平成26年8月5日
2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を契機とした環境配慮の推進について(お知らせ)
2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会において、東京大会自身の環境負荷の低減と、大会を契機とした東京都市圏を含む我が国の環境配慮の推進に向け、東京都をはじめ民間事業者等の取組を推進するため、環境省が主体となって当面取り組む事項をとりまとめました。
1.背景
第18回東京大会が開催された1964年の頃は、戦後復興から高度経済成長を迎える一方で、緑地の開発や干潟の埋め立てなど自然的空間が急速に失われ、大気汚染や水質汚濁が深刻化しました。
2020年に開催される第32回東京大会は、今後多くの国が直面する人口減少・高齢化が本格的に進展する社会の中における大会であり、また、同年は温室効果ガスの削減目標年と生物多様性に係る愛知目標の目標年になっています。
公害や気候変動、自然破壊等の解決のためには、単に技術やインフラを導入するだけでなく、社会の仕組みや価値観の変化を含めた「循環共生型社会」の実現が必要です。
第32回東京大会を契機として、こうした取組を大会自身に盛り込んでいくだけでなく、大会が開催される東京を中心とした都市圏において盛り込み、これを内外に波及させていくことが重要と考え、取組を進めていく上での課題と、環境省としての当面の取組を整理することとしたものです。
2.とりまとめの内容
別添資料のとおり。
3.環境省が主体となって当面取り組む事項
1.低炭素化の推進 (1)大会の低炭素化 (2)東京都市圏の低炭素化 2.ヒートアイランド対策の推進、良好な大気・水環境の実現 (1)大会会場及び東京都市圏におけるヒートアイランド対策 (2)熱中症対策 (3)大気汚染対策 (4)東京湾等の水質改善 3.リデュース・リユース・リサイクル(3R)の徹底 (1)大会関連施設における3Rの徹底 (2)東京都市圏における3Rの徹底 4.情報発信・おもてなし等 (1)我が国の環境技術等の情報発信 (2)東日本大震災から復興した姿の発信 (3)日本の優れた自然の紹介と活用等 (4)東京大会を契機とした普及啓発の強化等 |
目次
I. はじめに ................................ ................................ ................................ ......................... 2
I. はじめに ................................ ................................ ................................ ......................... 2
II. 主な課題と取組の方向性 ................................ ................................ ................................ .4
1. 前提となる社会・経済情 勢 ................................ ................................ ........................... 4
(1) 人口減少・高齢化社会 ................................ ................................ ......................... 4
(2) 経済・技術の状況等 ................................ ................................ ............................ 5
(3) 人々の意識変化 ................................ ................................ ................................ 7
(1) 人口減少・高齢化社会 ................................ ................................ ......................... 4
(2) 経済・技術の状況等 ................................ ................................ ............................ 5
(3) 人々の意識変化 ................................ ................................ ................................ 7
2. 環境面の課題と目指すべき方向性 ................................ ................................ ................. 9
