○益田市行政情報公開条例
平成11年1月5日
益田市条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第2条の2)
第2章 行政文書の開示(第3条―第16条)
第3章 不服申立て(第17条―第21条)
第4章 審議会等の会議の公開(第21条の2)
第5章 補則(第22条―第24条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市の保有する行政文書が公共の財産であることにかんがみ、行政文書の開示に関し必要な事項を定めることにより、行政運営の公開性の向上を図り、もって市政の諸活動を説明する責務が全うされるようにするとともに、行政等の監視と市民参加の充実に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによるものとする。
(1) 実施機関 市長、公営企業管理者、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
(2) 行政文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 一般に容易に入手することのできるもの又は一般に利用することができる施設において閲覧に供されているもの
イ 図書館等において歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別に保有しているもの
(3) 開示 閲覧に供し、又は写しを交付することをいう。
(適正な請求及び使用)
第2条の2 この条例の定めるところにより行政文書の開示を請求しようとするものは、この条例の目的に即し、適正な請求に努めるとともに、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。
第2章 行政文書の開示
(開示請求権)
第3条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関の長に対し、行政文書の開示を請求することができる。
(請求手続)
第4条 行政文書の開示を請求しようとする者は、実施機関の長に対し、請求に係る行政文書を特定するために必要な事項その他所定の事項を記載した書面を提出しなければならない。
(開示義務)
第5条 実施機関の長は、行政文書の開示の請求(以下「開示請求」という。)があった場合は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されているときを除き、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、当該行政文書を開示しなければならないものとする。
2 開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、当該部分が当該部分を除いた部分と容易に区分することができるときは、実施機関の長は開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いて開示することが制度の趣旨に合致しないと認められるときは、この限りでないものとする。
(不開示情報)
第6条 前条に規定する不開示情報は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 益田市個人情報保護条例(平成4年益田市条例第18号)に規定する個人情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令の規定により又は慣行として公にされている情報又は公にすることが予定されている情報
イ 氏名その他特定の個人が識別され得る情報の部分を除くことにより、開示しても保護される個人の利益が害されるおそれがないと認められることとなる部分の情報
ウ 公務員の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員の職に関する情報
エ 人の生命、身体、健康、財産又は生活を保護するため、開示することがより必要であると認められる情報
(2) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、当該法人等又は当該個人の事業活動によって生ずる人の生命、身体若しくは健康への危惧又は財産若しくは生活の侵害から保護するため、開示することがより必要であると認められるものを除く。
ア 開示することにより、当該法人等又は当該個人の競争上の地位、財産権その他正当な利益を害するおそれのあるもの
イ 実施機関からの要請を受けて、公にしないとの約束の下に、任意に提供されたもので、法人等又は個人における常例として公にしないとされているものその他の当該約束の締結が状況に照らし合理的であると認められるもの
(3) 開示することにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある情報
(4) 開示することにより、犯罪の予防等公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある情報
(5) 実施機関内部又は実施機関相互の審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 監査、検査、取締り、訴訟、交渉、契約、試験、調査、研究、人事管理、事業経営その他実施機関の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあるもの
(裁量的開示)
第7条 実施機関の長は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報の規定により保護される利益に優先する公益上の理由があると認めるときは、第5条及び前条の規定にかかわらず、開示請求者に対し、当該行政文書を開示することができるものとする。
(行政文書の存否に関する情報)
