中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価
(1)精度の高い予測の実施及び水系への影響の回避
山岳トンネル部の湧水対策は、事前に精度の高い予測を行った上で対策を検討し
ておく必要があることから、特に巨摩山地から伊那山地までの区間においては、本
線及び非常口のトンネル工事実施前に、三次元水収支解析を用いてより精度の高い
予測を行い、その結果に基づき、地下水位及び河川流量への影響を最小化できるよ
う水系を回避又は適切な工法及び環境保全措置を講じること。
(4)事業前後におけるモニタリングの実施
地下水位の低下及び河川流量の減少が生ずる可能性のある地域として、予測及び
評価において設定した予測検討範囲に、断層や破砕帯の性状や連続性を加味した地
域において、工事実施前から、地下水位及び河川流量の把握を継続的に行うととも
に、工事実施中から工事実施後の適切な時期までモニタリングを実施すること。特
に、河川流量の把握については、水系ごとに、流量の少ない源流部や支流部を含む
複数の調査地点を設定すること。
4.トンネル湧水の河川や沢への排出等について
お知らせ
中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書(平成26年8月)
(環境影響評価法第25条に基づく補正後の環境影響評価書です)
(環境影響評価法第25条に基づく補正後の環境影響評価書です)
中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書(平成26年8月)
ご参考(評価書あらまし(全線版))
ご参考(平成26年8月26日 ニュースリリース資料)
平成26年6月5日
中央新幹線(東京都・名古屋市間)に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)
環境省は、5日、東海旅客鉄道株式会社が実施予定の中央新幹線(東京都・名古屋市間)に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。
本事業は、東京都と名古屋市の間約286km(地上部40km、トンネル部246km)を、超伝導リニアにより結ぶものであるが、その事業規模の大きさから本事業に伴い相当な環境負荷が生じることが懸念される。
このため、環境大臣意見では、環境への影響を最大限、回避・低減されるよう、以下の事項について対応を求めている。
・低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向け十全な措置を行うこと。
・地方公共団体や住民の関与について十全を期すこと。
・本事業について、また、事業者全体として、再エネや省エネ設備の導入計画(できる限り定量的な削減目標)を策定し、計画的に温室効果ガス排出を削減すること。また、他事業者と連携し更なる排出削減に最大限取り組むこと。
・水量の変化等、本事業が水資源に影響を及ぼす可能性が確認された場合、応急対策を講じた上で恒久対策を講じること。また、湧水については、水質、水量等を管理し、適正に処理すること。
・南アルプス国立公園及び拡張予定地の影響をできる限り回避すること。また、クマタカ等の希少猛禽類の繁殖活動への影響の回避・低減すること。
・発生土を抑制すること。発生土置場は、自然度の高い区域等を回避して選定し、地方公共団体と協議して管理計画を策定すること。
・発生土の譲渡先が講じるべき措置を伝達すること。
・地域特性に応じて大気質、騒音、振動、土壌のモニタリングと措置を実施すること。
本事業は、東京都と名古屋市の間約286km(地上部40km、トンネル部246km)を、超伝導リニアにより結ぶものであるが、その事業規模の大きさから本事業に伴い相当な環境負荷が生じることが懸念される。
このため、環境大臣意見では、環境への影響を最大限、回避・低減されるよう、以下の事項について対応を求めている。
・低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向け十全な措置を行うこと。
・地方公共団体や住民の関与について十全を期すこと。
・本事業について、また、事業者全体として、再エネや省エネ設備の導入計画(できる限り定量的な削減目標)を策定し、計画的に温室効果ガス排出を削減すること。また、他事業者と連携し更なる排出削減に最大限取り組むこと。
