“トルコ国民150年の夢”実現に日本の建設技術が貢献~ボスポラス海峡横断鉄道が開通~
トルコ共和国建国90周年にあたる平成25年10月29日、イスタンブールでボスポラス海峡横断鉄道の開通式典が開催されました。同国最大の都市であるイスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んでアジア側のアナトリア半島と、ヨーロッパ側のバルカン半島にまたがった都市です。
トルコ共和国建国90周年にあたる平成25年10月29日、イスタンブールでボスポラス海峡横断鉄道の開通式典が開催されました。同国最大の都市であるイスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んでアジア側のアナトリア半島と、ヨーロッパ側のバルカン半島にまたがった都市です。
これまで海峡を渡る交通手段はフェリーなどの海上輸送と2本の橋梁しか存在しなかったため、慢性的な交通混雑が発生していました。高度な輸送システムの整備によるこうした交通混雑の解消等を目的として、海峡横断鉄道の建設計画と海峡の東西に存在する既存路線の改良計画の2つからなる「マルマライ・プロジェクト」が実施されてきました。このうち、日本の建設企業を中心とした企業連合がこの海峡横断鉄道工事を請け負い、開通させたのです。
海峡を横断するトンネル構想自体はおよそ150年前に設計図が描かれていました。しかし、海峡の潮流は世界有数と言われる速度に加え、上層と下層では流れが逆であり、最も深いところで水深約60mもある場所での工事となるため、これまで実現に至りませんでした。今回、日本の建設企業は、鉄筋コンクリート製の函体11個を海底に沈め、海底においてそれぞれ接続することでトンネルを作りあげる「沈埋工法」と呼ばれる工法を用いて、“トルコ国民150年の夢”と呼ばれた海峡横断トンネルを完成させました。
また、翌30日には、日本の建設技術をアピールするため、両国の政府関係者や民間企業から約150名が参加し、第2回日・トルコ建設会議を国土交通省とトルコ運輸海事通信省とで開催しました。日本と同様に地震国であるトルコでは防災技術に対する関心も高まっており、本会議ではこれを踏まえて、日本が有する建築の耐震・免震・制震技術や日本の防災対策についてアピールを行いました。