第8条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか、又は存在していないかを答えるだけで、不開示情報の規定により保護される利益が不開示情報を開示した場合と同様に害されることとなるときは、実施機関の長は、開示請求に係る行政文書の存在を明らかにしないで、請求を拒否することができるものとする。
(開示請求に対する措置)
第9条 開示請求に係る行政文書を開示するときは、実施機関の長は、開示の決定をし、開示請求者に対し、書面で、その旨及び開示の実施に関し必要な事項を通知しなければならない。
2 開示請求に係る行政文書を開示しないときは、実施機関の長は、請求拒否の決定をし、開示請求者に対し、書面で、その旨を通知しなければならない。
3 前条の規定により請求を拒否するとき、及び開示請求に係る行政文書が存在しないことその他の理由により請求を拒否するときも、前項と同様とするものとする。
(開示等決定の期限)
第10条 前条に規定する決定(以下「開示等決定」という。)は、開示請求があった後15日以内にしなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、実施機関の長は、事務処理上の困難その他正当な理由により同項に規定する期間内に開示等決定をすることができないときは、15日を限度として、これを延長することができる。この場合において、実施機関の長は、開示請求者に対し、同項の期間内に開示等決定ができない理由及び延長する期間を通知しなければならないものとする。
(著しく大量な行政文書の開示請求に係る開示等決定の期限の特例)
第11条 開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため、30日以内にすべてについて開示等決定をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、実施機関の長は、開示請求に係る行政文書の相当の部分につき、当該期間内に開示等決定をし、残りの部分については、相当の期間内に開示等決定をすれば足りる。この場合においては、前条第1項の期間内に同条第2項後段の規定の例により、開示請求者に通知しなければならないものとする。
(事案の移送)
第12条 実施機関の長は、開示請求に係る行政文書が他の実施機関により作成されたものであるときその他相当の理由があるときは、関係実施機関と協議の上、事案を移送することができる。この場合においては、開示請求者に対し、その旨を通知しなければならない。
(第三者保護に関する手続)
第13条 開示請求に係る行政文書に国、地方公共団体及び開示請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関の長は、開示等決定をするに際し、当該第三者の意見を聴くことができるものとする。
2 開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、第6条第1号ただし書エ、同条第2号ただし書又は第7条の規定によりこれを開示しようとするときは、実施機関の長は、開示の決定に先立ち当該第三者に対し、所定の事項を通知して、意見を述べる機会を与えなければならないものとする。
3 前2項に定める手続がとられた場合において、当該行政文書を開示するときは、実行機関の長は、開示の決定と開示を実施する期日との間に当該第三者が不服申立手続を講ずるに足りる相当の期間を確保するとともに、開示の決定後速やかに、当該第三者に対し、所定の事項を通知するものとする。
(開示の方法)
第14条 行政文書の開示の方法は、閲覧又は写しの交付によるものとする。ただし、これによりがたいものについては、別に規則で定める方法による。
(費用負担)
第15条 この条例の規定により、行政文書の写しの交付を受ける者は当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
(権限委任)
第16条 実施機関の長は、規則で定めるところにより、本章に定める権限を当該実施機関の職員に委任することができる。
第3章 不服申立て
(不服申立てに関する手続)
第17条 開示等決定に対して行政不服審査法(昭和37年法律第160号)に基づく不服申立てがあった場合は、次の各号に掲げるときを除き、当該不服申立てに係る処分庁又は審査庁は、次条に規定する不服審査会に諮問して、当該不服申立てに対する決定又は裁決をしなければならない。
(1) 不服申立てが不適法であり、却下するとき。
(2) 請求拒否の決定を取り消し、当該行政文書の開示を決定するとき(当該行政文書に第三者に関する情報が記録されているときを除く。)。
(不服審査会の設置)
第18条 前条に規定する諮問に応じ、不服申立てについて調査審議するため、益田市行政情報公開不服審査会(以下「不服審査会」という。)を置く。
(委員)
第19条 不服審査会の委員は、5人以内とする。
2 委員は、識見を有する者のうちから議会の同意を得て、市長が任命する。
3 委員の任期は、2年とし、補充の委員にあっては、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(不服審査会の調査権限)
第20条 不服審査会は、必要と認めるときは、諮問した処分庁又は審査庁(以下「諮問庁」という。)に対し、開示請求に係る行政文書の提出を求め、事件の審議に当たる委員をして、不服申立人に閲覧させずにその内容を見分させることができる。この場合において、諮問庁は、当該行政文書の提出を拒むことはできないものとする。
2 不服審査会は、必要と認めるときは、諮問庁に対し、請求拒否の決定があった行政文書又はその部分と請求拒否の理由とを不服審査会の指定する方式により分類・整理することその他の方法により、諮問に関する説明を求めることができるものとする。
3 前2項に定めるもののほか、不服審査会は、事件に関し不服申立人、参加人及び諮問庁(以下「不服申立人等」という。)に意見書又は資料の提出を求め、参考人に陳述を求め、又は鑑定をさせ、その他必要な調査をすることができるものとする。