・水量の変化等、本事業が水資源に影響を及ぼす可能性が確認された場合、応急対策を講じた上で恒久対策を講じること。また、湧水については、水質、水量等を管理し、適正に処理すること。
・南アルプス国立公園及び拡張予定地の影響をできる限り回避すること。また、クマタカ等の希少猛禽類の繁殖活動への影響の回避・低減すること。
・発生土を抑制すること。発生土置場は、自然度の高い区域等を回避して選定し、地方公共団体と協議して管理計画を策定すること。
・発生土の譲渡先が講じるべき措置を伝達すること。
・地域特性に応じて大気質、騒音、振動、土壌のモニタリングと措置を実施すること。
1.背景
環境影響評価法は、新幹線鉄道の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、環境影響評価書(※)について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を述べることができるとされている。
本件は、東京都と名古屋市間を結ぶ中央新幹線に係る環境影響評価書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、国土交通大臣から事業者である東海旅客鉄道株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者である東海旅客鉄道株式会社は、意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で評価書を確定し、公告縦覧等を行うこととなる。
※環境影響評価書:環境影響評価の結果について記載した準備書に対する意見を踏まえて、必要に応じてその内容を修正した文書。
環境影響評価法は、新幹線鉄道の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、環境影響評価書(※)について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を述べることができるとされている。
本件は、東京都と名古屋市間を結ぶ中央新幹線に係る環境影響評価書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、国土交通大臣から事業者である東海旅客鉄道株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者である東海旅客鉄道株式会社は、意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で評価書を確定し、公告縦覧等を行うこととなる。
※環境影響評価書:環境影響評価の結果について記載した準備書に対する意見を踏まえて、必要に応じてその内容を修正した文書。
2.事業の概要
本事業は、東京都港区と愛知県名古屋市の間、約286kmを超伝導リニアにより結ぶものである。首都圏及び中京圏の市街地では、大深度地下を利用し、その他区間も河川以外は、ほとんどトンネルにより通過する。
本事業の事業規模は極めて大きく、本事業の実施に伴い、トンネル工事により生ずる湧水に起因する地下水位の低下や河川流量の減少、供用時に利用するエネルギー負荷の増加、希少動植物への影響、騒音振動や大気質への影響等の環境影響が生じる懸念がある。
本事業は、東京都港区と愛知県名古屋市の間、約286kmを超伝導リニアにより結ぶものである。首都圏及び中京圏の市街地では、大深度地下を利用し、その他区間も河川以外は、ほとんどトンネルにより通過する。
本事業の事業規模は極めて大きく、本事業の実施に伴い、トンネル工事により生ずる湧水に起因する地下水位の低下や河川流量の減少、供用時に利用するエネルギー負荷の増加、希少動植物への影響、騒音振動や大気質への影響等の環境影響が生じる懸念がある。
3.環境大臣意見の概要
環境大臣意見の概要は、以下のとおりである。なお、環境大臣意見の取りまとめに当たっては、大同大学の大東教授及び静岡大学の増澤特任教授から助言をいただいた(別紙2参照)。
環境大臣意見の概要は、以下のとおりである。なお、環境大臣意見の取りまとめに当たっては、大同大学の大東教授及び静岡大学の増澤特任教授から助言をいただいた(別紙2参照)。
