第二次大戦と差別、「2つの戦争」闘った日系人に勲章 米議会
【11月3日 AFP】米連邦議会は2日、第二次世界大戦で米軍に加わって戦った日系人らに、終戦から70年近くを経て、文民勲章としては最も権威ある「議会金メダル(Congressional Gold Medal)」を授与した。
連邦議会議事堂で行われた式典には、車椅子姿など高齢の日系の元軍人、数百人が出席。ジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長は「彼らが示した勇気、勇敢さ、国への献身に対し、米国は永遠に恩義を負っている。彼らは、母国では差別を、国外ではファシズムを相手に、2つの戦場を闘った」と日系人元兵士らを称えた。
ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院院内総務も、日系人兵士らはファシズムと戦っただけでなく「米国の理念たる平等」を擁護し、国への忠誠と愛を示すために苦渋を乗り越えて立ち上がったと賛美した。
■欧州激戦地で奮戦、情報戦支える
日本軍が1941年12月7日(日本時間8日)にハワイ・真珠湾(Pearl Harbor)を攻撃した後、米国は日系人12万人余りを「敵性外国人」として強制収容した。こうした状況下、米軍に従軍を志願した日系米国人で構成された第442連隊は、イタリア、フランス、ドイツの激戦地で戦い、米軍史上最も多くの勲章を与えられた。
元第442連隊のダニエル・イノウエ(Daniel Inouye)上院議員は、「ここまでの道のりは長かったが、栄誉ある道でもある。今は墓に眠る戦友たちも、この日を喜ばしく思っていることだろう」と述べた。
同じく欧州戦線で戦った第100歩兵大隊や、米軍情報機関で日本語の翻訳や捕虜の通訳などを担当した日系人約6000人にも「議会金メダル」が授与された。西南太平洋連合国軍の総司令官だったダグラス・マッカーサー(Douglas MacArthur)元帥は戦後、情報機関の日系人らの貢献が太平洋戦争の早期終結につながったと述懐している。(c)AFP/Shaun Tandon