入浴中の急死1万7千人 65歳以上、全国推計
2013.2.2 18:57[病気・医療]
高齢者が自宅などで入浴中に意識障害を起こしておぼれたり、脳卒中や心筋梗塞を発症したりして急死するとされる「入浴関連死」が、全国で年間約1万7千人に上るとの推計を東京都健康長寿医療センター研究所が2日までにまとめた。
入浴中の急死は冬場に多発。温度差による血圧の急激な変化が原因と指摘されるが、実態はよく分かっていない。熱中症も原因の一つと言われており、厚生労働省は、具体的な発症要因を探り防止策につなげようと実態把握を進める方針だ。
調査は、寒冷地では入浴死のリスクが高まると指摘されることから、東日本を対象にした。
同研究所の高橋龍太郎副所長によると、冷え込んだ脱衣所や浴室では急に体温が奪われ血管が縮んで血圧が上がる。湯船に入った直後も熱さが刺激となって血圧が上がり、その後は血管が広がって急速に下がる。こうした血圧の急変動が意識障害の引き金になり、おぼれる恐れがあるという。脳卒中などの発症につながるほか「湯に長く漬かることで熱中症もあり得る」とする。