(1)前文
・本事業により相当な環境負荷が発生。低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向け、環境保全について十全な措置を行うことが本事業の前提。
・地方公共団体や住民の関与について十全を期すこと。
・国土交通大臣は、適切な環境保全配慮がなされるよう、事業者に対して適切な指導を行うこと。
・本事業により相当な環境負荷が発生。低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向け、環境保全について十全な措置を行うことが本事業の前提。
・地方公共団体や住民の関与について十全を期すこと。
・国土交通大臣は、適切な環境保全配慮がなされるよう、事業者に対して適切な指導を行うこと。
(2)総論
・土地の改変は必要最小限とし、環境影響の回避・低減に必要な措置、モニタリング、事後調査を適切に実施。
・工事期間が長期にわたることから、状況の変化を踏まえ、評価項目を再検討し、追加的な調査予測及び評価を行い、適切な措置を講じる。
・土地の改変は必要最小限とし、環境影響の回避・低減に必要な措置、モニタリング、事後調査を適切に実施。
・工事期間が長期にわたることから、状況の変化を踏まえ、評価項目を再検討し、追加的な調査予測及び評価を行い、適切な措置を講じる。
(3)各論
【1】温室効果ガス
・本事業の実施に当たっては、本事業について、また、事業者全体として、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入計画(定量的な削減目標を可能な限り設定)を策定し、計画的に温室効果ガス排出量を削減。
・供用時に調達する電力は可能な限り再生可能エネルギーとするとともに、省エネを徹底し、増加する温室効果ガスを最大限抑制。
・工事時の省エネや再生可能エネルギーの利用を徹底。
・事業者全体として、再生可能エネルギーや省エネ化設備の導入計画(定量的な削減目標を可能な限り設定)を策定。計画的に温室効果ガス排出量を削減。また、省エネや技術開発等の長期的な温室効果ガス排出削減対策を実施。
・さらなる温室効果ガス排出削減を図るため、他の事業者と連携し、効果的な方策に最大限取り組むこと。
・本事業の実施に当たっては、本事業について、また、事業者全体として、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入計画(定量的な削減目標を可能な限り設定)を策定し、計画的に温室効果ガス排出量を削減。
・供用時に調達する電力は可能な限り再生可能エネルギーとするとともに、省エネを徹底し、増加する温室効果ガスを最大限抑制。
・工事時の省エネや再生可能エネルギーの利用を徹底。
・事業者全体として、再生可能エネルギーや省エネ化設備の導入計画(定量的な削減目標を可能な限り設定)を策定。計画的に温室効果ガス排出量を削減。また、省エネや技術開発等の長期的な温室効果ガス排出削減対策を実施。
・さらなる温室効果ガス排出削減を図るため、他の事業者と連携し、効果的な方策に最大限取り組むこと。
【2】水環境
・地下水位や河川流量について、精度の高い予測を実施、影響を最小限化する工法を採用。
・工事実施前から地下水位や河川流量を把握。工事実施後までモニタリングを実施。
・水資源に影響を及ぼす可能性が確認された場合は、まず応急対策を講じた上で、恒久対策としての措置を実施。
・湧水については、水質、水量等を管理し、適正に処理。湧水を放流する際には、表流水への影響を回避・低減すべく、できるだけ多地点で放流。
・沢及び河川等の表流水からの工事用取水を最小化することにより、生態系への影響を回避・低減。
・地下水位や河川流量について、精度の高い予測を実施、影響を最小限化する工法を採用。
・工事実施前から地下水位や河川流量を把握。工事実施後までモニタリングを実施。
・水資源に影響を及ぼす可能性が確認された場合は、まず応急対策を講じた上で、恒久対策としての措置を実施。
・湧水については、水質、水量等を管理し、適正に処理。湧水を放流する際には、表流水への影響を回避・低減すべく、できるだけ多地点で放流。
・沢及び河川等の表流水からの工事用取水を最小化することにより、生態系への影響を回避・低減。
【3】動物・植物・生態系
