環境汚染が原因の「がん村」、中国当局が存在認める
- 2013年02月22日 19:26 発信地:北京/中国
中国・天津(Tianjin)市の劉快庄(Liukuaizhuang)で、汚染された川。化学工場で栄えたが、今は「がん村」として知られている(2006年3月16日撮影)。(c)AFP/Frederic J. BROWN
急速に経済発展してきた中国では今、産業廃棄物や有害なスモッグを始めとする環境・健康問題をめぐって政府に対する国民の不満が高まっている。
こうしたなか、環境保護省は今週公表した環境改善に向けた5か年計画の中で、「有毒・有害な化学物質によって、多くの場所で水や大気に深刻な問題が生じている」「一部地域では『がん村』さえ発生している」と指摘した。
「がん村」の詳細については言及していないが、先進国では使用が禁止されている「有毒・有害な化学製品」が中国では一般的に使用されていることを認め、「人間の健康と生態系に対し、長期的・潜在的な悪影響をもたらしている」と述べている。
「がん村」という言葉は、具体的な定義がまだないものの、既に1998年にメディアに登場している。国際的には2009年、ある中国人ジャーナリストが国内数十か所の地名を「がん村」と特定する地図を公表したことで内外メディアの注目を集めた。
2010年には米国の地理学者が、中国当局のウェブサイトやテレビ局などから集めた情報を基に、中国国内に241か所の「がん村」があると発表。一方、米セントラル・ミズーリ大学(University of Central Missouri)に籍を置くリー・リウ(Lee Liu)氏は、非公式な情報も含めると「がん村」は259か所あると指摘している。(c)AFP/Carol Huang