(1) 総論 ................................ ................................ ................................ ..................... 9
(2) 低炭素社会づくり ................................ ................................ .............................. 15
(3) ヒートアイランド対策・熱中症緑化 ................................ ....................... 21
(4) 良好な大気環境の実現 ................................ ................................ ....................... 24
(5) 良好な水環境の実現 ................................ ................................ .......................... 26
(6) 3R の推進 ................................ ................................ ................................ ........ 31
(7) 自然と共生する社会の実現 ................................ ................................ ................ 34
(1) 総論 ................................ ................................ ................................ ..................... 9
(2) 低炭素社会づくり ................................ ................................ .............................. 15
(3) ヒートアイランド対策・熱中症緑化 ................................ ....................... 21
(4) 良好な大気環境の実現 ................................ ................................ ....................... 24
(5) 良好な水環境の実現 ................................ ................................ .......................... 26
(6) 3R の推進 ................................ ................................ ................................ ........ 31
(7) 自然と共生する社会の実現 ................................ ................................ ................ 34
III. 当面の取組 ................................ ................................ ................................ .................. 36
IV.IV.IV. 今後の進め方 ................................ ................................ ................................ .............. 39
参考 ヒアリングにおいて有識者からただ主な御意見 ................................ .............. 40
IV.IV.IV. 今後の進め方 ................................ ................................ ................................ .............. 39
参考 ヒアリングにおいて有識者からただ主な御意見 ................................ .............. 40
2020年・第32回東京大会は、人類共通の課題に対する解決策を提示する
今後多くの国が直面する人口減少・高齢化が本格的に進展する社会における大会
2020年は温室効果ガスの削減目標年と生物多様性の保全に係る愛知目標の目標年