・南アルプス国立公園及び拡張予定地の影響をできる限り回避。
・ユネスコエコパーク登録申請地の資質を損なうことがないよう配慮。
・クマタカ等の希少猛禽類の繁殖活動への影響の回避・低減。
・河川流量の減少に伴うヤマトイワナ等の水生生物について、水系ごとの生息状況等のモニタリングと措置を実施。
・サンショウウオ類等の移動力が低い動物について、移動経路の確保及び移植等の措置を実施。
・夜間照明等による野生生物への影響を把握。
・希少な植物について、生息地の回避を原則とし、移植等は計画を作成し実施。
・南アルプス国立公園及び拡張予定地の影響をできる限り回避。
・ユネスコエコパーク登録申請地の資質を損なうことがないよう配慮。
・クマタカ等の希少猛禽類の繁殖活動への影響の回避・低減。
・河川流量の減少に伴うヤマトイワナ等の水生生物について、水系ごとの生息状況等のモニタリングと措置を実施。
・サンショウウオ類等の移動力が低い動物について、移動経路の確保及び移植等の措置を実施。
・夜間照明等による野生生物への影響を把握。
・希少な植物について、生息地の回避を原則とし、移植等は計画を作成し実施。
【4】人と自然との触れ合い
・工事車両の運行計画の調整等により登山者への影響を回避・低減。
・長期間の工事であることから、その影響を評価し、措置を実施。
・工事車両の運行計画の調整等により登山者への影響を回避・低減。
・長期間の工事であることから、その影響を評価し、措置を実施。
【5】廃棄物等
・発生土を抑制。地方公共団体と協議して管理計画を作成、適切に管理。
・発生土置場は、動植物の生息生育地や自然度の高い区域等を回避。
・発生土の譲渡先が講じるべき措置を伝達する等の措置を実施。
・廃棄物の発生抑制と再生利用、適正処理を徹底。
・発生土を抑制。地方公共団体と協議して管理計画を作成、適切に管理。
・発生土置場は、動植物の生息生育地や自然度の高い区域等を回避。
・発生土の譲渡先が講じるべき措置を伝達する等の措置を実施。
・廃棄物の発生抑制と再生利用、適正処理を徹底。
【6】大気・騒音・振動
・地域の特性に応じた大気質、騒音、振動のモニタリングと措置を実施。
・走行条件の変更時等の予測の前提条件が変更した場合には、追加的な予測調査と措置を実施。
・地域の特性に応じた大気質、騒音、振動のモニタリングと措置を実施。
・走行条件の変更時等の予測の前提条件が変更した場合には、追加的な予測調査と措置を実施。
【7】土壌
・工事に伴い生じる自然由来の重金属等に汚染された土壌について、モニタリングと措置を実施。
・工事に伴い生じる自然由来の重金属等に汚染された土壌について、モニタリングと措置を実施。
【参考】
○事業概要
・事 業 者:東海旅客鉄道株式会社
・事 業 地:東京都港区~愛知県名古屋市
・事業規模:286km(山梨実験線含む)
・設計最高速度:505km/時
○事業概要
・事 業 者:東海旅客鉄道株式会社
・事 業 地:東京都港区~愛知県名古屋市
・事業規模:286km(山梨実験線含む)
・設計最高速度:505km/時
○環境影響評価に係る手続
・平成26年4月23日 国土交通省から環境大臣へ意見照会
・平成26年6月 5日 環境大臣意見の提出
・平成26年4月23日 国土交通省から環境大臣へ意見照会
・平成26年6月 5日 環境大臣意見の提出
添付資料
水環境(水質、地下水、水資源)
トンネル部の地下水位データは少なく、山梨リニア実験線区間での河川流量観測結
果のみでは、地下水位や水環境に関する予測の不確実性は高い。また、特に山岳トン
ネル区間には、多数の断層が確認されており、断層や破砕帯等の透水性が高い部分か
ら大量の湧水が生ずる可能性がある。地下水位の低下並びに河川流量の減少及びこれ
に伴い生ずる河川の生態系や水生生物への影響は、重大なものとなるおそれがあり、
また、事後的な対応措置は困難である。
このことを踏まえ、以下の対策を講じること。
トンネル部の地下水位データは少なく、山梨リニア実験線区間での河川流量観測結
果のみでは、地下水位や水環境に関する予測の不確実性は高い。また、特に山岳トン
ネル区間には、多数の断層が確認されており、断層や破砕帯等の透水性が高い部分か
ら大量の湧水が生ずる可能性がある。地下水位の低下並びに河川流量の減少及びこれ
に伴い生ずる河川の生態系や水生生物への影響は、重大なものとなるおそれがあり、
