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経済・社会のグリーン化の推進(平成25年度版環境白書)

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経済・社会のグリーン化の推進

1 経済的措置

ア 政府関係機関等の助成
 政府関係機関等による環境保全事業の助成については、表6-2-1のとおりでした。

表6-2-1 政府関係機関等による環境保全事業の助成

イ 税制上の措置等
 平成24年度税制改正において、[1]地球温暖化対策のための税の導入、[2]エコカー減税及び自動車税のグリーン化特例の拡充・延長等の車体課税の見直し、[3]再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の創設、[4]放射性物質による汚染への対処を促進するための特例措置の創設、[5]認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の見直し、[6]認定長期優良住宅を取得した場合の不動産取得税の課税標準の特例措置の延長、[7]認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に係る税率の軽減措置の延長、[8]特定廃棄物最終処分場に係る特定災害防止準備金制度の延長、[9]公害防止用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の延長、[10]廃棄物処理事業の用に供する軽油に係る軽油引取税の課税免除の特例措置の延長、[11]産活法の認定計画に基づき行う登記の税率の軽減措置の延長、[12]試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(増加型・高水準型)の延長等の措置を講じました。
ウ 地方公共団体における環境関連税の導入の動き
 地方公共団体において、環境関連税の導入の検討が進められています。例えば、産業廃棄物の排出量又は処分量を課税標準とする税について、平成24年12月末現在、27の都道府県及び1の政令市で条例が制定され施行されました。税収は、主に産業廃棄物の発生抑制、再生、減量、その他適正な処理に係る施策に要する費用に充てられています。
 また、森林環境税や森づくり税等名称こそ違え、森林整備等を目的とする税が31県において導入されています。例えば、高知県では、県民税均等割の額に500円を加算し、その税収を森林整備等に充てるために森林環境保全基金を条例により創設するなど、実質的に目的税の性格を持たせたものとなっています。

2 環境配慮型製品の普及等

(1)グリーン購入の推進
 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号。以下「グリーン購入法」という。)(図6-2-1)に基づく基本方針に即して、国等の各機関は、平成24年度の環境物品等の調達の推進を図るための方針を定め、これに基づいて環境物品等の調達を推進しました。

図6-2-1 グリーン購入法の仕組み

 また、グリーン購入の取組をさらに促進するため、最新の基本方針について、国の地方支分部局、地方公共団体、事業者等を対象とした説明会を全国8か所において開催しました。
 グリーン購入を推進するためには、国等の機関のみならず、各地方公共団体や事業者、住民等によるグリーン購入の取組が重要です。そこで、地域におけるグリーン購入の取組を推進するために、地方公共団体、消費者、事業者等に対し、グリーン購入の組織的な取組を行うための研修や情報提供や啓発のためのセミナーを全国4か所で開催しました。また、グリーン購入の取組が進んでいない地方公共団体等にも無理なくグリーン購入を始めてもらうために策定した「地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドライン」を活用し、普及・啓発を行っています。
(2)環境配慮契約(グリーン契約)
 国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律(平成19年法律第56号。以下「環境配慮契約法」という。)(図6-2-2)に基づく基本方針に従い、国等の各機関は、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約(以下「環境配慮契約」という。)を推進しました。

