海洋環境の現状
近年、外国由来のものを含む漂流・漂着ごみによる、海岸機能の低下や生態系を含めた環境・景観の悪化、船舶の安全航行の確保や漁業への被害などの深刻化が指摘されています。
日本周辺の海洋環境の経年的変化を捉え、総合的な評価を行うため、水質、底質等の海洋環境モニタリング調査を実施しています。平成20年度は、東京湾から房総・伊豆沖合等沖において調査を実施した結果、PCBやダイオキシン類など比較的高い濃度で検出された物質が一部ありましたが、底質の暫定除去基準値(PCB)及び環境基準値をはるかに下回っており、人の健康に影響を及ぼすおそれはないと判断しています。今後も引き続き定期的な監視を行い、汚染の状況に大きな変化がないか把握していくこととします。
なお、海洋環境モニタリング調査結果のデータについては、独立行政法人国立環境研究所が整備した「環境GIS」で公表しています。(海洋環境モニタリングマップ(環境展望台:国立環境研究所)(別ウィンドウ))
最近5か年(平成19年~23年)の日本周辺海域における海洋汚染(油、廃棄物、赤潮等)の発生確認件数の推移は図4-1-28のとおりです。平成23年は391件と22年に比べ86件減少しました。これを汚染物質別に見ると、油による汚染が256件で前年に比べ44件減少、廃棄物による汚染が91件で前年に比べ35件減少、有害液体物質による汚染が3件で前年に比べ3件減少、赤潮による汚染が12件で前年に比べ3件増加、青潮による汚染が4件で前年に比べ1件増加、その他(工場排水等)による汚染が25件で前年に比べ8件減少しました。
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