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[転載]JR事故から1ヶ月 もう忘れましたか?

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JR事故から1ヶ月 もう忘れましたか?

 JR福知山線脱線事故から1ヶ月が経過した。現場では、「悲惨な事故を二度と起こすことのないよう、JRが生まれ変わることを誓います」と垣内剛社長が言ったようだが、まず間違いなくJRの本質が変化することはあり得ないだろう。
 社長がどうとか、経営陣がどうとかという問題ではない。これは、国と財界の基本方針なのである。事故で頭を痛めているのは、JR西日本や遺族だけではない。多くの政治家と財界の金持ち連中が「つまらぬことにならなければ」と、心配しているように思う。と、私はそのどちらでもないので推測でしか言えないことだが・・・。

 巷で起こる事柄のほとんどは、いろいろな事情が複雑に絡み合っていて、誰が悪い、誰が正しいと、言い切れるものは少ない。国際関係は特にそうだ。しかし、JRは以外とスッキリとした粗筋があるのだ。年配の方は「アアあれか」と納得するはずだ。

 国鉄の民営化のもっとも重要な目的は、労働組合潰しである。あれは「革マルだ」、「公僕はストをしてはいけない」と、マスコミを使った世論煽動の果てに民営化を果たした。この世論のはての民営化が残したものは何だったろうか。運賃は安くなったのか?国民に何が返ってきたのか?。JRで生活は便利になったのか?。安全な交通機関になったのか?。
 民営化の生み出したものは、JR労働者のプライドを奪い、恐怖で締め付け、数秒のミスで5万十万の賃金カットをする。ここまで冷酷に社員を締め付けられるのかと、経営者の神経が想像できない。こんな経営を行っていると、会社に破綻が訪れるのは目に見えている。労働者への締め付けで利益など産むはずがない。

 民営化は、国鉄労働運動の余波を恐れた財界と当時の自民党の、大きな方針である。この方針は、100名程度の死者で揺らぐことなど無いし、1万人死んでも揺るがないだろう。ようするに、社会党を潰し、共産党を骨抜きし、せっかく自民党と民主党という、中身の大差ない政党にしたばっかりのこの時期に、自らの収益構造を揺るがす労働運動の芽さえ伸びることは許されないことなのである。

 安全を確保する唯一の方策は、実質的に運行を支えている現場労働者の誇りを育てることである。闘争が楽しいから労働運動をするわけではない。公共交通を守るための戦いなのだ。自らの生活を守らなければ公共の仕事も守れないからだ。しかし、今はそういう労働運動はJRには残っていない(憤慨する組合もあるだろうが、今回の事件に一矢報いてからにしてもらいたい)。
 きっと、時期が経てば、旧国労の「実態」や、民営化擁護のマスコミの世論作りが始まるだろう。「民営化して良かったのだ」と。

 郵政民営化が間近に控えている。郵政民営化と労働運動は現在は繋がっていない。すでに全逓は弱体化しているのでその必要はない。しかし、民営化のもたらす結果は、近いものがあるだろう。郵便物が線路の上を走るわけではないので、直接「安全」に繋がるものではないが、もっと大変な影響を国民にもたらすものと思われている。(だから、自民党内でももめているのだ)。
 JRの今回の事件は、国民に重要な問題提起をした。しかし、気づいている人、切迫感を持つ人の声は、小泉政権の田舎芝居にかき消され、日本はもっと深い危機に沈み込んでいくのだ。(y)

転載元: びんぼう人のぼやき


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