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死因は鳥インフル? 北から漂着5遺体の「謎」

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死因は鳥インフル? 北から漂着5遺体の「謎」

産経新聞 12月9日(日)19時43分配信
死因は鳥インフル? 北から漂着5遺体の「謎」
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新潟県佐渡市の真野湾に漂着した木造船から遺体を運び出す新潟県警、海上保安庁の捜査員ら=11月28日午後、佐渡市(酒川善一さん撮影)(写真:産経新聞)
 11月28日、新潟県佐渡島に木造船が漂着し、北朝鮮漁民とみられる5人の遺体が収容される出来事があった。その後、このニュースに関してはほとんど報じられていないが、謎(なぞ)も多い。日本政府関係者によると、5人は鳥インフルエンザによる死亡者ないし罹患者で、北朝鮮から船で“放出”された可能性があるという。あっさり「漁民の遭難」で片づけられるような話ではない。

【フォト】 「スパイに違いない」…北の不審船騒動で揺れた隠岐島

 新潟県警や第9管区海上保安本部(新潟)の発表などによる概要はこうだ。

 11月28日午前7時ごろ、佐渡市大小の真野湾の海岸で、岩場に木造船が打ち上げられているのを地元の漁師が見つけ、市役所に連絡した。通報を受けた新潟県警佐渡西署員が船内から5人の遺体を収容した。いずれも成人男性で、遺体は一部白骨化し、死後1カ月以上経過しているとみられる。

 ハングル文字が並ぶ船は全長約13メートル、幅最大約3・5メートル。船尾が破損し、エンジンはなかったが、捕った魚を保管するスペースがあった。遺体は雨具とみられるビニール製のズボンをはき、船内に長靴があった。船の状態などから北朝鮮の漁民が遭難して漂着したものとみられる。背景は、「脱北」や軍事、諜報の目的ではないもようだという。

 北朝鮮船をめぐっては、島根県隠岐の島町沖で今年1月、木造船から北朝鮮男性3人と1遺体が見つかった。男性らは「漁の途中にエンジンが故障した」と説明した。昨年9月には石川県の能登半島沖で小型船に乗った脱北者の男女9人を保護した。平成19年6月にも青森県深浦町に脱北した家族4人が漂着した。

 今回、佐渡に漂着した5人の遺体はその後、新潟県警に「身元不明死体」として処理されたようだが、過去のケースと比べて「特異な事案」といえそうだ。

 ささやくのは、事情を知る政府関係者だ。

 「公表されていない事実だが、5人の遺体の腐乱状況はバラバラで一部に白骨化したものあり、それぞれの死亡推定日はかなりのずれがあった。そもそも1ヶ月以上、白骨化するまで漂流するわけがないし、佐渡の漂流場所も普通漂着するエリアとは明らかに違う」

 では、死因は何と考えられるのか…。前出の政府関係者が言葉を継いだ。

 「調べによると、5人は鳥インフルエンザにかかっていたとみられ、北朝鮮の人間が謎の伝染病を村から追い出そうと、死者と罹患者を船で流した可能性がある。遺体の1人は全裸状態だったというから、死亡してから船に乗せられたのだろう。船にあった漁具は偽装の可能性があり、漁船の遭難ではない。新潟県警も、マスコミの注目が少ないからから必要以上の広報をしていないだけだ」

 今月1日にも、佐渡島周辺に木造船(全長10メートル)が漂着し、成人とみられる男性1人の遺体とイカ釣りが発見された。これまた、北朝鮮の漁船と推定されている。

 北朝鮮は10~22日の間に「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルを発射すると予告し、世間の耳目はそりらに集中している。北に「あばよくは日本に伝染病を…」という目論みがあったかもしれない、謎多き「漂流事件」はかくして闇に消えていく運命にある。(政治部編集委員 高木桂一)
最終更新:12月10日(月)1時46分
 

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