【新唐人2013年1月16日付ニュース】最近、中国の中部・東部地域の20近い省で連日、スモッグが現われ、14日、中央気象台は、この天気は16日まで続くと警報を出しました。この大気汚染によるスモッグは、既に市民の健康に甚大な影響を及ぼしています。現在、北京だけでもおよそ1万人の児童が病院で受診し、うち3割が呼吸器の疾病だそうです。
ここ1週間、中国の中部・東部地域の20近い省で濃い霧に見舞われています。このいわゆる霧は、直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の無数の超微粒子から成っており、PM2.5と呼ばれています。この物質は大量の有毒物質を帯び、肺から直接体内に入り、さらには血液にまで浸透するため、人体に甚大な悪影響を及ぼします。
北京市環境保護観測センターが提供したデータによると、1月12日、北京市内の大気中のPM2.5濃度は、最高で1立方メートルあたり993マイクログラムに達し、1日平均の濃度は国際標準の7倍にもなりました。
北京気候エネルギー環境保護弁公室 周嵘主任
「この濃度が確かに非常に高くなったから、このような結果が出たのです。500µgを超えると、人体に危害があり、なるべく家にいて、外出しないことです」
データからすると、北京の大気指数は428にも達し、汚染等級は6級の重大汚染となっています。
北京気候エネルギー環境保護弁公室 周嵘主任
「一般的には汚染指数が150~200に達した時、一部敏感な人、例えば年配者や子供に健康上の影響があるので、相応の防護措置を取る必要があります。汚染がひどい時に、言えることはなるべく外出を控えることです。3~4級でも深刻です」
深刻な大気汚染は、既に人体に甚大な危害を与えています。しかし、北京市民はこうした天気に既に慣れてしまったかのようで、普段通りの生活を送っています。ただ視覚的に不便になったと感じるぐらいで、身体の健康についてはあまり深く考えていないようです。一方、当局によるこの面に関する警告は、今まではありませんでした。全国的に広範囲でスモッグが出なければ、多くの人はPM2.5が一体何を意味するのかさえ知らなかったのです。
北京の大気汚染が、WHO(世界衛生機構)や各国メディアの関心を受けて、中国当局はやっと外出や激しい運動を避けるよう公に勧告。しかし、大気汚染による危害に対する実際の防護対策は未だに取られていません。
2012年12月18日、国際環境保護団体“グリーン・ピース”と“北京大学公共衛生学院”が共同で発表した研究報告書によると、2010年、北京、上海、広州、西安でPM2.5汚染によって早死にした人数は7,770人に上りました。もし2012年にもこの4都市の大気品質が改善されなければ、大気汚染が原因で早死にする人数は8,572人に上り、経済的損失は68億元に上るだろうと指摘しました。
現在、大気汚染の範囲はさらに拡大しています。中央気象台は1月13日、スモッグは拡散を続け、その影響は数十の都市に及ぶだろうと予測しました。
中国の政府系メディアも、全国74の観測都市のうち、33都市の大気品質が“重度汚染”に達していると報道。この大気汚染が人体に及ぼす危害が、徐々に明らかになっています。スモッグに覆われた地域の病院の受診者数が大幅に増え、中でも呼吸器感染者が大多数を占めているのです。人々は防護マスクをして外出せざるをえなくなりました。
専門家の指摘によると、中国は都市化プロセスを加速して経済発展を推進するため、大々的な自然破壊と、エネルギーの永久的な消耗を行ったことにより、修復不可能な環境汚染を招いてしまいました。最も恐ろしいことは、共産党当局がこのような環境汚染を放置したため、汚染は年を追って悪化し、既に民衆の健康に危害を与え始めたことです。
WHOの報告によると、世界で汚染が最も酷い20都市のうち、中国の都市が16を占めています。当局のデータでは、毎年大気汚染による死亡者数は35万8,000人に上っています。
実際、中国の大気、水、土壌は既に極めて深刻な汚染に見舞われ、全ての人々の生活に影響を与えています。しかし、共産党当局が依然として深刻な汚染の現状および人体に与える危害を隠蔽し、民衆を部外者の立場に置いているため、中国の民衆は既に危機に瀕しながら、それに気づかないのです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/01/15/atext830905.html. (中国語)
(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)