経験のない大雨、1人死亡 不明は2人 山口・島根
【動画】山口・島根、経験のない大雨=高橋伸竹、栗林史子撮影 |
SLやまぐち号の運行で観光客に人気のJR山口線の線路が、大雨で地面が流され、宙づりになった=28日午後6時すぎ、山口市阿東、高山顕治撮影 |
阿武川が氾濫し、SLやまぐち号の運行で観光客に人気のJR山口線の線路が流され、付近の家屋も浸水していた=28日午後4時12分、山口市、朝日新聞社ヘリから、藤脇正真撮影 |
暖かく湿った空気が流れ込み大気が不安定になった影響で、28日は山口県萩市で1時間に138・5ミリ、島根県津和野町で91・5ミリの観測史上最多の雨が降り、1人が死亡、2人が行方不明になった。気象庁は「これまでに経験のないような大雨」として緊急会見し、「直ちに命を守る行動を」と注意を呼びかけた。
山口、島根両県警などによると、萩市で倒壊家屋から高齢の女性が救助されたが、死亡が確認された。また、萩市の男性(84)が川に流されたとみられるほか、津和野町の男性(24)は避難のため1人で自宅を出た後、連絡がとれなくなった。
3時間あたりの雨量が50年に1度の水準になる地域が10カ所以上あり、その他の条件も満たすと、8月末からは「特別警報」が発令される。気象庁によると、この日、両県では午前11時に14カ所で達しており、基準を超える大雨だった。
緊急の会見で横山博・予報課長は「(30人超の死者・行方不明者が出た)昨年7月の九州北部豪雨の時のような状態。避難するか、家の2階などに移動してください」と訴えた。
豪雨は28日夕方には峠を越えたが、降った雨は土壌にしみこんだり下流の河川に集まったりするため、土砂災害や河川氾濫(はんらん)の危険は29日にかけて続くという。