気候変動、生物多様性の損失といった人類共通の課題に対して、我が国が先駆けてその解決に向けた道筋を世界に示す。技術・インフラの導入にとどまらず、社会の仕組みや価値観の変化を含めた「循環共生型社会」の実現の契機とする。
方向性4:良好な水環境の実現
開発等による不透水地の拡大が、都市水害や増水時の合流式下水道からの未処理水放出等に繋がっている。
東京湾では、高度成長期の大規模な埋め立てによって、水質浄化に大きく寄与する干潟生態系の多くが失われた。
東京大会はウォーターフロントが主要会場。多くの生物が生息する豊穣な東京湾の回復も重要なテーマ。
開発等による不透水地の拡大が、都市水害や増水時の合流式下水道からの未処理水放出等に繋がっている。
東京湾では、高度成長期の大規模な埋め立てによって、水質浄化に大きく寄与する干潟生態系の多くが失われた。
東京大会はウォーターフロントが主要会場。多くの生物が生息する豊穣な東京湾の回復も重要なテーマ。
湾における取組
大会に向けた取組陸域からの汚濁負荷量の低減
生活排水処理施設の高度化
大会に向けた取組陸域からの汚濁負荷量の低減
生活排水処理施設の高度化
中長期的な取組
生態系への影響に着目した指標の環境基準化の検討
湾内に干潟・藻場を造成都市内の水辺空間の充実
生態系への影響に着目した指標の環境基準化の検討
湾内に干潟・藻場を造成都市内の水辺空間の充実
水辺空間の確保
暗渠化された河川や清流の復活等による都市における水辺空間の確保
濠・外濠皇居外苑濠(内濠)、外濠について水質改善等の取組を推進
暗渠化された河川や清流の復活等による都市における水辺空間の確保
濠・外濠皇居外苑濠(内濠)、外濠について水質改善等の取組を推進
国立公園等の日本の優れた自然の紹介と活用
訪日外国人観光客に国立公園、世界自然遺産地域等の我が国の優れた自然に触れてもらう
国立公園等における国際化対応、外国人旅行者向けの魅力発信の強化、受け入れのための基盤整備等を実施
訪日外国人観光客に国立公園、世界自然遺産地域等の我が国の優れた自然に触れてもらう
国立公園等における国際化対応、外国人旅行者向けの魅力発信の強化、受け入れのための基盤整備等を実施
(1)大会の低炭素化
① 大会関連施設等の低炭素化
環境省は、大会関連施設の建設から廃棄に至るまでの低炭素化及び大会に係る移動手段の低炭素化の積極的 な促進を大会組織委員会等に促す。 具体的には、最先端の低炭素化技術の導入を図るため、高効率の熱供給システムや地中熱利用も含めた省エ ネルギーに関する技術の活用支援、EV・燃料電池バスに係る技術の開発を行う。
環境省は、大会関連施設の建設から廃棄に至るまでの低炭素化及び大会に係る移動手段の低炭素化の積極的 な促進を大会組織委員会等に促す。 具体的には、最先端の低炭素化技術の導入を図るため、高効率の熱供給システムや地中熱利用も含めた省エ ネルギーに関する技術の活用支援、EV・燃料電池バスに係る技術の開発を行う。
また、大会関連施設に関する 様々な低炭素化技術について、採用される見込みの高い技術を選定し、望ましい技術をリスト化するとともに、関 係者との協議を行う等、低炭素化技術に係る知見の提供等を行う。 さらに、過去最高水準の大会全体の低炭素化の実現に向け、都外を含む周辺地域からの大会関連施設への再 生可能エネルギーの供給支援等の会場運営時の低炭素化を検討する。
② 強化されたグリーン購入基準の適用
現行のグリーン購入制度の一層の展開を図るため、環境関連事業やイベントでの現行基準よりも厳しい購入基 準の自主的採用を促しつつ、東京大会でも世界最高水準のグリーン購入が実施されるよう技術的支援等を行う。
現行のグリーン購入制度の一層の展開を図るため、環境関連事業やイベントでの現行基準よりも厳しい購入基 準の自主的採用を促しつつ、東京大会でも世界最高水準のグリーン購入が実施されるよう技術的支援等を行う。
③ 東京大会と全国各地との連携による更なる低炭素化
オリンピック・パラリンピック関連商品・サービスに全国各地で創出される低炭素クレジットの活用を促進すること で、東京大会と全国各地を結びつけ、地域経済の循環、地球温暖化対策の推進及び地域環境の保全を図る。
オリンピック・パラリンピック関連商品・サービスに全国各地で創出される低炭素クレジットの活用を促進すること で、東京大会と全国各地を結びつけ、地域経済の循環、地球温暖化対策の推進及び地域環境の保全を図る。
(2)東京都市圏の低炭素化
最新の低炭素化技術リストの作成・提供や低炭素化技術の普及・波及効果に関する東京都市圏全体での予測 シミュレーション、自転車道整備等低炭素交通施策の予測シミュレーションを行うとともに、東京都市圏における 低炭素設備・製品の普及拡大等により、東京都市圏において環境にやさしい街づくりの実現を支援する。 また、地域活性化策と連携し、地方の再生可能エネルギー電気を東京の代表的街区に供給し、地域活性化と東 京都市圏の低炭素化の相乗効果を図る。
