婦人会が作った豚汁やおにぎりを芝生の上で味わった。
 水銀埋め立て事業は90年に完了した。水銀ヘドロの上にシートを敷き、4メートルの厚さで土をかぶせている。森づくりに当初から携わった植樹祭実行委員の椎葉昭二さん(84)はあいさつの中で「水はけが悪く、植えては枯れの試行錯誤を繰り返して、ようやく木が育つところまで来た。森が残っていくことに感謝したい」と語った。
 植樹祭のタイトルの「もやい」は船同士をつなぎとめる意味だが、水俣では水俣病で崩れた地域社会のつながり再生を目指す意味で使われている。実行委員長で、水俣市内で和紙工房を営む金刺潤平さん(52)は「埋め立て地に新しい命が芽生える場所を、という水俣病患者の思いに応えようと植樹を続けてきた。今日は患者以外にこれだけ多くの市民が参加してくれてうれしい」と話していた。

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