また、事後的な対応措置は困難である。
このことを踏まえ、以下の対策を講じること。
(1)精度の高い予測の実施及び水系への影響の回避
山岳トンネル部の湧水対策は、事前に精度の高い予測を行った上で対策を検討し
ておく必要があることから、特に巨摩山地から伊那山地までの区間においては、本
線及び非常口のトンネル工事実施前に、三次元水収支解析を用いてより精度の高い
予測を行い、その結果に基づき、地下水位及び河川流量への影響を最小化できるよ
う水系を回避又は適切な工法及び環境保全措置を講じること。
また、愛知県及び岐阜県については、予測検討範囲内の湿地について、それぞれ
その水理的な成立要因を明らかにした上で、工事着手までに、トンネル工事が湿地
に与える環境影響について予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じること。
その水理的な成立要因を明らかにした上で、工事着手までに、トンネル工事が湿地
に与える環境影響について予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じること。
(2)湧水の最小限化等工法の検討
本線、先進坑及び非常口(山岳部)のトンネルにおいては、防水シートや覆工コ
ンクリートの早期かつ適切な施工、必要に応じて防水型トンネルの施工等を行うこと。
特に、非常口(山岳部)から本線トンネルに至るトンネルは、地上部から地下の
深層まで到達し、その過程で浅層地下水の帯水層や浅層地下水と深層地下水を隔て
る不透水層を貫通し、浅層地下水位の低下や河川流量に影響を及ぼす可能性がある
ことから、各非常口(山岳部)のトンネル掘削に際しては、あらかじめ、地下水位
の調査を行い、その結果を踏まえ非常口トンネルの防水工の必要性を検討すること。
本線、先進坑及び非常口(山岳部)のトンネルにおいては、防水シートや覆工コ
ンクリートの早期かつ適切な施工、必要に応じて防水型トンネルの施工等を行うこと。
特に、非常口(山岳部)から本線トンネルに至るトンネルは、地上部から地下の
深層まで到達し、その過程で浅層地下水の帯水層や浅層地下水と深層地下水を隔て
る不透水層を貫通し、浅層地下水位の低下や河川流量に影響を及ぼす可能性がある
ことから、各非常口(山岳部)のトンネル掘削に際しては、あらかじめ、地下水位
の調査を行い、その結果を踏まえ非常口トンネルの防水工の必要性を検討すること。
また、トンネル掘削時に行う地質調査により得られる実際の断層や破砕帯の状況
等の地質情報を環境保全措置の検討に反映させること。
等の地質情報を環境保全措置の検討に反映させること。
(3)湧水の適正処理
トンネル掘削により生じた湧水の排水については、工事計画の策定段階で、具体
的に排出場所、排出方法並びに水質、水量及び水温の管理方法等を明らかにした上
で、適正に処理すること。また、湧水及び処理後の湧水について沢や河川等の表流
水に放流することを検討する際には、水質や水量を検討した上で、専門家等及び関
係地方公共団体と協議し、できる限り表流水への影響を回避、低減すべく多地点で
放流する計画とすること。
トンネル掘削により生じた湧水の排水については、工事計画の策定段階で、具体
的に排出場所、排出方法並びに水質、水量及び水温の管理方法等を明らかにした上
で、適正に処理すること。また、湧水及び処理後の湧水について沢や河川等の表流
水に放流することを検討する際には、水質や水量を検討した上で、専門家等及び関
係地方公共団体と協議し、できる限り表流水への影響を回避、低減すべく多地点で
放流する計画とすること。
(4)事業前後におけるモニタリングの実施
地下水位の低下及び河川流量の減少が生ずる可能性のある地域として、予測及び
評価において設定した予測検討範囲に、断層や破砕帯の性状や連続性を加味した地
域において、工事実施前から、地下水位及び河川流量の把握を継続的に行うととも
に、工事実施中から工事実施後の適切な時期までモニタリングを実施すること。特
に、河川流量の把握については、水系ごとに、流量の少ない源流部や支流部を含む
複数の調査地点を設定すること。
また、地下水位や河川流量に影響が生じている可能性が確認された場合は、まず
応急対策を講じた上で、恒久対策としての環境保全措置を講じること。
応急対策を講じた上で、恒久対策としての環境保全措置を講じること。
