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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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公害被害体験地・水俣市における雇用創出と福祉の連携に関する研究

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設立から10 年を超えた
「もやい直しセンター」3 館について事業概要・運営・
課題等について調査した。
水俣市内の2 ヶ所は、水俣病やもやい直しを前面
に掲げた催しは年々減少傾向にあるが、文化事業活
動や福祉サービスの拠点として活用さている。芦北町
きずなの里は、複合施設であり地域の福祉や保健の
拠点となっている。「もやい直し」や水俣病に関して単
独の企画は少なかった。
一方で水俣病患者団体支援者からは誰でも気軽
に集まり利用できる場としての「もやい直しセンター」
を要望したが、複合施設であることもあって住民は福
祉サービスだけを受けるための施設になっており、誰
もが利用できる施設ではないという指摘もあった。
「もやい直しセンター」は、「もやい直し」(地域融
和)だけではなく多機能施設として福祉・保健・健康、
文化社会施設等、多くの役割を担っていた。
運営担当者からは、「もやい直しは社会実験みた
いなものであり、どのように取り組めばいいのか社会
の影響を受けて取り組んでいる状態」という意見もあり、
「もやい直しセンター」が多機能を果たしていることも
あり明確な定義がなく、運営担当・行政、水俣病患者
支援団体の間に「もやい直しセンター」の活用に認識
の違いがあった。
 
 
 
 
 
 
考察
 今回のアンケートとグループヒアリング等から、中心市街地の活性化に関して、行政が重点的に取り組もうとしている空店舗対策について、商店街側も最重要課題であると認識していることがわかった。
 しかしながら、行政が空店舗の「予防対策」である後継者問題に力を入れようとしているのに対して、商店街側は現在シャッター化している他店舗をどうにかしてほしい、という「現状改善」の補助事業を望んでおり、具体的な対策のイメージには開きがあった。
 行政が、後継者不足解消のために、後継者あっ旋事業を立ち上げようとしているのに対して、この事業を利用したいという店主が殆どいなかった。

 後継者斡旋事業に限らず、両者の開きを解消しないまま行政主導で対策を講じたり、商店街の行政依存体質のまま補助事業を行ったりしても、期待される効果が少ない可能性がある。
 そのために過去の施策や補助事業の効果を評価することが重要である。その上で、そもそも中心市街地の活性化は、市全体の公益に鑑みて重要であるのかどうか、当事者も含めた何らかの合意形成が必要である。
 また、中心市街地の公共性が市民に認められた場合、「公共空間」としてどういう方向でまちづくりに取り組んでいくことが望ましいのか、探っていく必要がある。
 水俣市には、水俣の山間部の地域興しで実績を上げている地元学の取組みがあるので、それを参考に、高齢者からの聞き取り調査、歴史資源・地域資源の発掘、人材育成等を中心とした地道な取り組みをしてい
くことで、中心市街地活性化の突破口になる可能性がある。

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