福島原発近くで働く家族が帰宅するときに気をつけることはありますか。
現場内では放射線防護服を着て、現場から出るときは除染しますが、いわきの事務所・住居から東京の自宅に戻る時も、乳幼児のために何らかの対策… ・外で着替えてから家に入る ・主人が帰任時に着ていたものなどは別の洗濯機で洗う ・主人と子供はお風呂に一緒に入らない など自主的な配慮が必要でしょうか。或いは、気にしなくて大丈夫でしょうか。
12月10日の福島県の各地点の空間線量率の測定結果が福島県のホームページに載っています(参考)。この結果によると、最も線量が高い地域は県北地方の福島市であり1.0μSv/h程度、いわき市はその10分の1程度です。
質問を読むと、ご主人の作業現場での放射能汚染の管理はしっかりされているように見受けられます。現場作業により、ご主人がなにか放射性物質を衣服等につけて持ち帰られる可能性は小さいように思います。
また、現場作業を終えたあと、いわき市にすんでいるだけで衣服に放射性物質が付着する可能性も小さいように思います。
したがって、・外で着替えてから家に入る、・主人と子供はお風呂に一緒に入らないなどは不必要と思います。むしろ、お父さんと子供さんが一緒に風呂に入ってスキンシップをとることの方が、放射能のごくわずかな危険性を考えるよりも余程重要と思います。ここのところをよくお考えいただきたいと思います。
ですが、もしも気になるようでしたら、ご主人が帰任時に着ておられたものは、別の洗濯機でなく、別に洗濯する程度のことをされてはどうでしょうか。
放射性物質を含む汚泥について教えてください。
日本国内で放射性物質に影響を受けた汚泥肥料がどのように使われているかわからず、不安がつのります。どのような状況かをご教示いただけたら幸いです。
ご指摘の通り、高濃度の放射性セシウムを含む汚泥肥料が農地に使用されれば、土壌が汚染されます。そのため、現在では肥料に使用する汚泥について暫定基準値が設けられ、200(Bq/kg)以上の汚泥は使用されないことになっています。基準値を超えた汚泥については、保管などの措置が取られ、市場に出回ることはありません。
汚泥肥料については、以下の農水省のWebサイトにおいて、一般向けの基礎知識がまとめられておりますのでご参考ください。
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/odei_qa.html#q15
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/odei_qa.html#q15
取り除いた土や除染について教えてください。
松戸市に住む者です。
雨水を貯めている桶の下から取り除いた土のことです。
ビニール袋三重にして、口を縛り家の裏に置いてありますが、本日時間をかけて計ってみました。
三重の袋の上からでも、1.661~1.559マイクロシーベルトあります。
どのような袋に入れておけばよいのでしょうか。
また、除染した後の桶の下もまだ、0.671~0.5574位あります。
もっと、土を取る必要があるでしょうか。
屋根付きの駐車場のコンクリ部分も0.6前後あります。
高圧洗浄機等での除染が必要ですか。
取り除いた土を3重の袋に入れる事によって、放射性物質が外に漏れる可能性は大幅に低くなりました。
ですが、土から出ているガンマ線と呼ばれる放射線は、ビニール袋を通過してしまいます。ガンマ線を遮るには、鉛などの重い金属が有効ですが、重い金属はそれ自体毒性があり、運搬の際に思わぬ怪我をする危険性もあります。
そこで、放射線から身を守る為に考える事は、最終的に皆様が被ばくする量を少なくする事です。そのためには、放射線から距離を離れる事、放射線に近づく時間を少なくする事が重要です。人が近づきにくいご自宅の裏側などに保管されているのは良い判断だと思います。
次に、桶下の土をさらに取り去る必要性ですが、質問内容からだけでは詳しい状況は分かりかねますが、樋の下の土はどれくらい除去されたのでしょうか。表面の数センチくらいなら、もう少し深くまではぎ取れば線量の減少は期待できますが、大部分の放射性物質は取り去られた土に含まれていると考えられるので、これ以上の土に除去による放射線量の大きな低減は期待できないと推測します。
樋の下だけでなく、樋に沿って測定してみて下さい。駐車場のコンクリート同様、桶の素材に放射性物質が付着している可能性があり、高圧洗浄機などで洗い落とさないと放射線量は低減しないと思われます。