(5)工事用水の取水の最小化
工事に伴う沢及び河川等の表流水からの取水は、生態系への影響が懸念されるこ
とから、河川流量や生態系に影響が生じない場合のみ行うこととし、みだりに取水
することは厳に戒めること。また、取水量が集中しないようにすること。
工事に伴う沢及び河川等の表流水からの取水は、生態系への影響が懸念されるこ
とから、河川流量や生態系に影響が生じない場合のみ行うこととし、みだりに取水
することは厳に戒めること。また、取水量が集中しないようにすること。
土壌環境
(1)地盤沈下
工事中及び工事完了後において、土被りの小さい山岳トンネル区間で地上に住居等
が存在する区間のうち適切な箇所を選定し、一定の期間、地盤沈下に関する事後調査
を実施し、地盤変形の程度を把握するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全
措置を講じること。
(1)地盤沈下
工事中及び工事完了後において、土被りの小さい山岳トンネル区間で地上に住居等
が存在する区間のうち適切な箇所を選定し、一定の期間、地盤沈下に関する事後調査
を実施し、地盤変形の程度を把握するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全
措置を講じること。
(2)土壌汚染
① 土壌汚染の可能性がある地域における発生土の汚染状況調査
本事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、トンネル工事等に伴う
発生土については、自然由来の重金属等による汚染の状況を定期的に調査すること。
なお、調査頻度については、専門家等の助言を踏まえ決定するとともに、工事着
手前までに具体的な計画を策定すること。
① 土壌汚染の可能性がある地域における発生土の汚染状況調査
本事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、トンネル工事等に伴う
発生土については、自然由来の重金属等による汚染の状況を定期的に調査すること。
なお、調査頻度については、専門家等の助言を踏まえ決定するとともに、工事着
手前までに具体的な計画を策定すること。
② 汚染土壌の適正な管理及び処理
自然由来の重金属等による汚染のおそれのある土壌については、拡散を防止する
ため、適切な管理及び処理を行うこと。
自然由来の重金属等による汚染のおそれのある土壌については、拡散を防止する
ため、適切な管理及び処理を行うこと。
③ 要措置区域等外の土地の基準不適合土壌の取扱い
要措置区域等外の土地の土壌であっても、その汚染状態が土壌溶出量基準又は土
壌含有量基準に適合しないおそれがある土壌については、運搬及び処理に当たり、
土壌汚染対策法の規定に準じて適切に取り扱うこと。
要措置区域等外の土地の土壌であっても、その汚染状態が土壌溶出量基準又は土
壌含有量基準に適合しないおそれがある土壌については、運搬及び処理に当たり、
土壌汚染対策法の規定に準じて適切に取り扱うこと。
1.地下水の予測について
・高橋の方法は、万能ではない。前提条件があり、それがすべての地域で使えるかという問題がある。より広く影 響が出ることもある。また、高橋の方法は、被圧された深層地下水は想定していない。
・高橋の方法は、万能ではない。前提条件があり、それがすべての地域で使えるかという問題がある。より広く影 響が出ることもある。また、高橋の方法は、被圧された深層地下水は想定していない。
・本線トンネルが不透水層の下であっても、断層などで不透水層の上の浅層地下水と深層地下水がつながっている場合もある。このような場合、トンネル掘削により深層地下水がトンネルに流出し、深層地下水が下がった分、浅層地下水が引っ張られて下がることや、河川流量にも影響することがありうる。
4.トンネル湧水の河川や沢への排出等について
・断層の深さはまちまちで、地表からトンネル掘削深度まで達しているか否かは掘ってみないとわからない。地上で確認できる断層と、工事前に行う地質調査結果でわかる実際の断層は、かなり異なる場合もある。
・トンネルに流出した地下水を、河川や沢に排出する場合、その水質にも注意が必要。自然由来の重金属等が含まれていて地上に出て問題になることがある。トンネル掘削による発生土についても同様。