図6-2-2 環境配慮契約法の構造

 また、環境配慮契約の取組をさらに促進するため、最新の基本方針について、国の地方支分部局、地方公共団体、事業者等を対象とした説明会を全国8か所において開催するとともに、環境配慮契約の取組が進んでいない地方公共団体等にも無理なく環境配慮契約を始めてもらうために策定した「地方公共団体のための環境配慮契約導入マニュアル」を改定し、普及・啓発を行っています。
(3)環境ラベリング
 消費者が環境負荷の少ない製品を選択する際に適切な情報を入手できるように、環境ラベル等環境表示の情報の整理を進めました。日本で唯一のタイプI環境ラベル(ISO14024準拠)であるエコマーク制度では、ライフサイクルを考慮した指標に基づく商品類型を継続して整備しており、平成24年12月末現在、エコマーク対象商品類型数は54、認定商品数は5,203となっています。
 事業者の自己宣言による環境主張であるタイプII環境ラベルや民間団体が行う環境ラベル等については、各ラベリング制度の情報を整理、分類して提供する「環境ラベル等データベース」を引き続き運用しました。また、適切な環境表示のあり方をまとめた「環境表示ガイドライン」について、内容を充実し、よりわかりやすい内容へ見直しを行いました。
 さらに、環境物品等を国際的に流通させてグリーン購入の取組を推進するためには、各国の環境ラベル制度における基準の共通化等が必要であるため、我が国のエコマークを中心に、各国環境ラベル間の相互認証に関する調査・分析を行いました。
(4)標準化の推進
 日本工業標準調査会(JISC)は、平成24年度は「JIS C8158一般照明用電球形LEDランプ(電源電圧50V超)」などの環境JIS制定・改正を行うとともに、環境関連法令等の中での環境JISの位置づけを確認しながら、自治体・企業・消費者のグリーン購入等における環境JISの活用状況・ニーズの調査を踏まえ、個別具体的な環境JISの制定・改正・活用促進に向けた検討を行いました。
(5)ライフサイクルアセスメント(LCA)
 政府は、原材料採取から製造、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体で環境に与える影響を定量的に分析・評価するLCAの手法を活用して、製品のライフサイクル全体で排出される温室効果ガス排出量を算定し、消費者に分かりやすく表示するカーボンフットプリント試行事業を平成21年より実施し、平成23年3月末現在でPCR(商品種別算定基準)の数は73、認定商品数は469となっています。
(6)住宅エコポイント
 一定の省エネ基準を満たすエコ住宅の新築、二重サッシ化や複層ガラス化などの窓の断熱改修、外壁や天井等への断熱材の施工といったエコリフォーム、及びエコリフォームに併せて設置する住宅設備(太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽)等に対して、多様な商品等と交換できるポイントを発行する住宅エコポイント事業を実施しました。その後、平成23年10月から、東日本大震災の復興支援も目的として制度を再開し(復興支援・住宅エコポイント)、エコリフォームと併せて行うことでポイントの発行対象となる工事等に耐震改修やリフォーム瑕疵保険への加入を追加したほか、発行されたポイントの半分以上を復興支援商品に使うこととしました。復興支援・住宅エコポイント制度における対象工事の着工・着手期間は、平成24年10月末で終了しており、住宅エコポイント制度と併せて、平成25年2月末現在で約180万戸の申請がありました。

3 事業活動への環境配慮の組込みの推進

(1)環境マネジメントシステム
 環境マネジメントシステムについて情報提供等を行い、幅広い事業者への普及を図りました。特に、中小事業者向けに策定された「エコアクション21」については、平成23年度に「建設業」「産業廃棄物処理業」など、特定の業種に対応した業種別のガイドラインを策定し、平成24年度は新たに「地方公共団体」を策定しました。平成25年3月末現在、環境マネジメントシステムISO14001の認証登録件数は約2万件、エコアクション21の認証登録件数は約7千件です。
(2)環境会計
 環境会計については事業者による効率的かつ効果的な環境保全活動の推進に資するため、さらなる環境会計の促進と質の向上に向けて環境会計ガイドライン改訂の検討を実施しました。
 企業経営に役立つ環境管理会計の一手法であり、廃棄物削減と生産性向上を同時に実現するマテリアルフローコスト会計については、普及・促進のため、普及事業の拠点となる事業者団体等におけるセミナー等の開催、導入実証事業と普及指導を担う人材育成のためのインターンシップ事業を実施しました。また、平成20年3月にISOにおいて承認されたマテリアルフローコスト会計の国際標準規格化については、我が国が議長及び幹事を務める作業部会ISO/TC207/WG8にて議論されており、我が国の主導により、平成23年9月に国際規格(ISO 14051)としてISO発行され、日本工業規格(JIS)についても平成24年3月に、JIS Q14051(環境マネジメント-マテリアルフローコスト会計-一般的枠組み)を制定・公示しました。
(3)環境報告書
 環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(平成16年法律第77号。以下「環境配慮促進法」という。)では、環境報告書の普及促進と信頼性向上のための制度的枠組みの整備や一定の公的法人に対する環境報告書の作成・公表の義務付け等について規定しています(図6-2-3)。環境報告書の作成・公表及び利用活用の促進を図るため、環境配慮促進法に基づく特定事業者の環境報告書を一覧できるサイトとして「もっと知りたい環境報告書」を運用しました。また、民間企業・団体の環境報告書を検索可能な形で搭載したサイトとして「環境報告書プラザ」を運用しました。

図6-2-3 環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律の概要

 また、環境報告書作成にあたっての実質的な手引きである環境報告ガイドラインについて、更なる情報開示の促進と質の向上に向けた改訂を実施しました。環境報告書の表彰制度である環境コミュニケーション大賞において、優れた報告書の表彰を行いました。

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