最新の低炭素化技術リストの作成・提供や低炭素化技術の普及・波及効果に関する東京都市圏全体での予測 シミュレーション、自転車道整備等低炭素交通施策の予測シミュレーションを行うとともに、東京都市圏における 低炭素設備・製品の普及拡大等により、東京都市圏において環境にやさしい街づくりの実現を支援する。 また、地域活性化策と連携し、地方の再生可能エネルギー電気を東京の代表的街区に供給し、地域活性化と東 京都市圏の低炭素化の相乗効果を図る。
(1)大会会場及び東京都市圏におけるヒートアイランド対策
関係省庁や地方公共団体と連携して、大会会場やコース周辺等を含め大都市圏の駐車場等のある事業場を念 頭に、保水性・透水性舗装等を組み合わせた環境インフラを設置して、体感温度の低減を図る。
関係省庁や地方公共団体と連携して、大会会場やコース周辺等を含め大都市圏の駐車場等のある事業場を念 頭に、保水性・透水性舗装等を組み合わせた環境インフラを設置して、体感温度の低減を図る。
(2)熱中症対策
大会会場ごとの暑さ情報等の発信やリーフレット等の多言語化等による普及啓発面での対策の徹底を図るほか、 大会会場やコース周辺等における熱中症対策の推進を行う。また既存のクールシェア事業の一層の推進を図る。
大会会場ごとの暑さ情報等の発信やリーフレット等の多言語化等による普及啓発面での対策の徹底を図るほか、 大会会場やコース周辺等における熱中症対策の推進を行う。また既存のクールシェア事業の一層の推進を図る。
(3)大気汚染対策
東京都及び周辺地方公共団体と連携して、光化学オキシダント等の濃度低減対策を推進するとともに、注意報 発令等に関する情報提供サービスを充実する。
東京都及び周辺地方公共団体と連携して、光化学オキシダント等の濃度低減対策を推進するとともに、注意報 発令等に関する情報提供サービスを充実する。
(4)東京湾等の水質改善
大会会場となる東京湾や大会コースに隣接する皇居外苑濠(内濠)及び外濠において水質浄化にむけた取組を 関係省庁や地方公共団体と連携して進める。また、東京湾等を含め、公共用水域の水質環境改善に向け、新た な環境基準の設定の検討を進める。
大会会場となる東京湾や大会コースに隣接する皇居外苑濠(内濠)及び外濠において水質浄化にむけた取組を 関係省庁や地方公共団体と連携して進める。また、東京湾等を含め、公共用水域の水質環境改善に向け、新た な環境基準の設定の検討を進める。
(1)我が国の環境技術等の情報発信
関連施設に導入された低炭素化技術等の東京大会における環境配慮の取組に加え、東京都市圏をはじめとす る日本の環境技術や制度・取組の状況を、東京大会の機会に、国の内外に効果的に発信する手法について検討 する。
関連施設に導入された低炭素化技術等の東京大会における環境配慮の取組に加え、東京都市圏をはじめとす る日本の環境技術や制度・取組の状況を、東京大会の機会に、国の内外に効果的に発信する手法について検討 する。
(2)東日本大震災から復興した姿の発信
除染や災害廃棄物の処理、中間貯蔵施設の整備など、放射性物質による環境汚染への我が国の対応、三陸 復興国立公園やみちのく潮風トレイルなど、東日本大震災から復興した姿を東京大会を契機に日本を訪れる観光 客や日本に注目する海外メディアに対し積極的に発信していく。
除染や災害廃棄物の処理、中間貯蔵施設の整備など、放射性物質による環境汚染への我が国の対応、三陸 復興国立公園やみちのく潮風トレイルなど、東日本大震災から復興した姿を東京大会を契機に日本を訪れる観光 客や日本に注目する海外メディアに対し積極的に発信していく。
(3)日本の優れた自然の紹介と活用等
開催地である東京都が擁する多摩地域西部や伊豆諸島、小笠原諸島等国立公園や世界自然遺産地域等はも とより、全国各地の国立公園についての海外への積極的な情報発信を行うとともに、国立公園等において標識・ 情報提供施設等の多言語化や公衆トイレの洋式化等の国際化対応のための利用施設の整備と管理、国立公園 内や周辺で行われる自然と調和した文化的催しとの連携等を進めることにより、東京大会を機に日本を訪れる外 国人旅行者の地方への誘客を図る。また、競技会場をはじめとする国民公園の環境整備を行う。
開催地である東京都が擁する多摩地域西部や伊豆諸島、小笠原諸島等国立公園や世界自然遺産地域等はも とより、全国各地の国立公園についての海外への積極的な情報発信を行うとともに、国立公園等において標識・ 情報提供施設等の多言語化や公衆トイレの洋式化等の国際化対応のための利用施設の整備と管理、国立公園 内や周辺で行われる自然と調和した文化的催しとの連携等を進めることにより、東京大会を機に日本を訪れる外 国人旅行者の地方への誘客を図る。また、競技会場をはじめとする国民公園の環境整備を行う。
(4)東京大会を契機とした普及啓発の強化等
世界各国から多くの選手・旅行者が日本を訪れる東京大会を契機とする参画型ESDイベントや、犬猫等の飼育 動物(ペット)の適正な管理及び3Rをはじめとした「おもてなし」の場を整えていくための環境教育や普及啓発を推 進する。
世界各国から多くの選手・旅行者が日本を訪れる東京大会を契機とする参画型ESDイベントや、犬猫等の飼育 動物(ペット)の適正な管理及び3Rをはじめとした「おもてなし」の場を整えていくための環境教育や普及啓発を推 進する。
連絡先
環境省総合環境政策局総務課