中国軍戦闘機が米軍機に異常接近、米政府は強く抗議
2014.08.23 Sat posted at 09:32 JST
(CNN)中国軍の戦闘機が今週、米海軍機に対し「危険」かつ「プロ意識に欠ける」接近を繰り返し、一時は約6メートルの距離まで異常接近していたことが明らかになった。米政府は「(中国による)非常に憂慮すべき挑発行為」と非難している。
事件は19日、海南島の東約217キロの南シナ海上の国際空域で発生した。米国防総省のカービー報道官によると、兵器を搭載した中国軍の戦闘機1機が、米海軍の哨戒機P8ポセイドンの下約30メートルの距離を3回通過したという。
カービー報道官は「その中国の戦闘機は、P8に胴体の腹の部分を向けた状態でP8の前を垂直に通過した。搭載していた兵器を見せるのが目的だったと見られる」と述べた。
またカービー氏は「中国機はP8の下や横を飛行し、約6メートルの距離まで接近すると旋回し、約14メートルの距離を通過した」とした上で、「極めて挑発的かつプロ意識に欠ける行為」と中国を強く非難した。
ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)も「これは明らかに、大変憂慮すべき挑発行為であり、中国政府に直接抗議した」と語った。
ローズ氏は、米国は「中国と軍事面での建設的連携」を進めてきたが、「このような行為は(中略)その精神に反するものだ」と非難した。
中国軍戦闘機が米軍機に9メートル以下まで異常接近 米政府は中国に抗議
2014.8.23 10:00[紛争・クーデター]
【ワシントン=青木伸行】
米国防総省は22日、南シナ海の公海上空で19日に中国人民解放軍の戦闘機が米軍の対潜哨戒機P8に9メートル以下の至近距離まで異常接近したことを明らかにした。米政府は中国側に厳重に抗議した。
国防総省のカービー報道官によると、現場は中国・海南島の東約217キロの空域。中国軍機はP8の機首や下方を横切るなど、3回にわたり挑発的な飛行を繰り返した。
カービー報道官は「(9メートル以下というのは)極めて近く危険だ」と非難。ローズ米大統領副補佐官も記者会見で「明らかな挑発行為だ」と批判した。
中国は昨年11月に東シナ海上空に防空識別圏を設定。P8はその翌月、沖縄県の嘉手納基地に配備された。今回、P8は「通常の任務を遂行中」で、周辺の空域で実施されていた中国空軍の演習を監視していた可能性もある。
2001年には、南シナ海上空で中国軍戦闘機が米軍偵察機と接触し墜落している。自衛隊機も今年5、6月に、東シナ海の公海上空でSU27戦闘機の異常接近を受け、日本政府が強く抗議した。